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ヤマトへの遷都(4獣、朱雀)

第4作目の投稿です。

是非是非、お楽しみください。

(それにしても、巨大な怪獣のようだな‥‥ )


 入江八広(いりえやひろ)は玄武を近くで見ながら思った。


 はるか昭和の怪獣映画で、巨大な亀の怪獣が出てきたものがあった。


(たしか『ガメラ』とかいう題名の映画だったかな)


「邪馬台国の将軍よ。名前はなんていったかな」


八広(やひろ)です。入江八広(いりえやひろ)と申します。でも、邪馬台国がこのヤマト地方に遷都した後、『神武』という名前に改める予定です。」


「神武将軍か―― 良い名前だな、神名に近い。たぶん、数千年は残るじゃろ」


「玄武様。これから邪馬台国が遷都するヤマトの北方を守っていただくことになります。心より感謝致します。ところで、玄武様がお好きな食べ物は何ですか。供物として捧げます」


「野菜でいいよ。特別扱いは不要じゃ。住民が美味しく(しょく)した後、その余りをこの湖に捧げてくれればそれでよいぞ。わしはヤマト地方に住む人々が大好きじゃ。神武よ人々の幸せを守ってくれ」


「はい。わかりました」


 次の瞬間、玄武はあっという間に姿を消した。


 長すねが八広に近づいてきた。


「八広様。早速玄武に気にいられるとは、さすがですね」


「はい。何が何だかわかりませんでしたが、結果としてうまくいってよかったです」


「残りの土地神は3獣ですね。どの土地神から交渉すればよいでしょうか」


「そうですね。戦いにならないという点から選択すると、南を守る『朱雀』に会いにいくのがよいと思います。ただ、少し問題点がありますが」


「『朱雀』ですか、確か鳥のような姿だとか」


「はい。赤い美しい翼を持つ美しい姿をしている鳥なのですが、少し問題点があります」


「長すねさん!! 先ほどから『少し問題点がある』と2回おっしゃいましたが、具体的に教えていただけませんか」


「‥‥‥‥ 美し過ぎるのです。その前に立つと、特に人間の男性には冷静な普通の判断ができなくなってしまいます」


「そうですか。それならば大丈夫です。僕は美しい――絶世の美女2人と知り合いですから」


 そう言いながら、八広は登与とザラの顔を想い出していた。


「そうですね――そうでした」


 長すねも八広と同じように2人の顔を想い出していた。




 ヤマト地方にある草原に美しい花々が競うように咲き乱れていた。


 草原に優しく吹くそよ風は、色とりどりの花々を揺らしていた。


 その中で、たくさんの美しい女性達が遊んでいた。


「朱雀さま。どうします? もうすぐ邪馬台国の将軍がやって来ますよ」


「人柄を見て、玄武のじいさんがすぐに心服してしまったそうです。私は、どんな殿方か見栄えを確認してから決めることにしましょう」


「見栄えですか?? 」


「批判的ですね。違いますよ、私は単に表面的に『美しい』、『美しくない』ということを区分するわけではありませんよ!! 」


 そう言いながら、朱雀は八広と会うことを楽しみにしていた。




 長すねに案内されて、八広が指揮する邪馬台国軍はヤマト地方の南にある草原地方に進軍した。


「八広様。ここから先が朱雀が住むといわれる草原です」


「そうですか。美しいですね‥‥ わかりました。ここから先は僕1人で行きましょう」


「えっ!! 大丈夫ですか」


「もちろんです。僕は大軍が通ることで、美しい花々を踏み荒らしてしまうことを恐れます」


 そう言った後、八広は1人で草原の中を歩き始めた。


(ああ、美しいなあ)


 歩きながら八広は草原の景色に見とれていた。


 しばらく歩いていると、前方で1人の女性が、しゃがみ込んで動けなくなっているようだった。


 可哀想になって、八広は近づき声を掛けた。


「お嬢さん。大丈夫ですか。足首かどこかをくじかれたのですか」


 そう言われた女性は振り向き、八広を仰ぎ見た。


 完璧に大変美しい女性だった。


 見た人がほぼ100%魅了され、おのれの意識を失ってしまうほどだった。


 しかし、世界でたった1人だけ、入江八広(いりえやひろ)はそうならなかった。


「よかった。顔色は悪くないですね―― 」


 そして八広はその女性の足首などにさわり、何か異常がないか探し始めた。


「お嬢さん。すいません、勝手に足に触ってしまいました。でもこうするしか確認できませんでしたのでお許しください。――大丈夫です。異常はありません」


 朱雀はぽかんとした表情で八広を見ていた。


「あの、あなたの方こそ、私を見て何か異常がありませんでしょうか? 」


「えっ‥‥ そうですね。大変美しい方だと思いますが、異常はありません」


「それだけですか? 」


「はい。それだけです」


 その言葉を聞くと、朱雀がいきなり言い出した。


「痛い。痛い。お腹がいたい、お願いです、私の家までおぶっていっていただけませんか」


「もちらんです。問題ありません」


 あまりに美しい女性だったので、八広は少しためらった。


 しかし、すぐにその女性をおぶった。


 女性は驚くべきほど軽かった。


「さあ。お家の方向を教えてください」


「はい。それでは」


 女性は八広の顔の横に手を伸ばして方向を示した。


 その先には、ずっと永遠に続くと思われるような草原が広がっていた。


 どう考えてもその先に人間が住む村や町があるとは思われなかった。


 しかし、八広は性格的に困っている人を助けるために歩き始めた。


 おぶっている女性からは、とても美しいにおいがしてきた。


(どう考えてもこの将軍はおかしい。この態勢で正気を失わないとは―― )


 実は、その女性は霊獣朱雀が変化した姿だった。


 朱雀には特殊能力があった。


 人間に触れると、その人間が心に見たことがあるものを感じることができた。


 八広の心から、最初に登与(とよ)の顔が浮かんできた。


(なに!! なんてこと!! これでは、この朱雀より美しいじゃない!! )


 次に、八広の心からザラの顔が浮かんできた。


(またまた!! 違うタイプだけど、この朱雀より美しいじゃない!! )


 さらに最後に、八広の心から北川風香(きたがわふうか)の顔が浮かんできた。


(えつ!! えっ!! さっきの顔の女性の子孫だわ!! この朱雀より美しいじゃない!! )


 そして加えて、ある特別な苦悩が浮かんできた。


(この人、未来から転移したの? 未来ではもう命が無いのか心配しているのね。自分のそんなに大変な気持ちを心の奥深くに隠して、今の時代の、自分の指命を果たそうとしているのね♡♡♡ )

お読みいただき心から感謝致します。


※更新頻度

週1回、日曜日午前中です。不定期に午後や土曜日に更新させていただきます。

作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。

一生懸命、書き続けます。





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