レベルⅤ
何か気づくといっつも所さんの番組見ながら執筆してるな…
天井の隙間から光が差し込んでいた。シンイチは薄目を開けてそれを見ていた。
ここに連れてこられて5日だった。地下室の壁に掛けられたカレンダーにいつも食事を持ってくるあの女、なぜか巫女装束を着ている外国人の少女が1日ごとに×印を入れていくお陰で日にちの感覚は失わずに済んだ。
シンイチは部屋の中央のテーブルに置かれた、黒くて複雑な紋様が描かれた歪な形をした箱を見つめた。
ベルの音が鳴った。毎日これが鳴り、鳴り終えるまで10分くらい、この箱の中身を監視するのが彼の務めだった。
あの外国人美少女の三白眼と言えば良いのか、白眼がちな中の緑色の瞳の凄みに気圧されながらも5日前に誓ったことなのだ。
その高さ5センチくらいの箱の蓋に手をかけると、高所から落下しているかのようなぞわっとした浮遊感に襲われた。
闇のパワーだと思った。今までの自分は全てこの為にあったんだ。
蓋を開けると内部に不規則につき出した柱に支えられた、黒い多面体があった。角には朱色の筋が光り、平らな面にも箱に描かれた紋様に似たような模様が、何か意味のある文字のように赤く光っていた。その一つひとつが彼自身の欠片だった。
例えば彼と向き合う正面にある三角形が3つ合わさったようなマーク、それはシンイチに命を奪われることになった、2歳年下の小学6年生の少女の顔だった。
通っていた中学校に行かなくなってから半年、足りなくなった出席日数の代わりにと、目新しいことを取り入れることに貪欲な校長の計らいで課外授業に行った、同じ市の小学校でのことだった。
あまり見ないような顔立ちの、常に困ったような表情で大声をあげる女と形ばかりの交流をし、彼は帰り道を一人で歩きながら世の中色々な人がいて、考え方も色々あるんだと思った。
夕日が眩しくて信号機が見えず、彼は走って小学校に引き返した。下校してきた、全く顔も見たことのない無関係の女の子の額を全力で殴った。意識は戻らなかった。
シンイチは何故こんなことをしたのか?と聞いてきた額に包帯を巻いた刑事に言った。
「太陽が眩しかったから。」と。
「どっち道子供は刑務所に行かないからなぁ。」
とその中年の警察官はため息と共に言い、警察署の一室で時代遅れのガラケーで通話をし始めた。
その光景を眺めていると突然壮絶な眠気に襲われ、目覚めるとこの地下室(窓がないので多分。)に寝かされていたのだった。
気がつくとその三角形のマークが燃え始めた。
眼だとシンイチは思った。燃え上がる3つの眼だった。上で何人かの足音と声がして集中が乱されてしまった。
3つの燃え上がる瞳は、怨嗟の声をあげて彼に向け苦しみあえいでいた。




