魔人が生まれた日
最近、魔王であっても綺麗な魔王だったり
悪落ちでも中途半端な悪落ちが多かったり
ざまあ展開が多く読者にすっきり展開の作品が多いと思い
真っ黒い内容が書きたかった。
救いのない完全な闇落ちです。
それでもいい方はどうぞ。
この国は私を裏切った!!!
この国を良くしようと必死に努力して
監理になり不正を暴き民の生活を良くするために頑張ってきた!!
なのに今、この国の王に民に裁かれようとしている!
「この者は多くの不正を犯した!
罪状は
この者が罪を擦り付けて殺した貴族によって多くの者が路頭に迷った!
この者が皆の者に重税を課して民の生活を苦しくした!
この者が敵国に情報を売り、戦地の兵を無駄に減らした!
だが、多少の忠義はあったであろう!
民から嘆願があれば其方を見逃してやろう!
民よ!
其方らの声を聴かせよ!」
「貴様のせいで職を無くした!!!」
「お前が重税をしなかったら娘を売らずに済んだ!!」
「この、売国奴が!!!
戦場で死んだ、息子を返せ!!!」
「其方らの声、この王がしかと聴いた!
そなたはここで斬首刑だ!
兵よ!
この者の頸を刎ねよ!」
断頭台に着けられて
多くの罪を擦り付けられて
友にも裏切られて
友だと思っていた者は最前列でで笑いを隠そうとせず刑を眺め
尽くしていた王に裏切られて
国からも捨てられた・・・
どうしてだ・・・
何を間違えた・・・
「・・・この王国は腐っている!!!
私は不正をしたことなどない!!
罪を暴きはすれど擦り付けたことはない!
重税を言い渡そうとした王に忠言をして止め続けた!
兵の出兵を止めようとも王は聴き入れず
王子の手柄にしようとすべてを任せ
戦場では突撃の命令を出して多くの兵を減らしている!」
この国が憎い・・・
「貴様らにはきっと災いが降り注ぐ!」
目からは涙など出ず憎しみのあまりに血が出る・・・
「貴様らはき「切れ!」」
ドスン!
憎い憎い憎い憎いニクイニクイニクイニクイニクイ
死してその首を晒され魂が叫ぶ
この国に災いをその力を復讐を・・・
「面白い見世物であった。
魂になろうとも憎しみは消えぬと・・・
問おう、汝は復讐に力を求めるか?」
求める!
やつらに復讐を!
やつらに永久の災いを!
「よかろう。
汝のすべてを引き換えに
最後の生き様にあやかって
この国に災いの血の雨の降らせる力を与えよう。」
・・・感謝する
ポツ、ポツッ・・・
「なんだ、あ・・・
おい!
なんだ、この雨!
赤いし、痛いぞ!」
「この雨、石を溶かすぞ!
みんなに逃げろ!」
「キャー、どきなさい!
私が逃げるのが先よ!」
「吾輩は王だ!
民は、吾輩の盾になれ!
城へ逃げるぞ!」
フ、フフフ、ハッハッハ!!!
嘆き怯え逃げよ!
我がすべてを引き換えにこの国に災いを
永久に降りやまぬ全てを溶かし尽くす血の雨を降らせよう・・・
「あ~、あ~
魔王様~
どうして、この国を潰しちゃったんですか~
私たちにとって憎しみや絶望が渦巻き美味しい餌場だったのに~」
「なに、あそこまで猛き志を持った者が絶望に落ちる様を見て
これ以上の面白いものは見れぬと思ってな。
つまらぬから壊した。
それ以上の意味は必要か?
それにただ壊してはつまらぬからな。
よく見よ。」
「ん?
・・・うわぁ
魔王様は相変わらずえぐい事をするなぁ・・・
確かにあれは永久に災いをと言ったけど
溶けても死ねない、滅びても巻き戻るようになってるし・・・
しかも忘れられない。
でも、あの男は忘れて首を切られるところから何度でも繰り返すようになってるし・・・」
「面白い見世物だろう。
やつの望んだ通りに我は願いを叶えただけだ。」
その国には猛き志を持った官吏がいた。
民のために、国のため、人のために不正を許さず多くを救おうと努力をした。
だが正しくありすぎた彼は、周囲からは恨まれ、王からは煙たがられ、友は疎ましく思った。
全ての思惑が一致したとき彼は斬首へと追いやられた。
その最後は目から血を流し憎しみに満ちた最後だった。
彼の首を晒した直後、その国では不思議な雨が降り始めた。
真っ赤な全てを溶かす血の雨だ。
民は逃げまどい、王は城へと逃げだした。
しかし、雨はすべてを溶かし半年もすべての民は溶かされながら悶え死んだ。
全てがなくなり終わった、これで救われると思った。
次の瞬間、時は舞い戻ったかのように彼の首が落ちた瞬間に戻った。
国の全ての者が異変を感じて逃げ、戸惑い、抗うとも繰り返しは終わらなかった。
国から逃げようとした者は出た瞬間に国に戻され体が溶け半年が終わる最後まで苦しんだ。
外から来たものは外には戻れずにその国の中で苦しみ続けた。
止めようにも彼の者の死を止めることはできなかった。
その後、彼の者だった魔人が討伐されるまで苦しみ続けた・・・