表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/79

忍者≒セコム

秋乃の学校は、忍者が代わって見回っているらしい……。

 一組。柚子(ゆこ)とヒナミのいるクラス。

 今日は、“カッコいい”について、柚子とヒナミ以外の女子が放課後集まって、盛り上がっていた──


「最近、山井(やまい)先生がきてるかな。たまに見せる笑顔がステキ」

「へえ──保梨(ほなし)先生もよくない? なんか、女子の気持ちをわかってくれる感じがする」

「確かに──」


 と女子たちは話し合う。


「あれは? 忍者。この前騒がれてなかった?」

「確かに。てか、忍者ってほぼ顔見えないし、目しか見えないじゃん」

「正体を明かさないっていう所がいいんじゃん──」


 と、女子たちは笑いあう。


「じゃあ、先生の中で誰が一番? 私は山井先生」

「あたしは保梨先生」

「うちは忍者。てか、忍者は先生じゃなくない?」

「確かに──」


 じゃあ忍者って何やってるんだろ……と女子たちは首を傾げるのだった──


         *


 そんなことを話されているとは知らず、忍者は保健室にいた。


「すみませぬ、保梨殿」

「大丈夫ですよ。気を付けてくださいね。ワタシはわかりませんが、多分屋根裏とかって狭そうだし……」

「心配ならいらぬ。もう慣れたでござるよ」

「そうですか──はい、OKです」


 と保梨は絆創膏を貼る。


「かたじけない。それでは、拙者はこれで」

「あ、あの、ちょっといいですか?」

「ん? 何でござるか?」


 と忍者は振り返る。

 保梨はそんな忍者に質問する。


「ずっと気になってたんですが、いつからこの学校に?」

「いつから……そうでござるな。約三年くらい前でござるな。前の先輩忍者がやめると言ったでござるから、その代わりに」

「そうなんですか! ……というか、忍者さんって何してるんですか?」

「見回っているでござるよ。だから、この学校はセコムというものをしてないでござる」

「それって、忍者さんが強いからですよね? ってことは、忍者さんすごいですね!」


 と保梨は輝きに満ちた目を忍者に向ける。


「そうでござろう? こう見えてふざけてるわけではないでござるよ。ちゃんと果たすべき役割は果たしているでござる」

「へえ! じゃあ、その傷はそういう時についた傷なんですね!」

「あぁ、これはネズミでござるな」


 寝てるときにつけられた傷でござる。と忍者は絆創膏をなでる。


「……あ……そうですか」

「うむ。では、用がなければこれで。失礼するでござる」


 そう言って、忍者は保健室の天井から出て行った。

 

 忍者が強いのか弱いのか、はたまた間抜けなのか……。

 ただ、これだけは言えるだろう。

 忍者は、セコムと同等かもしれないと──




休日投稿です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