年明け
遅くなりました(_ _)
総出演。
※場面がちょいちょいかわります。
年が明け、皆それぞれ違う神社に行ったりしていた──
「二礼二拍手一礼だからな」
「お金投げ入れて、ガラガラするだけじゃないのか」
と香月が注意をした章に言う。
三人は、参拝するために並んでいた。
「だろうよ──」
「何お願いしようかな……」
と秋乃はアゴに手を当てて考えている。
「新作のゲームでもお願いしようか……」
「「サンタじゃねえから」」
香月と章がツッコみ、秋乃はきれいなツッコみだ、と思った。
「もっとマシな願いしろよ──」
他にないよ……と秋乃は章に言われて困った顔になり、香月は何願おっかなぁと言いながら、三人は少しずつ前に進んだ──
*
「毎年悪いねぇ」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「そうですよ。甘酒飲ませてもらえるし──」
犀と朔は近所の神社で、参拝しに来た人たちに豚汁をよそって配るという、自治会の仕事を手伝っていた。
「いやぁ、毎年助かるよ。二人もあとで食べてってね」
と鼻を赤くしたおじさんが笑って、二人に言った。
「はい、ありがとうございます」
「ごちそうになります!」
二人はお礼を言ってから、また参拝しに来た人たちに豚汁を配り始めた──
*
「何これ……」
柚子はおみくじを引いて、顔をひきつらせた。
そんな柚子の手元を覗き込んで、ヒナミは言った。
「なんで? 吉じゃん。良い方じゃないの? 私は末吉だよ」
ちょっと残念。とヒナミは苦笑いする。
「『進展は望めないでしょう。時を待て』……待てって……」
いつまでよ?! と柚子はぷくっと頬を膨らませる。
ヒナミは柚子のおみくじを全部見てから、ああ。と納得した。
「恋愛面かぁ。もう柚子ちゃんたら」
とヒナミは柚子の腕を、このこの〜、と突っつく。
「舛田くんのことでしょ」
「はあっ////!? そんなわけないでしょ////?!」
「いいよいいよ、そんな恥ずかしがらなくて──」
違うって言ってるでしょっ////! と赤くなりながら否定する柚子を、ヒナミは、あはははは。と笑って流すのだった──
*
「先輩、なんで男二人で来てんですかね」
「関野に断られて、ヤケクソで俺を誘っといてそういうこと言うか?」
「だって……関野さん家族と過ごす決まりになってるって言うから……!」
と篠山は、顔を両手で覆う。
篠山は関野に、初詣一緒に行きませんか? と誘ったのだが、毎年家族と家で年を越すことにしているから。と断られた。
それでちょうど生徒会室に居た眞壁を、篠山は誘ったのだ。
「先輩……何かすいませんでした……」
「まあいいけどさ、ニャンパラ新年号おごれよ?」
「ええ?!」
「あたりまえだろ。ほんとは部屋でニャンパラ祭りの予定だったんだから」
と眞壁が篠山に言う。
「そんなぁ……」
「冗談だよ。ま、お賽銭したら帰ろうぜ」
「はい……。関野さん、何してますかね?」
「家族水入らずで、年越しそばじゃねえの?」
そうかなぁ。と篠山は、関野に思いを馳せた──
*
「お姉ちゃーん、そばできたってー」
「あ、はーい。今行くー」
関野は妹に呼ばれ、打っていたメールを完成させてから、送信ボタンを押した。
「よし──」
そして携帯を机に置いて、リビングに向かった。
「お待たせ」
「よし、じゃあ皆手を合わせて──」
関野が席に着いたのを確認して、父が合図を出す。
「いただきます」
「「「いただきます──」」」
そして、そばを食べ始める。
「お姉ちゃんさ、初詣とか行かないの?」
「ん──。家族で年越すって言ったでしょ」
と関野はそばを口に運ぶ。
「でもさ、友だちとか……彼氏とかさ!」
「「ブフッ──!」」
妹の一言で、関野と父が噴き出す。
「ちょっとちょっと、二人とも汚いじゃない──」
ほら、早く拭いて。と母は布巾を二人に手渡した──
*
「寒いな……」
「そうですね──忍者さんは大丈夫ですか?」
やっぱり、忍者の格好なんですね……。と保梨は忍者を見る。
「大丈夫でござるよ。暑さや寒さには慣れてるでござる──」
と忍者は答える。
山井と保梨、忍者は、神社に来ていた。
「あと二分で、年が明けますよ」
保梨が腕時計を確認して言う。
「あっという間だったなぁ」
と山井は息を吐きながら言う。
「そうでござるな……」
「ですね……。月日が経つのは、早いものです──」
