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アキバだった。
続く!
12月末だった。何故この季節に本州最北端の県へ行かなければいけないのかモヤモヤしながら秋葉原駅前に立っていた。
「尚満さん!せっかくだからアキバ観光していきましょう!」
JKのようにはしゃぐ代耶だった。そう言えばJKだった。
「お前は確実に悪いビジネスに利用されそうだからブラつかない方がいいな。」
「それに12時前には東京駅にいなきゃだから時間もないしね。」
背後から女の声がした。分厚い赤いコートを羽織ったアナトリアが立っていた。チラリと見えたが下は白衣だった。プライベートでも着てるのかお前。
「そう言えばあのサイコは?」
「ああ、ユピならもうその辺に来てるはず…」
「あ、通じるんだ…」
一連の騒ぎは隕石落下という事で落ち着きを見せ、あの街の生命線とも言うべき路線も復活し世界は平和だった。
やがて見慣れた幼い顔が数人のカメラ&リュックというテンプレな野郎共を引き連れてやって来た。あの服装のままで数歩ごとにポーズをきめ、ハリウッドセレブばりに写真を撮られまくっていた。
四人で乗り込んだ山手線は超満員だった。