表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/79

マネ

マネして遊ぶ。

「面白い遊び思いついた」


 ふいに秋乃(あきの)が、何か思いついたのか(しょう)香月(かづき)に言った。

 現在放課後。部活に入ってない三人は、教室でだべっていた。


「どんなどんな?」


 と香月が訊く。


「香月がおれのマネして、おれは香月のマネするの」

「俺は見てるだけでいいのか?」


 それなら楽だな。と章は思いながら秋乃を見る。


「そうだね。章は見てるだけで──やりたくなっても知らないけど」

「ならねえよ。安心しろ──」


 と章は手を振って、やるならやれよ。と先を促す。


「じゃあ、さっそく。先生に怒られて、しょぼくれる香月──」


 ゴホンと一つ咳払いしてから、秋乃はマネを始めた。


「ちぇ〜、悪いのはオレだけじゃねえのにさー、章だって……ごにょごにょごにょ」

「似てる! あはは、そっくりだわ!」


 と章は笑って秋乃を指差す。


「はあ? オレそんなんじゃねえし、見てろよ? 秋乃がゲームしてる時になりきる、勇者のマネ──」


 香月は手を腰に当ててやり始める。


「ここは回復薬使っとくか? いや、この先が一番やられるから……とっておこう──いや、そう言ってこの前失敗したから……使おう! うん──どうよ」


 と胸を張る。

 だが、章と秋乃は唸って、


「それ秋乃じゃなくて、秋乃が操ってる勇者だろ」

「はい、香月の負け〜」

「競ってたのかよ! 聞いてないんだけど?!」


 と香月が秋乃に言う。


「だって言ってないもん」

「卑怯者! じゃあリベンジする! 湯川(ゆかわ)のマネな! 見とけよ──」


 と秋乃と章を指差して、眼鏡をあげるマネをしながら始める。


「おい、何をしてるんだ? そこは座る所じゃないだろ? 次座ったら、実力行使に出るからな」

「おお、似てる! てか言いそう」

「確かに──」


 と章と秋乃は笑う。


「だろだろ? じゃあ次、野嶋(のじま)のマネ──(せい)(湯川)の、久しぶりの罵声だ! え? もう終わり? もっと言ってもいいよ!」

「わかるわ、特徴捉えてるわ」

「わかるわかる」


 とまた章と秋乃は笑う。


「じゃあ、次は章のマネして」

「任せろ。章は……よし。イメージできた──お前ら、真面目にやれよ。付き合ってるこっちの身にもなれ」

「章だ! まんまだ。似てる」


 と秋乃は笑うが、章は納得しないのか、


「似てねえよ。てか俺は認めねえ」


 と首を振る。


「認めろよ。似てるって」

「そうだそうだ」


 と秋乃と香月が章の周りをぐるぐる回りながら、


「認めろ〜」「それが章だ〜」


 と洗脳を始める。


「やめろ! ぐるぐる回んな! 目回るから! 吐くぞ──?!」

「秋乃止まれ! 章の口から出ちゃいけないのが出るぞ!」

「それはまずい──」


 ピタッと二人は止まってから、フラつく。


「やべ……回りすぎた……」

「おれも……うぇっ──」


 と秋乃は口を押さえる。


「お昼に食べた特大カレーパンが……うぇっ──」

「落ち着け! トイレだ! 秋乃トイレ行け!」

「ムリ、さっきのでもうのど辺りまで来てる──」

「章、袋! ビニール袋!」

「あるわけねえだろ──!」


 ぎゃーぎゃー騒ぎながら、今日も無駄な放課後を過ごす三人であった。

 ちなみに、秋乃は吐きませんでした──





朔「混ざりたかったな」

犀「どうでもいい──」


休日投稿です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