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もしも学校給食栄養士が異世界に転生したら〜剣も魔法もランクDけど、最強チート献立で国家再生〜  作者: studio tomo


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10話 給食堂と、芽生える成長

 ホクスの石鹸事業は、順調だった。


 最初は、ふーぴょんが中心になって作っていたが、

 ホクス発注が増え、ふーぴょんひとりではできなくなり

 次第に村のみんなに声をかけ、

 石鹸づくりは村全体の仕事になっていった。


 「ふーぴょん、これでいいか?」

 「こっち、もう乾いてるぞ」

 「型、足りるか?」


 声が飛び交う。


 石鹸は、いつの間にか村の特産になっていた。


 そして、ミルル。


 牛乳の加工品を作るようになっていた。

 毎朝、牛乳を運んできては、

 首をかしげながら言う。


 「……これ、どうするの?」


 「バターにする」

 「チーズにもできるよ」


 教えると、ミルルは真剣に見つめ、

 何度も手を動かした。


 しばらくして、


 「……できた」


 小さな塊だったが、

 ちゃんと、バターだった。


 村は、忙しくなった。

 でも、誰も嫌そうではない。


 食べて、動いて、また育てる。


 その輪の中心に、

 自然と、シーナの料理があった。


 あれから、毎日。


 みんなは当たり前のように、

 シーナの作るご飯を食べるようになった。


 カレーライス。

 揚げパン。

 ジャンボ餃子。

 えびクリームライス。

 チーズハンバーグ。


 朝も。

 昼も。

 夜も。


 最初に気づいたのは、ふーぴょんだった。


 「……最近、ラピの調子いいよね」

 「走っても、息切れしないよ」


 ラピも言う。


 「畑、前より重い鍬が使える」

 「昨日より、力が入る……?」


 しろっぷは静かに手を見つめていた。

 水を出す魔法が、以前より長く続く。


 「……増えてる」


 「なにが?」

 「たぶん……全部」


 冗談のように言って、

 全員が、同時に笑って止まった。


 身体が軽い。

 疲れが残らない。

 回復が早い。


 ステータスが、

 今までとはまったく違う拍子で上がっている。


 畑も同じだった。


 キャベツは人の頭ほどに育ち、

 トマトは手のひらからあふれ、

 とうもろこしは、まるでハンマーのようだ。


 「……これ、普通じゃないよな」

 「うん、普通じゃないね」


 土と水の加護が、

 思う存分、力を発揮している。

 ________________


 建設中だった食堂「給食堂」が、

 ついに立ち上がった。


 いくつかアクシデントはあったが、

 秋には本格的に動き出した。


 店長には、メリッサを任命した。


 いつの間にか、

 シーナの右腕はラピ、

 左腕はメリッサになっている。


 その日、みんなで町まで服を買いに行った。

 いくつも試着して、

 どれも可愛かったが、

 その中で実用的なメイド服が目に止まった。


 少し高かったが、

 三人でおそろいの服を買った。


 おそろいのメイド服を着て、

 いよいよ、オープン当日。


 村で初めての食堂だった。


 「給食堂、開店です!」


 ふーぴょんが、大きな声で叫ぶ。


 「はい、並んでくださーい」

 「熱いから、気をつけてください」


 秋の給食メニューは、


 さつまいもごはん。

 秋じゃけの焼き物。

 胡麻和え。

 オーク汁。


 パン給食の日は、

 かぼちゃのシチュー。

 キャロットゼリー。


 「これ、甘い」

 「めっちゃおいしい」

 「こんなの、毎日でも食べられるぞ」


 定番メニューも外さない。


 毎日、シーナが作る

 カレーライスや、

 えびクリームライス。


 香辛料は、

 ホクスが西の町から手に入れてくれた。


 「このカレーって、匂いが最高だな」

 「やばい。食欲が止まらない」


 「わたしは、クリームライス!」


 お客は、日に日に増えていった。


 村人の顔色はよくなり、

 病人も減った。


 畑が元気になると、

 村の仕事も動き出す。


 余った野菜は売られ、

 加工され、

 次の畑へと回される。


 ヤギー村長もたくましくなり、

 前の「おじいちゃん感」は消えていた。


 今では、みんなを良い方向へ導いている。


 村は、

 近くのどの町よりも、

 目に見えて成長していった。


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