水溜り
掲載日:2012/08/15
雨で煙る街の昼下がり
小さな水溜りに 男の影が一つ映った
騒がしく鳴る無音の中で
錆びた傘を持って立ち尽くす
淡い男の影である
空にはいやによそよそしい灰色の雲
太陽はすっかり覆われてしまっていた
立ち止まれども雨は止まない
雨粒が激しくの男の体を打ちつける
男は俯いたまま
水溜りを見つめていた
波紋で歪んだその影は
かつての男の姿で笑っていた
やがて男は歩きだした
小さな水溜りをばしゃりと踏んづけて
振り返ることなく歩きだした
雨が少しだけ
弱くなったように見えた
前に自分が書いた物に
少し手を加えた奴です
雨の情景が好きなので書きました




