～プロローグ～
－－－某所。
「神崎さん、これ例の書類です。」
「あんがとさん」
部下から受け取った書類を確認して、机の上の書類の束に重ねる。
高校卒業後、なんとなく入った工場の作業員から始まった社会人生活。
早くも10年が経過し、作業員から営業部署の社員、今では営業部長に昇進したは良いが…
上司からは部署内のことを注意されたり無茶ブリされたり。
部下からは愚痴や文句をいわれながらの仕事をこなす生活。
尊敬はするが嫌いな上司。
仕事はするが文句の多い部下。
板挟みの生活が続いて胃に穴が空きました(笑)。
唯一の楽しみはゲーム。
MMORPG『アクセル•ハート』は1万5000DLを超えてる有名ゲームだ。
しかしゲーム開始から8年経った今では、総プレイ人数がたった2000人だった。
その理由は簡単！いわゆる初心者に優しくないクソゲーと化していたからだ。
そんなクソゲーになる前、まだゲームが始まるもっと前、β版からプレイしていた俺は、デバック部分を逐一GMにメールしていたお陰なのか、GMから感謝のメール以上に『○○エリアの探索』というクエストのようなGMの補助的作業も行わさせてもらっていた。
会社の仕事よりやる気があった。
いっそこの会社に就職できないか…と思ったよw
本ゲーム開始後もGMの頼みごとをこなし続けていくうちに、GM補助のアルバイト代が支払われたりもした。
もちろん、プレイヤーとしてゲームを楽しむことも忘れなかった。
常時行うことができるクエストは全部クリアし、GMからの追加クエストも随時クリアしていったおかげか、レベルはカンスト(Lv.1000)。さらに限界突破クエストを2回クリアしてLv.1200。
ゲーム内で同等のレベルに到達していたプレイヤーは俺が知る限り13人。
とまぁゲームの話はこの辺で。
そろそろPCの準備も整ってきたし、あとはログインするだけだから、しばらくゲームに集中するから…
帰ってくれ(笑)
