表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

名探偵碓井頼光

とりあえず2階組への報告をすませると、藤は松井に指示して食料を調べさせる。

幸い…食料の方は薫製やパン、チーズなど豊富にあり、松井にそれを各部屋の冷蔵庫へと移させた。

その上で藤が舞の部屋に戻ると、コウはバルコニーにいた。


「碓井君、全部言われた通りにしたよ。

食料は各部屋の冷蔵庫で3階組は川本の部屋に集合。

2階組にも舞の部屋で木戸が死んでた事は伝えた。」


自分も部屋の物に触れない様に気をつけて室内に入ると、藤はコウに声をかけた。


「ありがとうございます。助かりました。」

コウはその声に振り返った。


「いやいや、それはこっちの台詞だよ。

君がいなくてあの馬鹿共かかえてこの事態が起きたらと思うと、私の方がゾッとする。」

藤は苦笑しつつコウに並ぶ。


「犯人は…舞…なのかな?」

豪雨の降りしきる外に目をやりながら、藤はつぶやいた。

それにコウは即答える。


「いえ、あり得ないでしょう。

自室にひと呼びつけてその場で殺してそのまま死体放置で一晩死体と寝るなんて馬鹿まずいません。

というか…普通は嫌でしょう?

死体と一緒の部屋に寝るのって」


「あ、それもそうだよね…」

藤は苦笑。

そしてすぐ笑みを止める。


「でもさ、そうすると密室じゃない?

舞が起きるまでは鍵かかってたわけだし…

バルコニーから逃げたにしてもここ3階だしね。

地面からだいたい6m近くで飛び移れるような物もない。

バルコニーの手すりにロープとか結んで降りるにしても降りた後にはずせないから結んだままのロープが残ってないとおかしいし…。

梯子なんかここにはないし万が一外から持ち込んだにしてもそれならぬかるんだ地面になんらかの後がついてないとだしね。」


「二宮さんは…ここでは施錠する習慣ないみたいですね?」

「ああ、子供の頃からきてるからねぇ。

子供の時って逆に鍵かけた状態で室内で何かあったら危ないから鍵かけちゃだめとか言われてたし。

その頃の習慣かな。

いまでもどうせかけないから舞が来た時はこの部屋の鍵はマスターと一緒にしてる。

…って事で…もしかして私疑われてたり?」


「いえ…全員容疑者と言えば容疑者と思うべきですが…。

すごくぶっちゃけると藤さんが犯人というのはありえないと思ってます。

あなたが犯人ならこんなトリック使う必要ないし。」


何か考え込んでいるコウに藤はちょっと興味深げな視線を送る。


「トリック?」

「ええ。全然密室じゃないというか…。

今回の事で1階のいたずらについてすごく納得できたんですが…。

犯人はわかっても動機がわかりません。」


「ちょ、犯人わかってるわけ?君っ!」

コウの言葉に驚く藤。

それにコウはあっさりうなづく。


「たぶん…犯人は犯行を隠すつもりも自分が逃げおおすつもりもないので。問題は…」

「問題は?」

「誰がジュリエットなのか、ということです…」

「はあ??」

突拍子もないコウの言葉にぽか~んとする藤。


「たぶん…それがわかれば犯人の目的もわかる気がするんですが…。」

「ジュリエット…ねえ…」

藤は首をひねった。


「ジュリエットと言って今思い浮かぶのはこのジュリエット部屋の主の舞と優波ちゃんくらい?」

藤の言葉にコウが嫌~な顔をした。


「不吉な事…言わないで下さい。

今携帯持ってます?藤さん」

「ん?持ってるよ?何?」

藤は言って携帯をコウに手渡す。

「お借りしていいですか?」

「どうぞ?」

藤が答えるとコウは携帯をかける。




「もしもし。俺。なんかちょっと不安になってきたんだが…身の回り変わった事とかないよな?」

電話の向こうからは、最後に会ってから2日しかたっていないのに随分会ってない気がする最愛の彼女の声。

『いきなり何ですか?

