女子と男子
遅くなりました(_ _)
イケメンパン(笑)
昼休み。なんと今日は、皆でご飯を食べようということになり、秋乃と章、香月に犀と朔が、食堂に集まっていた。
秋乃と章、犀はお弁当持参。香月と朔はコンビニで買ったパンを持っている。
「あそこにするか──」
「オレ一番!」
「俺もー」
犀が端の席を指差し、香月と朔が走っていく。
「まったく……」
「落ち着きないな──」
犀と章が話したとき、秋乃は見知った顔を見つけた。
「レデンツだ。あと羽山さんもいる──」
ちょうど、犀が指差した場所の隣に柚子とヒナミがいた。
場所に着くと、柚子たちが秋乃たちに気づいた。
「舛田──//」
「ほんとだ。お昼?」
ヒナミが訊いてくる。
「そう。一緒にどう? 皆面白いよ」
ニコリと微妙に笑う。
「どうしてもって言うなら、いいわよ//!」
「柚子ちゃん素直じゃないんだから。いいよ。食べよう」
二人の承諾を得て、秋乃は既に席に着いている三人に声をかける。
「ねえ。レデ……夏見さんと、羽山さんも一緒にいいかな」
「夏見? ツンデレか──」
ツンデレじゃないわよ! とツッコミが飛んでくるが、無視して章は続ける。
「羽山って? ツンデレの友達か」
「そう。皆もいいよね」
「まあ、いいんじゃないか」
「いいよ」
「おう!」
秋乃は三人が頷いたのを確認して、二人を席に呼ぶ。
「こっちどうぞ──」
犀、朔、香月の前に章と秋乃が座り、秋乃の隣にちゃっかり柚子が座る。
そして、柚子の前、香月の隣にヒナミが座った。
「えっと……何する?」
「自己紹介だろ」
秋乃は章の言葉に頷いて、
「じゃあ、二人はおれ知ってるよね。じゃあ章からよろしく──」
と章にふる。
章は二人を見て、
「ツンデレは知ってるよな。平井章。よろしく」
「ツンデレじゃないわよ!! 二度も言わせないで!」
「平井くん、ね。わかった──」
「じゃあ、ハイ! オレ、田端香月! イケメンだ! よろしく!」
「……田端ね。わかったわ」
「田端くん──」
柚子はどうでもいいというように手を振る。
ヒナミは頷く。
「湯川犀だ。よろしく」
「野嶋朔。よろしくー」
犀は黙々と食べ始める。
朔はヒラヒラと手を振った。
「湯川くんと野嶋くん──わかった。よろしくね」
「覚えといてあげるわ。仕方ないから──」
と柚子が言った時、犀がピクリと眉を上げた。
「その言い方、おかしくないか? ちゃんと話した方が賢明だと僕は思うよ」
「な、なによ! ちゃんと話してるじゃない!」
「どこがだ?」
犀が柚子を見据える。
柚子は少しうろたえる。
それを見て、秋乃が止めに入る。
「まあまあ、湯川。夏見さんは、ツンデレだから……」
落ち着いて落ち着いてと犀をなだめる。
「……そうか」
「舛田//! 違うわよ!! そこ納得するんじゃないわよ!!」
「はいはい、うるさい。そっちも自己紹介してくれ。進まない」
と章が促す。
「……ゴホン。夏見柚子よ。よろしく……してあげるわ──」
皆が思った。
わあ、ツンデレだ……と。ただし、秋乃だけは、現実レデンツキター! と内心アガっていた。
「羽山ヒナミです。よろしく──」
ぺこりと頭を下げた。
「よろしく」
「よろしく!」
「もちろんだ!」
「おー」
秋乃以外が返事をする。
「ちょっと、態度違わない? 私とも仲良くしなさいよ!」
「言葉遣い直すなら」
と犀。
「よろしく」
と朔。
「よろしくな、ツンデレ!」
と香月。
「はいはい」
と章。
「な、なによ〜ッ////! いいわよ別に!」
ぷいっと柚子はそっぽを向く。
そんな柚子を、ヒナミが慰める。
「大丈夫だよ、ヒナミちゃん。ね、舛田くん……!」
「うん。皆面白いから。仲良くしようよ。ね?」
と子どもをあやすように、秋乃が柚子に優しく言う。
「……わかったわよ──////」
柚子はもじもじしながら、舛田を見る。
「舛田は……仲良く、してくれる……//?」
「もちろん──」
「ほらね、柚子ちゃん。大丈夫だよ!」
柚子は、真っ赤になってうつむくと、小さな声でありがとうと言った。
だが、それは香月の声によりかき消された。
「ああああ! 野嶋オレのパン食ったあ!!」
「ごめん。間違った」
「間違ったじゃねえ! どうすんだよ! オレのイケメンパン!」
と頭を抱える。
「イケメンパン? 食べたらイケメンになるのか?」
「ならねえよ?」
と章が犀にツッコむ。
「あ、夏見さんさっき何か言った?」
秋乃が訊く。
「何でもないわっ////! 田端のバカ//!」
「オレ?!」
その後、騒がしくお昼を過ごしたが、柚子は秋乃にお礼を言えなかったのが心残りになり、香月のことを恨んだのは、仕方のないことだろうか……?
休日投稿です。遅くなったのは、活動報告見ていただけると、わかると思います。




