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俺のアパートだった。
何とか〆ました。
俺のアパートだった。
鍋の中の野菜ばかりつつきながら白飯をパクつく代耶を見ながら俺は、食事そっちのけで自分の近況に思いを馳せた。思えば厳重に布で包み持ち帰った翻訳版ネクロノミコンといい、粘液状生物ショゴスといい、こういうものと関わるようになって早5年だった。
「この恩義は一生忘れませんよぉ!」
とか二人分の食材を見るなり眼を輝かせて叫んだ代耶はすっかり俺の部屋に入り浸り、キングオブコントを見てゲラゲラ笑っていた。俺は口を開いた。
「代耶、家買ってやる。」
「ぶっ!!」
飯粒を吐き出してむせこんでいた。
「二人で一緒に住もう!」
「何言ってるんですか!」
「結婚しよう!」
「変態だーーー!」
「ごめん、先走ったよ。」
箸を叩きつけて立ち上がった代耶に言った。
「タイミングを考えるべきだった。」
「そういう問題じゃねえし!」
JKのように言う代耶。そういえばJKだった。