自己犠牲の愛
これはただの自己満足。
私は誰かの必要にされたかっただけ。
自分を犠牲にして、辛い思いを噛み殺し、甘えたい気持ちに蓋をして、ただ存在を認めて欲しかった、それだけだった。
やった事に対してただほんのひと雫でもよかった。私を求めて欲しかった。必要として欲しかった。お返しなんていらない。対価なんていらない。ただ、次も求めて欲しかった。君じゃなきゃダメだって言って欲しかった。
他の誰でもない、貴方じゃなきゃダメなんだって言って欲しかった。他の人なんていらない。貴方が居てくれるならって少しでも思って欲しかった。
そんな気持ちを伝えたら、きっと貴方は居なくなる。わがまま一つでもう会えないかもしれない。もう必要とされないかもしれない。だからこの気持ちはしまいっぱなし。
貴方が楽しければ、嬉しければ、喜んでくれたら、それが私の幸せだ、なんて強がりだけで生きていく。本当はずっと一緒に居たい。片時も離れたくなんて無い。でもそれはただのわがまま。この気持ちはただの依存。そうやって騙し続けて自分自身に蓋をする。
これはただの自己満足。
本当に必要かなんて聞いても言ってくれない。いつ捨てられるか分からない。そんな不安で心が壊れてしまいそう。だから今日も自分を騙す。心を殺す。相手が喜んでいるのが何よりの生きがいだと言い聞かせる。私はあの人の為に生きているんだと理由をつける。
そこに自分が関わらなくても、自分以外で喜んでいても、利用されてるんじゃないかって不安があっても、死んでも悲しまないんじゃないかって思っても。
これはただの自己満足。
必要とされたい自己満足。
対価で払うのは自分自身。その身、その意思、その心。
全てを払って得られるもの。そこに形は無く目にも見えずあるのはただの不安だけ。
だから自己満足。自分が壊れる自己満足。
そんな生き方は長くは続かない。
報われないのが自己満足。