こちらは何にもないですよぉ』

と可愛らしい声で言って笑う。


「ん、ならいい。」

と、とりあえずホッとしたとたん、

「あ~!優波ちゃん?!かわってっ!!」

と、藤がコウから携帯を取り上げた。


「もしもし?久しぶりだね~、覚えてるかな?

覚えててくれたんだ~!!

いや、今実はうちの別荘に来ててね、碓井君。

たまたま友人の弟君の友人で…。

うん。今度高等部に遊びに行くよ。

久しぶりに顔みたいし。

うん、話せてすごく嬉しかったよ。

うん、じゃ、かわるね」

藤はまたコウに電話を戻す。


「ん、というわけなんだ。

で、ちょっとしたいたずらで、誰がジュリエットを殺したんだ?ってメッセージカードと共にトマトジュースぶちまけた奴がいて…。

そんなとこまで波及するわけないんだけどむちゃくちゃ不安になったわけで…。」

『いくらなんでもコウさん達の方のいたずらがこっちまでは来ませんよぉ。

ましてや…お祖父様の家はうちと違って警護すごいですもん。

怪しい人なんて絶対に入り込めません』

電話の向こうで苦笑する声。


「ああ、そうだよな…わかってる…そうなんだけどな…クルクル回るんだよ、悪い想像がっ。」

『第一…私がジュリエット演じたのってもう2年も前ですよぉ?

それでそんな殺されるなんて話になったらうちの学校みたいに毎年ロミオとジュリエットやってる学校なんて大変な事になっちゃいます。

まあ…5年前にはジュリエットの変死事件あったみたいですけど…それも一人で学校入るの目撃されてるので他殺ではないですし…』


「ちょ、ちょっと待ってくれっ!

なんだそれは?!」


5年前のジュリエットの変死?

何かひっかかる。


『えと…私当時まだ小等部でしたし藤さんいらっしゃるなら同じ学年のはずですから私より詳しいと思います』


もしかして…それか!

