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僕らの始まり。
始まりは、
あのメールからだった。
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ここは、桜の先高校。
ごく普通の学校だった。
偏差値もそこそこ、規則も少しゆるいくらいの
どこにでもある学校なのだ。
「月~!!太陽~!!」
そう元気よく呼んだのは
赤井聖多。
高校生の男子の声としては少しトーンが高く、
顔も整ってはいるが童顔である。
「あ、せーた!!」
「やっほ~」
そう言って駆け寄った瓜二つの双子が
夜桜月、夜桜太陽なのだ。
とてもよく似ていて、
違うのは瞳の色と髪の長さ。
月が綺麗な群青色の瞳を少し細めて笑った。
「じゃ、行こっか。」
「せーた!!ここから部室までダッシュで遅かった方がジュース奢りな!!」
少し幼い顔で笑った太陽。
彼の瞳は吸い込まれるような桜色だ。
「あっ!!待てよ!!」
走り出した太陽に続いて、少し反応が遅れた聖多が続く。
それを愛おしそうに、楽しそうに見守る月。
毎日、こんな日常で溢れかえっていたのだ。