顔を上げなきゃ前が見えない
前書きってもしかして邪魔?
第9話です。
「で?」
…………ナポリタン美味いな。
「無視すんな!」
「で?だけじゃわかんねぇよ!」
「わかれ!」
近頃の女子高生ってやつは……。
「無理だ。って事で説明しやがれ」
「しょうがないわね。皐月の事よ。だいたいわかったんじゃない?」
まぁ、そうだな……。
「とりあえず、イジメとかじゃないっぽい」
以上!
「イジメと変わんないわよ!」
お、怒るなよぅ。
大声出したから、皆こっち見てるじゃないか。
「まぁ、落ち着きなさいな」
「全く、何を見てたのよ、アンタは!」
「まぁまぁ。………あ!」
「何よ?」
「いや、皐月が入って来たよ」
「え?」
気づかなかったかい?まぁ、入口は葵の後ろにあるからね。気付いたらビックリさね。
「あ」
皐月のリアクションって薄いね。驚いてんだかそうじゃないんだか。
「…………デート?」
「違うわよ!」
なんか、即答されるとちょっと凹むわ。
「皐月も一緒に語らおうぜぃ」
ポンポンと自分の隣の席を叩く。
「いいの?」
「いいよな?」
一応、葵に確認。
「当然!」
うん。いい笑顔だ。
「ありがと……」
そう言って葵の隣に座る。
……葵の隣に座る。
「皐月はここ、よく来るのか?」
その時僕が微笑んでいたとしても 心は涙を流しているかもしれない
はは、平静を装いながらも、心ではオフコースが……。
「……よく来る」
「ふ~ん」
はい、会話終了。
「あ、このお店、皐月に教えてもらったのよ」
ナイスアシスト!この流れに乗って、ここは一気にいこうぜ!
トリプルカウンターアタックだ!!
行くぜ、かずひ…………。
「伏せ字ぃぃぃぃいぃぃ!!」
「!!」
「な、何よ、突然!?」
「大丈夫だよね?ねぇ?大丈夫だよね!?」
えらいこっちゃあ!
「よ、よくわかんないけど、大丈夫だと思うわよ。てかアンタが大丈夫?」
「紅茶とケーキを」
「あ、私も紅茶もう一杯。圭は?」
「ん?あ、あぁ、俺はアイスコーヒー」
皐月って動じないのね。
……………
…………
……
うん、アレだな。なんつーか……。
「………」
「………」
「………」
会話がないね。
だからといって、ツーカーな関係ってわけじゃない。いや、もしそうでも、喫茶店に来て、わざわざ目で、或いは心で、会話するってのはちょっとアレだよね。
「あ~、いい天気だね?」
「……曇ってるよ?」
「……そうだね」
助けて葵ちゃん!
「あ、あれよね!うん、あれよね」
意味わかんねぇよ!
もう、勘弁してくれ……。そもそも、何でこんなに空気重いの?端から見たら修羅場っぽいんじゃね?
「……二人は仲いいの?」
「え?あぁ、うん、悪くはないんじゃない?なぁ?」
「そ、そうね、普通よ、普通」
「へぇ……」
がぁ~!!何なんだよ!?なんでこんな空気になるの!?
あ~、くそ!何かもう、めんどい!
聞いちゃうよ?ズバッと言っちゃうよ?
「皐月、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「……何?」
「うん、皐月ってさ、友達いないの?」
デリカシーって何ですか?
「ちょ!」
うわぁ、葵がめっちゃ睨んでくる。
「いない。圭と葵だけ」
ふむ。
「なんで?」
土足厳禁?知るか。
「多分………」
…………なげぇ。そんなに言いづらいのか?
「多分、何?」
「ちょっと!聞くにしても、もうちょっと聞き方ってもんがあるんじゃないの!?」
んだよ、めんどくせぇな。
「話すのが嫌なら話さなくてもいいんだぞ」
こんな感じで聞けばいいんか?
「……圭は私の友達」
「あぁ、友達だ」
「………どうせ、いつか、わかる事だし」
「それに、圭は……友達だから」
「あぁ」
「私ね………二年、留年してるんだ」
前も書いたけど、タイトルをどうにかしたい……。
第9話でした。