ドサッ──
忍者登場。
ある日の放課後、秋乃は寝ていた。
そして、ドサッという音に目が覚めた。
「……ん?」
「イタタタ……」
紫色のもろ忍者の格好で、打ちつけたであろうお尻をさする男性。
「…………」
「…………」
しばし、顔を見合う二人。
秋乃は頭の中で色んなことを巡らせる。
忍者? この人忍者? もし忍者なら……
「何奴?」
訊いてみる。
「む……。拙者、忍者でござる」
姿勢を正して、秋乃に向き合う。
「なぜこのようなことに?」
「……いつものように、巡回をしていたところ、久しぶりに降りてみたくなったでござる。そして、誰も居ないであろうと降りた結果、おぬしに見つかってしもうた」
「あ……なるほど──」
また二人は見つめ合う。
視線を上に移すと、正方形に穴があった。
「上はどうなってるんですか?」
「うむ。このように、成人した大人一人が入れる空間が広がっている」
「へえ──」
秋乃の目が、輝いていく。
「おぬし、よからぬことを考えていまいか?」
「え? ちょっと……?」
「やめておけ。道を外れることなかれ」
「忍者さんはいいんですか」
「拙者はいいでござる。しかし、おぬしはまだ若い。道を外れていいことはないでござる」
「実体験ですか?」
「…………」
忍者は黙る。
「忍者さん?」
「ゴホン……そろそろ戻らねば──おぬし、このことは他言することなか……」
「秋乃、先生が呼んでるぞ……。あ、どうも」
と章が忍者に頭を下げて、通り過ぎる。
「え? 何かしたっけ?」
「いや、知らねえけど──」
忍者は素通りした章をキョトンとみて、秋乃に目で訴える。
「素通りしたでござるな……」
「あ。章、忍者さんだよ」
「え?」
章が振り向く。
「先生ですか?」
「いや、忍者でござるよ」
「……は?」
章が間抜けた声を出す。
「忍者?」
「そう」
「そうでござる」
「…………」
章は忍者と秋乃を交互に見やる。
「忍者……?」
「そうだよ。忍者さん」
「よろしくでござる──」
と忍者はペコリと頭を下げる。
「え? あ……はぁ──」
「それでは、また会ったら、よろしく頼むでござる──」
そう言って、机に乗り、タッとジャンプして正方形の穴に戻っていった。
カタンと正方形の穴が閉められ、教室には秋乃と章が残された。
「忍者すげー」
「いやいや、変な人が多いから気づかなかったけど……本物?! 本物なのか!?」
「わかんない──」
とりあえず、大人でも変な人がいるのだと、章は天井を見ながら思った──
とりあえず、全員出せました。
これから色々やりたいと思います。