雪だるま
久しぶりの三人です。
秋乃の住む市内で、雪が降った──。
保梨は休み時間に、生徒に混ざり雪だるまを作っていた。
だが、大きな雪だるまを作れるほどには積もってはいない。
生徒たちも、少しの物足りなさを感じながらも雪合戦をしたりしている。
「保梨先生、何してるんですか?」
「え? あっ、や、山井先生! えっと……ちょっと、雪だるまなど、作ってました──」
と保梨は作った物を指差して言う。
指差した先には、雪だるまとウサギが並んでいた。
「へえ。保梨先生上手いですね」
山井は並んでいる雪だるまとウサギを見て言った。
「そうですかね? ありがとうございます……//」
と嬉しそうに笑う。
そして今作っている物を進める。
「今何作ってるんですか?」
「ウサギです。小さい頃に親に教えてもらって、結構気に入ってるんです──」
出来た。とウサギを並べる。
「本当に上手いですね。じゃあ、俺も雪だるま作ろうかな──」
山井も雪を手にとって、丸め始める。
保梨はそんな山井を見て、少し子どもっぽいところもあるんだ……と微笑む。
「ん? どうかしました?」
「あ、いやっ、何でもないです! ちょっと雪とってきます──」
山井に見られ、保梨はドキッとなりながら、雪を取りにいった。
*
「……わっ、すごい……!」
戻ってくると、保梨が作った雪だるまやウサギの周りに、山井が作ったであろう雪だるまが並んでいた。
「どうですか? ちょっと歪かもしれませんが、雪だるまの家族です」
と山井が笑って言う。
保梨はその笑顔にキュンとしつつ、答えた。
「はい……、良いと思います。可愛いです」
「ほんとですか? はは、ありがとうございます」
と山井は少し照れる。
保梨は心の中で、山井先生も可愛いですけどね──と付け足して、一人笑う。
「……どうしました? 可笑しいことでもありましたか?」
「いや──ないです」
「そうですか? ……。最後にもう一つ作ろうかな」
「じゃあワタシもウサギ作ろうかな──」
そう言って二人は一旦顔を見合わせて笑うと、作り始めた。
*
「……凄いでござるな」
忍者は並んでいる雪だるまとウサギを見て言った。
雪だるまとウサギ合わせて、計十個以上はある。
「ちょっと頑張りすぎたな」
「ですね……」
と山井と保梨が腕を回す。
「お二人は子どもでござるか?」
「「はははは……」」
忍者に言われ、確かにちょっと作りすぎかもしれない、と苦笑いする二人だった──
雪が降ったから。
秋乃「かまくら作ろう」
章「そんな積もってねえから」
香月「気合いだろ!」
休日投稿です。




