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夜の街に出かけました。(3)

「…………」


俺は今、誰もいない街にただ一人立ち尽くしている。


呼び出されたからドキドキしてここに来てみれば、少女が俺の目の前で変な動きだけして帰ってしまった。


「まじでさっきの何だったんだよ……」

「…………」


あれなのか?魔族の女の子ってみんな変なのか?


「…………」


……うーん、わからん。


「…………」

「……はぁ、帰るかぁ……」


俺は自分が来た道を歩き始めた。









それからしばらくした後の、王城では。


「ねえシエラ、タケルどうしたのかな」


「うーん、急用ができたって言ってたけどそんな素振り見せてなかったよね」


「確かに!じゃあ急用ってなんだろー。急に夜の街に行きたくなったのかな」


「夜の街……」


「どうしたの?」


「いや、そのさ、やっぱりタケルって男の人じゃん?」


「うん」


「それでさ、今日シャワーのときあんなことが起きたじゃん?」


「うん……」

「…………!!!!!」


「ま、まあ男の人だから仕方ないよね……」


「そ、そうだね……」


ガチャッ。


「帰ったぞ」


俺は無事に部屋に戻ってきた。


「あっ!!お、おかえり!」


エッシェルが反応する。


「……?」

「どうかしたか?」


「い、いや、なんでもないよ!!」


なんか二人とも様子がおかしいような……

……気のせいか?


「そ、その、用事は済んだの?」


シエラが俺に聞く。


「用事?あー、済んだというかなんというか、微妙なところだな」


「そ、その、誰かと会ったの?」


「一応会ったな」


「誰と!?」


「名前とかは特に分からないが不思議な女の子だったな」


「女の子!?」


「?」


「や、やっぱそうだったんだね……」


シエラに代わり、エッシェルが言う。


やっぱそうだった???

まさかあの時の紙が見られたのか!?


「その、どうだった……?」


呼び出された後の様子を聞いているのだろうか。


「会った後急に後ろに回られたりしてびっくりしたけど大丈夫だったな」


「後ろに……!!!」


「け、結構大胆な子だったんだね……」


????


大胆……?


「確かに素早くはあったな」


「そ、そうだったんだ……」


なんだその微妙な反応は。


「その、別に言ってくれればボクだって手伝えるよ……?」


「わ、私も……」


「いやいや、そんな危ないことを二人にさせるわけにいかないからな」


流石に相手も分からない呼び出しに連れて行くわけには行かないし、一人で来いって書いてあったからな。


「危ない!?!?」


「そんなに凄いの!?」


凄い……?


「まあ確かに魔族だったからな」


「魔族!?!?!?!?」


「魔族の子だったの!?!?」


「ああ。角が生えてたからな」


「ええ!?!?」


「そ、そんなところに魔族が居たんだ……」


「まあ向こうから呼び出されたわけだからな」


「「呼び出されたの!?」」


「え、知らなかったのか?」


「知らないって!!」


「じゃあなんで俺がさっき街に戦いに行ったの知ってるんだ?」


「「え」」


「…………?」










翌朝。



どうやら昨日は予想のかなり斜め上な勘違いをされていたようだ。

これからは雑な理由で外に出ないようにしよう。


俺は顔に張り付いているウィンドウを剥がし、目を開ける。


「ん……」


俺が目を開けたタイミングでシエラが目を覚ます。


「お、おはよう」


「あ、お、おはよう……」


少し目を合わせると、シエラが斜め下に目をそらす。


そう恥ずかしそうにされるとこっちが恥ずかしくなってくるんですが。


「んゃ……」


エッシェルも目を覚ました。


「あ、おはよー」


エッシェルは普通の調子のようだ。


「…………」

「さて、何をするか」


起きたはいいものの、何をすればいいか分からない。


「じゃあとりあえず王様に会ったら?」


「確かにそうだな。何すればいいか分からずずっとただ居るわけには行かないからな。」


「う、うーん、まあいいんじゃない?」


「じゃあ早速行こうよ!!」


「そうだな!!」


「起きたばっかでよくそんなに動けるね……」


俺たちはすぐに部屋を出た。


「確か昨日間違えて入ったシャワー室の辺りから行けた気がする」


「そうなんだ!!」


俺たちは部屋を出て右の突き当たりの階段を2階分登る。


「えーっとー、あれじゃない?」


エッシェルが豪華な扉を指差す。


「あー!あれだな!」


確かあの扉は俺がユティナ姫と会った廊下に繋がる扉だろう。


「ボクもあの扉には見覚えあるよ!」


俺たちがその扉に近づくと、あることに気がつく。


「あれ、あの扉開いてないか?」


そう、その扉が少し開いていたのだ。


俺は扉の隙間から中を覗く。

すると、少ししてエッシェルも隙間から中を覗き始めた。


「もう、ここ王城なんだけど……」


「バレなきゃ大丈夫だろ」


「タケルらしいね……」


そう言いながらシエラも覗き始める。


お前も覗いてんじゃねえか。


中には赤いドレスを着た女の子と貴族らしき人、そして王がいる。


あれはユティナ姫だな。

あっちの貴族は誰だろうか。


「……を……来………」


うーん。よく聞こえない。


「……………約………」


ん?


「…………姫……………」


あと少ーー


ガタンッ!!!


声を聞こうと扉に耳をつけていると、扉が開いて俺たちは中に倒れ込んでしまった。

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