「サンキュー、姫っ!すごく助かった。」

コウは電話を切ると藤を振り返った。



「藤さん、聞きたい事があるんですが…もしかしたら嫌な事思い出させるかもしれません」

少し躊躇してそれでも切り出すコウに、藤は苦笑した。


「ん~まあ2年ぶりにお姫様と話させてもらったからね、多少の事は許してあげよう。なに?」

そんな藤にちょっとホッとしてコウは続ける。


「行きの車の中で5年前…藤さん達が中3の時に事故があってロミオとジュリエットが一時上演されなくなったっておっしゃってましたが…。

その事故ってジュリエット役の生徒が変死したって事で、その生徒って同じく行きの車で話してらしたいなくなった友人…ですか?」


「あ~…そのこと…か…」

少し俯き加減に苦笑する藤に、コウは

「すみません…」

と頭をさげる。


「いや、いいよ。その通り。

私達は元々幼稚舎から4人ずっと一緒でね…。

彼女、桜って言うんだけど中3の時にね、毎年恒例のロミオとジュリエットのジュリエットに選ばれて…。

それを演じるはずだった流星祭を迎える前…9月の台風の日に屋上から転落して亡くなってる。

台風の強風で飛ばされて足を滑らせたのか自分で飛び降りたのかはわからないけど…。

でも一人で屋上に上がって行くのを何人もに目撃されてるから少なくとも他殺ではないよ。」


「…自殺…だったとしたら原因に心当たりは?」

「…変わった様子があったら一人でフラフラさせてたと思う?」

少し声にいらつきの見えて来た藤にコウは

「…ですね…失言です。すみません」

と、うつむいた。

それにまた藤が苦笑して首を横に振る。


「ごめん、八つ当たった。

ホントのとこはわかんないんだよね。

私さ、自分で言うのもなんだけど出来るお子様だったわけよ。

まあ今思えば井の中の蛙ってとこだけどね。

頭も良ければ運動神経も良くて、おまけに家が金持ちだしさ。

でもなんつ~か…周りかしづいてくれちゃうから今にして思えば偉そうで怖そうな奴だったんだろうね。

友達いなくてさ。みんなに遠巻きにされちゃうわけ。

ところがさ、年中の時に同じクラスになった桜はさ、これがまあ人懐っこいっつ~か…。

他が引く様なきっつい事言っても”ふぅちゃん、ふぅちゃん”って追いかけてくるんだわ。

別に人間嫌いなわけでも友達欲しくないわけでもなかったからこれが嬉しくてさ、それからは私の方が桜に夢中。

で、舞は舞であの性格だから女ばかりの中だと浮きまくりなわけね。

やっぱり当時友達いないところに桜が連れて来て…

美佳はあの内気さと鈍くささで同じく友達が~ってとこに桜がってな感じでね。

なんとなくいつも4人一緒だった。

でもそんな感じなんで4人一緒っていっても桜だけは特別だったわけ、少なくとも私にはね。

いつだって気にかけてたし側にいたし…。

だから…桜が自殺なんて決意しちゃうほどの事があったのに自分は何も言ってもらえなかったんだって思いたくないし、桜が死ぬほど何か悩んでたのに自分が全然気付かなかったって思いたくないんだよね…たぶん。

だってさ、死ぬ前日一緒に帰っててさ、夜には普通に翌々日に提出する宿題の話とかしてて…翌朝に亡くなってるわけだからさ…。

最後に話した時には何かすでにあって死にそうに傷ついてたのに気付かなかったって、ずっと一緒にいた相手なのにさ、ありえなくない?」

そこまで言うと、藤は黙ってうつむいた。


「なんか…身につまされすぎて泣けそうです…」

コウも同じくうつむく。


「あ…やっぱり同じタイプか…」

「…ですね…。

ていうか今の藤さんの言葉で何故自分が友人が作れなかったのか今更わかった気がしました…」

二人でズ~ンと暗くなる。



「藤さん…」

「…ん?」

「他の二人には?」

「えっと…思い入れってやつ?」

「ええ。」

「そうだねぇ…」

藤は考え込んだ。


「舞には…実はあんまり。

桜いなかったら絶対に近づいてなさそうでしょ?

お互いに。」

「そんな感じはしますね…」

「うん、あれは完全になんとなく惰性な腐れ縁。

美佳は…半分使命感っつ~かな…。

放っておいたら孤立するだけじゃなくていじめられるタイプだったし…。

桜にも生前『ふぅちゃんは強いし何でもできるからみぃちゃん助けてあげてね』ってよく言われてたから。

桜死んであれくらいしか遺されたもんなかったからねぇ…。」

そこまで言って藤はポリポリと頭を掻いた。


「マジ、なんで昨日あったばかりの碓井君にこんな話してんだろうね、私。」

「姫つながり…だから。」

「あ~そうかもね。

桜を間にいれたら舞とでも普通に友人づきあいしてたくらいだしね。」

「あとは…同類だから?」

「ん、それもある。」

「たぶん…藤さんは結構遥さんと気が合ってる。

裏表あっても基本的に友情にはあついタイプだから。」

「よく知ってるじゃん」

「ユートもそうなので」

「なるる」


「…というわけで…大丈夫ですね?」

コウが少し身を起こした。

「真相知ると二人との縁が切れるってことだね…君の考えだと」

藤も身を起こす。


「わかってる範囲で説明します。

でもたぶん俺だと内情知らなさすぎて結論まで辿り着かない。

だからそこから藤さんの情報を加味して考えて下さい。」

「了解っ」

「一気に行きます」

コウは宣言して小さく息を吐いた。



「まず…木戸さんの寝返りの顛末から。

木戸さんは二宮さんに何か弱みを握られていた。

だから本当は心情的には遥さん側につきたくてそのつもりだったのを、そのネタを盾に二宮さんに引き抜かれました。

これは…サービスエリアでの木戸さんの表情や態度から感じた印象。

始めからぎりぎりで裏切るつもりならしてやったりという顔しててもいいはずですし、単に二宮さんに女性として惹かれてということならもっと引き抜かれた事で喜んでもいいはず。

