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~アクセル•ハート~

 MMORPG『アクセル•ハート』

 日本限定で発売されたPCゲームで、ヘッドモニターとコントローラーを使って遊ぶゲームだ。

 俺は、このゲームにドップリとハマっている。


 -ギルド『月光』ギルド長室内-

 広い室内には小さな日本庭園と小さな池。

 部屋の奥に行くとギルド長専用の転移ゲートがある。

 ギルド長がログインすると、この部屋からのスタートになる。

 部屋には1人の女性キャラ。

 華やかながらも、動きやすそうな和服姿。

 転移ゲートからログインしてきた1人の男。

 「渚桜さん。お疲れさまです」

 「椿、いつも出迎えありがとう」

 ギルド『月光』のギルド長は、神崎直也かんざきなおやが使用している1stキャラの渚桜なぎさ

 『椿』と呼ばれた女性キャラは、会釈をして迎えたことに感謝されると、笑顔で喜んでいるようだ。

 「渚桜さん、今日はGMからの依頼はありますか?」

 渚桜はメニューを開き、メールの確認をする。

 「…本日の異常はなし、だって」

 「では本日はどのようになさいますか?」

 「たまにはのんびりしようか。ギルド館を巡回するか」

 最近はver.UPもされてないからか、デバック確認作業が少なく、今日のような日が続いている。

 大体はギルドメンバーに頼まれて、クエストに同行するが、今日はその誘いもないため、ギルド館を回ることにした。

 「いつも通りお供します」

 椿は俺の秘書みたいなことをしてくれている。

 俺がリアルで忙しくてログイン出来ないときは、椿がギルド長代理をしてもらったりと、信頼できるメンバーだ。

 ログインすると、大体が椿は一緒に同行してくれたりと、いつも一緒なのが当たり前になった。

 

 「あ!ギルド長!お疲れさまです!」

 「ギルド長!この前のクエストありがとうございました!」

 ギルドメンバーに慕われるのは少し恥ずかしいが、すごく気持ちが良い。

 「ギルド長、良かったらこのまま酒場で飲みませんか?」

 巡回も飽きてきたし、ギルドのみんなで酒を交わすことにした。


 もちろんゲームなので酔うわけじゃないが、もしかしたらメンバーの何人かはリアルで酒を同タイミングで飲んでいる奴もいるかもしれない。

 いや、いる。

 あそこの重戦士、さっきから動きが止まってる。

 トイレだとしたら、相当止まっている。

 多分酔いつぶれて寝てしまったのだろう。

 そんなメンバーは、うちのギルドではよく見るので、誰も気にとめない。

 「渚桜は、リアルでも飲んでますか~?」

 椿もその1人なのだが、寄ってくると呼び捨てになるからわかりやすい。

 「だからリアルでは俺、ゲコなんだって。何回言えばわかるんだよ」

 「なに言ってるんですか~、飲める飲めないじゃない。飲むか飲まないかです!」

 カッコつけて言ってるかもしれないけど、言ってる内容はどうかと思うぞ(笑)


 最終的に椿もフリーズ。

 周りを見渡すと、椿含めフリーズしてるメンバーと、しっかりログアウトしたのか人数が減っている中で、動いているのは俺含めて4人。

 4人中2人はリアルでも飲んでいるが、いわゆるザルなのか、それとも全然酔うほど飲んでいないのか…。

 とりあえず残った4人で雑談することに。

 「椿ちゃん、お酒弱いのにリアルでも飲んでるのが笑えるよな」

 「フリで『飲むことでリアリティが出るよ』って教えたら、ホントに飲むんだもんな(笑)」

 「渚桜も飲めよ~」

 「イヤだよ、酒買う金があったら課金アイテム買うわ!」

 椿以外で、俺のことを『渚桜』と呼ぶメンバーの3人。

 ギルド創設時に一緒に立ち上げてくれたメンバーで、いまでも同じギルドとして遊んでいる。


 ここのギルド総人数は62人と他ギルドの中でも中堅クラス。

 新撰組みたいに部隊分けをしているが、深い意味はない。

 ただキャラの職業で振り分けているだけだ。

 今残ってるこの3人と、そこでフリーズしている椿、あとここにいないもう1人が隊長を勤めてくれている。

俺はギルドの運営と、ギルド館の設備の調整、他ギルド間の交流などをしているので、全ギルドメンバーのことは把握出来ないので、この5人がいてくれて助かっている。

 

「なあ、もし異世界に行けるとしたら…」

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