と保梨も息を吐く。
白くなった息が、空に吸い込まれていった。
「……ご、よん、さん、に、いち──」
近くにいたおじさんが、腕時計を見ながらカウントダウンをした。
「──明けましておめでとうございます」
「おめでとうございます」
「おめでとうでござる」
三人はおじさんのカウントダウン後に、挨拶を交わした。
「今年も、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
「よろしくでござる」
三人で頭を下げあってから、山井が言った。
「……じゃ、飲みにでも行きますか?」
「いいですね、行きましょう」
「拙者も同行させてもらいたい」
「いいですよ。行きましょう行きましょう」
「三人で、語りましょうか──!」
と三人は肩を並べて、歩き始めた──
*
「篠山。あけおめ」
「え? あ。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「うん。ことよろ──」
眞壁と篠山は参拝したあと、コンビニに来ていた。ニャンパラを買いに。
「ん。関野からメール来てる」
「え?! あ、俺も来てます!」
と篠山は携帯の受信フォルダから、関野からのメールを開けた。
「『明けましておめでとう。今年もよろしくね! 初詣一緒に行けなくてごめんね、、でも、誘ってくれてありがとう(^^) じゃ、学校でね』……先輩! 俺、断られて良かったかも……!」
と篠山は携帯を抱きしめて言った。
「良かったな──」
と眞壁は早速買ったニャンパラをめくりながら、保護しとかないと……と携帯をいじる篠山に言った──
*
「明けましておめでとう。今年もよろしくね」
「もちろん、よろしくね」
と柚子とヒナミは笑いあった。
「舛田くんが居たら、柚子ちゃんもっと喜んだでしょ」
「もうその話はやめて//! おいてくわよ////?!」
と柚子はすたすたと歩いていく。
ヒナミはごめんって〜と謝りながら、柚子についていった──
*
「明けましておめでとう」
「おめでとう」
「今年もよろしく」
「よろしく──」
犀と朔も、豚汁配りが一段落ついた。
「はいはい、お疲れ様──豚汁と甘酒ね」
と鼻が赤かったおじさんがお盆に乗せて持ってきた。
「ありがとうございます」
「いいのいいの。じゃ、食べ終わったらこっち持ってきてね──」
とおじさんは部屋に戻っていった。
「犀、甘酒持って」
「ん? おお」
と甘酒を手にする。
「じゃ、かんぱーい」
「お酒か──」
と紙コップを合わせる。
「甘酒でしょ」
「アルコール入ってないだろ」
「ま、いいじゃん。細かいことは──」
とくいっと甘酒を飲む。
犀も、それもそうか、と甘酒を口にした──
*
「明けたあ!」
「おめでとう」
「ことよろ〜」
と参拝を済ませた秋乃たちも挨拶を交わす。
「オレの今年の目標は、篠山を超えるイケメンになることだ!」
「無理だな」
「無理だね」
と香月の目標を、二人はスパッと切る。
「はあ?! じゃあ秋乃の目標は何だよ〜」
「レデンツのありとあらゆるフィギュアを、全て揃えること」
「もっとマシな目標にしろよ」
と章が呆れた声を出す。
「じゃあ章は?」
「そうだそうだ、章は何だよ」
と秋乃と香月が章を見る。
「俺は、今まで通り過ごすことだな」
「なんだよそれ〜、あたりまえすぎじゃん」
と香月がブーイングする。
「いいだろ、あたりまえがいいんだよ」
「……それもそうか」
と秋乃が少し考えてから頷く。
「うわ、秋乃もそっちにつくのかよ──じゃあいいよ、オレがハプニングを呼んでやるからな!」
と香月が胸を張る。
章は、いつも呼んでんだろ……と思いながら、香月を見た──
*
「ん……返信だ──」
関野は部屋に戻ってきて、携帯が光っているのに気づいた。
手に取って、確認する。
「会長と篠山くんからだ」
受信フォルダを開いて、眞壁と篠山のメールを見る。
「『あけおめ。去年はありがとう。関野には迷惑かけるが、今年もよろしく。』会長らしいな……」
と眞壁のメールに少し微笑みながら、篠山のメールに目を移した。
「『明けましておめでとう!! 今年もよろしく!!!! 学校で(o´∀`)b』……はは。ビックリマーク多いな」
と関野は笑う。
それから携帯を閉じて、関野は小さく欠伸をするのだった──
全員『今年もよろしくお願いします(するでござる)』