ところが実際の木戸さんの表情はオドオドと怯えた感じでした。

気が弱くて神経質で臆病。

そんな印象受けました。木戸さん。

普通自主的に個人的好みで裏切ったりとかする度胸ないと思うので、以上から脅されての寝返りという推論が成り立ちます。


次に…昨夜この部屋に起こった事の推論に移ります。

弱みを握られた状態で協力してチェス勝負に負けた木戸さんは、当然二宮さんからの制裁を怖れます。

犯人はそこにつけこみます。

犯人は木戸さんに以下のように言います。

二宮さんが木戸さんの謝罪を求めている。ただし普通の謝罪など欲しくない。

どうせ謝罪するならこの豪雨の中バルコニーまでよじ登ってきて謝罪するくらいの事をしろと言っている。

ただし…二宮さんの立場上、万が一にでもそんな事をさせたのがバレては問題だから、他に見つからない様に。

二宮さんとごく親しい人間が言う事でもあるし、ペナルティだからそういうむちゃくちゃな注文もありうるだろうと信じる木戸さん。

そこで犯人は木戸さんに時間を指定した上で、その時間に二宮さんの眠りが深くなるように睡眠薬か何かを飲み物にまぜて飲ませる。

あとは普通にドアから二宮さんの部屋に入り、バルコニーからロープを垂らして木戸さんを待ち伏せて、木戸さんがロープを伝って登って来て部屋に入って二宮さんに気を取られてるうちに後ろから刺す。

木戸さんの死を確認したら、あとは二宮さんの部屋のドアの鍵をかけ、自分は木戸さんが登って来たロープを伝って降りる。

そのロープの後がここにあります。

かすかに塗装が剥げてる。」

と、コウは手すりの一本の下の方を指差す。


「ストップ!

でもさ、それなら犯人はどうやってそのロープを回収したの?

下からバルコニーの手すりに結んだ結び目解くのは無理でしょ?

それに地面には足跡ないし。」


藤の言葉にコウは自分のハンカチを出して、それを手すりに巻いて両端を片方の手でつかんだ。


「こういう事です。ロープを結んでないんです。

長いロープを半分にしてその間に手すりを挟むような感じで使ったんです。

で、木戸さんにもおそらくそこから出る様に指示したんでしょうが、開けておいた1階の廊下の窓から自分も室内に戻ったんです。

ただここで一つ誤算が。

行きは良かったんですが、降りてくる際当然この豪雨なので犯人はかなり濡れていて、室内に入った時絨毯が濡れてしまった。

丁度二宮さんの部屋の真下の絨毯が濡れていれば何らかのチェックをいれる人間がいるかもしれない。

犯人は迷った挙げ句、廊下のあちこちを濡らす事にした。

水…だと雨を連想させる可能性もあるので、撹乱のため、よく血の代わりに使われるトマトジュースで非日常を演出。

単にいたずらか何かでぶちまけたんだと思わせる。


これが密室のカラクリなんですが…ここで犯人の特定に移ります。


木戸さんが二宮さんからの使者と信じたという時点で、二宮さんと不仲な遥さん側の人間はありえない。

明らかに意地の悪い要求というのは目に見えてるため、相手には優しく可愛い女性に思わせたいと思っているとりまき、川本さんや山岸さんに二宮さんがそういう風に言わせるというのもありえないので二人では同じく木戸さんが信じない。

松井さん…だと当然藤さんの耳にも入りますね?

では藤さんか?

