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ヤマトへの遷都(4獣、白虎2)

第4作目の投稿です。

是非是非、お楽しみください。

 巨大になった白虎は、入江八広いりえやひろの前に歩いてきた。


 そして、その場にかしこまり、話し始めた。


「励ましていただき、ありがとうございました。ようやく本来の虎になれました、あなた様のおかげです」


 八広に向かって深々とおじぎをした。


「白虎様、私達邪馬台国がこのヤマト地方に移転した後も、守護霊獣として西方をお守りいただけますか」


「はい。どのような巨大な敵が攻めてきても、あなた様の恩義に報いて、このヤマト地方を守り抜きます。それからお願い事があるのですが。」


「はい白虎様。僕に可能なことでしたら―― 」


「これからあなたのことを兄様と呼ばせていただきたいのですか、大切なことを教えていただいたあなたのことをずっと敬いたいのです」


「‥‥‥‥いいですよ」


 さきほどまで、強い炎を宿していた白虎の両眼から、その炎が消えていた。

 

 長すねが八広に話しかけてきた。


「八広様。戦わずして白虎と仲良くなるとはさすがですね」


「なんとなく、白虎が僕と似ているように思えたのです」


「似ていますか? 」


「はい。自分に自信がなくて、自信がなくて、自信がなくて」


「そうですが、でも今は自信があるのですね」


「ほんの少しです―― わずかですが、これまでさまざまな方から、ちからづけていただきました」


 八広と長すねが話しをしていた時、いきなり周囲が暗くなった。


 そして少しずつ風が強まり始め、やがて雨が降り始めた。


 その場にいた白虎が強く大きな声で咆哮(ほうこう)した。


 風も雨も非常に激しくなった。


「何か来た!! 」


 八広がひとりごとを言った。


 やがて、はるか東方の上空に巨大な影が浮かんだ。


「竜、あれは青龍!! 」


 四方を守護する聖獣の内、東方を守護する青龍だった。


 青龍はみるみるうちにちかづいて来た。




 青龍は邪馬台国軍の上空に静止した。


 しかし、白虎がいることを見て、攻撃はして来なかった。


「ははは! わずかだが強くなったな。そこらへんにいる人の軍隊を守護しているではないか。――いや、1人の人間かな。邪馬台国の将軍、入江八広(いりえやひろ)とか言ったか」


「青龍さん。私の兄様に攻撃するのは許しません!! 」


「兄様だと?? たかが、人間の将軍を兄として認めたのか!! しかし、どうも普通の人間とは違う」


 その後、青龍は邪馬台国軍に向かって攻撃の構えをみせた。


「私達4聖獣が何百年も守護しているヤマト地方に侵入してきたおろか者よ。もう残りの3聖獣は邪馬台国に下ったようだが、私は、そうはいかないぞ」


 青龍は咆哮(ほうこう)した。


 周囲の空間を滅茶苦茶にしてしまうほど、鋭い鳴き声だった。


 すぐに白虎が青龍と戦おうとしたが、八広がそれを静止した。


「白虎様。僕が出ます」


 八広は1人で巨大な青龍の前に立ちふさがった。




「青龍様。はじめておめにかかります。私は邪馬台国の将軍、入江八広(いりえやひろ)と申します。このたび、都をこのヤマト地方に遷都するにあたり、お許しと今後の御協力をお願いに参りました」


「私は、他の3聖獣を従えた人間がどういう人間か見に来たのだが、違ったな‥‥ 」


「どういう点が違いますでしょうか? 」


「あなたは普通の人間ではない。人間ではなく事実と言った方が良い。簡単にいうと、時に名前を刻む者ぞ。この八島の歴史の中に永遠に刻まれるだろう!! しかし、覚悟はあるのか!! 」


「覚悟ですか!! あります!! 」


「そうか。それならば、私青龍が従わなければならない人間かどうか確認したい。確認の方法は決闘だ。

人間が竜を使役するときに、必ず必要なことなんだよ」


「決闘ですか」


「3日後、このヤマトの東に竜爪山がある。その山のふもとで待つ、一人で来るのだ。武器は何を携帯してもよいぞ。私に勝ってみごと私を従わせてみろ。時は正午だ!! 」


「はい。わかりました」


「では、また相対する時を楽しみにしているぞ」


 青龍は八広の上空からゆうゆうと去っていった。




 3日後のことだった。


 八広はヤマト地方東方にある竜爪山のふもとから少し離れた場所にいた。


 彼は最小限の兵だけを引き連れていた。


 あと少しで正午になる時間になった。


「言ってきます」


 八広は副将のハンと長すねに言った。


 馬の代わりに、白虎が控えていた。


 戦いに加わらないことを前提に、八広を運ぶことを白虎が申し出ていた。


 八広は白虎の広い背に乗って、走り出していた。


「兄さん。良いのですか。場合によっては青龍とこの白虎が戦いますよ。古来から竜と戦うのは虎だと相場が決まっていますから、遠慮せずに私を使ってください」


「いえいえ、やはり僕は竜と戦う運命だと思います。古来から勇者は竜と戦うものですよ。」


「何か特別な武器でもお持ちなのですか」


「そうですね、私には神剣、草薙の剣があります。きっと、竜とも対等に戦うことができるくらいの力を秘めているのに違いありません。しかし、それ以上の武器もあります」


「私も知っている神剣、草薙の剣以上の武器とな何ですか」


「勇気です」


「えっ? 」


「後、私が持っている最大の武器は自分を信じ、絶対に未来を切り開くことができると確信する勇気です」


「それだけですか」


「はい。後‥‥ 残っているものは勇気だけです」




 やがて、竜爪山のふもとに到着した。


 八広は白虎の背中から降りて竜爪山の方向に1人で歩き出した。


 竜爪山にちかづけばちかづくほど、空に厚い雲がかかり風が強くなってきた。


 最後には竜爪山の登山口のすぐそばまで来た。


 すると、


 竜の咆哮(ほうこう)が聞こえた。


(思っていたとおり、ゲームで出てくるドラゴンの鳴き声とそっくりなんだな)


 八広がそう思った瞬間、竜爪山の山頂からすざましい風が吹き下ろした。


 八広は静かに草薙の剣を抜いた。


 自分でもびっくりするくらい冷静だった。


 滑空する大きな戦闘機のような影が見えた。


 それは、だんだん大きくなった。


 それは信じられないほど巨大な姿だった。


 しかし、八広は恐れず勇気をもって青龍を見た。


「ふるべ。ゆらゆらと。ふるべ‥‥ 」


 詠唱の後、草薙の剣に精一杯の勇気を注ぎ込んだ。


「我、神武としてヤマトの永遠の歴史を始めん」


「ヤ! マ! ト! 永遠に栄えん」


 自分が出せる最高の力、最高の精神力を剣を持つ手に込めた。


 そして、草薙(くさなぎ)の剣が一閃された。

お読みいただき心から感謝致します。


※更新頻度

週1回、日曜日午前中です。不定期に午後や土曜日に更新させていただきます。

作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。

一生懸命、書き続けます。





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