藤さんなら鍵を持っているのでトリックを使う事自体に意味がない。

で、残りです、犯人。

二宮さんと親しくて、その人が言う事なら二宮さんの言葉だと信じさせる事ができ、普通に飲み物をすすめても二宮さんが疑いなく飲む相手。

そして…二宮さんがここにいる間は施錠しない事を知っている人物。」


コウは言ってチラリと藤の表情を伺う。

「美佳…なのか…。でも何故木戸を?」

呆然とつぶやく藤にコウもうなづいた。

「そこがわかりません。が、」

「が?」

「木戸さんと二宮さんがおそらくジュリエットの死にかかわっていて、それをネタに二宮さんが木戸さんを脅していたんだと思います。

ジュリエット、桜さんが亡くなってもう5年です。

何故このタイミングに、なのかと考えた時に、二宮さんが木戸さんを桜さんの死に関する事で脅していたのを矢木さんが聞いていて復讐をと考えると納得がいくかと…。

矢木さんが食事の時に俺に姫の話をしてて、話が亡くなった桜さんの事に行きかけた時の二宮さんの動揺ぶりを見ると、二宮さん自身も桜さんの死に無関係じゃないのかもしれません。

で、1階のいたずらに戻りますが、あのメッセージは…おそらく二宮さんに向けたものかと…。

共犯者(?)の木戸さんを密室の二宮さんの部屋で殺し、ああいうメッセージを残す事で二宮さんに恐怖とプレッシャーを与えるのが目的なんじゃないかと言うところまでは考えたんですが…」


そこでコウは動きかける藤の腕を掴んだ。


「藤さんは…暴走しないで下さい。」

「暴走するなっ?!

至極冷静なる報復だったらいい?!」

そのコウの手を振り払って藤はさけぶ。

コウはその腕をまたつかんで静かに言った。


「推論にすぎません。」

「限りなく事実に近い推論だよっ!」

「暴走する前に…真実を知る方向で動くべきです。

あなたにはその判断ができる理性があるはずだ。」

「真実がわかって?!

それでどうなるって?!」

「とりあえず…処罰されるべき人間が処罰されて…あなたは長年納得のいかなかった謎を解決できる。

その後…あなたは新たな友人と交友を深め…俺は藤さんを暴走させずに事件を解決できて姫を傷つけずにすむ。

で、姫は何も知らないまま懐かしい親しくしていた上級生と楽しく再会できる事になります。」


「そこで優波ちゃん出すか…」

思わず力が抜ける藤。


「ここで藤さん暴走して何かあったら姫が悲しむので…」

「それ…ずるいな…」

「ずるくないです。真実です。

姫にホントに似てるなら…多分桜さんも…」

「それやめて…真面目に滅入る」

「すみません」

謝罪するコウに藤はため息をついた。


「木戸は本当にわからない…。

でも舞に関しては…自分がジュリエットやりたがってたから。

だからそれが原因で嫌がらせくらいしてても不思議じゃない。

私も気をつけてるつもりだったんだけど…」

「とりあえず…木戸さん本人は亡くなってるので事情聞けるとしたら二宮さんか矢木さんですが…」

と言ってコウはチラリと藤を伺う。

その無言の問いに藤は考え込んだ。


「単純に…木戸が何をやったかって事ならどちらからでも聞けるかもね。

舞はお前殺されるぞって思い切り脅しかければ自分は関係ないけど木戸はって言い方でゲロするだろうし、美佳は単に私が普通に脅すだけでしゃべる…けど、聞くなら美佳の方がいいな。

本人も関わってる奴から話聞いたら私が殺人犯になりかねない。」

何か苦いものでも飲み込む様に藤は言う。


「じゃ、とりあえず川本さんの部屋行って矢木さん一人連れ出して事情聞きますか…」

コウは言ってバルコニーを出て部屋に入ると、そのまま部屋を通り越して廊下に出た。

藤もその後を追う。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