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冒険者になるために街に向かいました。

俺はエッシェルと街までの道のりを歩いていた。


「そういえばデーモンってなんなんだ?」


道中、エッシェルに聞く。


「タケル知らないの?えっと、デーモンはまあいわゆる魔人とか魔物とかそういう種族だよ。ちなみに知ってると思うけどヒューマンは人間のことだね」


魔人や魔物……いわゆる魔族みたいなものか。


「ってことはお前は魔物に襲われないのか?」


「そんなことはないよ。昔は知性のある魔人が魔物を従えてたんだけど、魔人がほぼ滅ぼされちゃって魔物だけが残っちゃったんだ。それに魔物は魔力から自然発生したりするけど魔人はしないからね」


「魔物はお前に従わないのか?」


「うん。自然発生した魔物は基本的に誰にも属さないし、私はまだ魔王の力に目覚めてないからね。それに私魔物あんまり好きじゃないんだよねー」


魔王の力……魔物を従わせるような力なのだろうか。


「魔物が好きじゃないって何か辛い過去でもあったのか?」


「いや、見た目がキモいじゃん」


「あっなるほど」


そんなことを話していると、エッシェルが急に立ち止まり、横を振り向く。


「待って」


エッシェルに止められる。


そしてその数秒後。


「グガァァァァッ!!!」


森から熊のような魔物が飛び出して来た。


「業火」


エッシェルが出した小さな炎が魔物に飛んでゆく。



ボワッ!!!


小さい炎が魔物に当たったかと思うと一気に弾け、一瞬で消し炭にされる。

どうやら本当に魔物に愛着がないようだ。


「お前すげえな……」


「タケルにいわれたくないもん。」


そういえば俺もまあまあ凄いんだっけか。


そして俺たちはまた歩き始める。


「というかどうして魔物が居るって分かったんだ?」


「見えたから」


「見えた?」


「魔力が見えたの」


「それって俺でも見えるのか?」


「普通は見えないよ。私は魔眼持ちだから」


魔眼……そんなのもあるのか……


「魔眼ってなんだ?」


「魔眼は特殊な力を持った眼のことだよ。私は魔力が見える魔眼の持ち主。まあ魔眼持ちなんてめったに居るものじゃないんだけどね」


魔眼……ん?もしかして……


「自分の体力とか魔力の数値、使える魔法とかレベルとかが見えるのって魔眼なのか?」


このウインドウが魔眼ってこともあるかもしれない。


「見えるの!?」


「ああ」


「それ魔眼だよ!!そういうのって石板とか使わないと見れないもん!やったあ!仲間がいた!!」


エッシェルが俺の手を取り、喜ぶ。本当に魔眼だったのか。


「自分以外の魔力とかって見れるの?」


そういえば試したことがないな。


俺はエッシェルの方を見て、いつも自分のウィンドウを見るのと同じ要領で念じる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


レベル:48


HP:30902


MP:82153


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


レベルとHP、MPだけが見えた。どうやら他人のステータスはこの3種類だけ見れるようだ。


「レベルと体力と魔力なら見えたぞ」


「やったあ!なんて書いてあるの?」


「レベルが48で、体力が30902、魔力が82153だな。」


「思ったより高かった!!嬉しい!」


エッシェルが喜ぶ。


「お前ヒューマンの平均とかデーモンの平均とか分かるのか?」


「うーん、少なくとも戦争してた時に私が知ったヒューマンの強さの平均が大体レベル70の体力4800の魔力1800で、デーモンで知ってたのだと大体レベル80の体力9800の魔力32000くらいだったかな?」


ヒューマンよりデーモンの方が強いんだな。

となると俺はかなり強い方なのか?


「お前結構高いじゃないか」


「まあ私は魔王の娘だからね」


そんなことを話しながら歩いていると、2時間程度が過ぎてそこそこな大きさの街が見えてきた。


「あれがスクワだよ!!」


エッシェルが街を指差す。


「よし!それじゃあ早速冒険者になるか!」


「うん!」


俺たちは街に向けて駆け出していった。


街の中には中世のような町並みと、見知らぬ文字で書かれた看板があった。


「この先冒険者ギルド……」


俺は看板に書かれた見知らぬ文字を読む。どうやら俺はここの世界の文字も読めるようだ。


ー賢者:自動翻訳ー


頭の中に自然と思い浮かぶ。どうやらパッシブスキルのようなものもあり、俺の職業の一つである賢者のパッシブスキルが発動したようだ。


「早く行こ!!」


エッシェルが俺の手を引っ張り、冒険者ギルドに連れて行く。


「冒険者登録に来ましたーーー!!!」


冒険者ギルドに入った瞬間、エッシェルが受付に向けて叫ぶ。


「あんな小娘がか?」


「笑わせるな!」


受付より手前のスペースにいた巨漢の冒険者たちが嘲笑う。


「なあそこの可愛い嬢ちゃん、ここは遊びに来るところじゃないぜー。」


冒険者が言う。


「本気だもん!」


そういいながらエッシェルが受付に向かう。どうやら普通の人間として見られているようだ。良かった。


150cm~160cm程度の身長といい、発言といい、冒険者の人たちがそう言うのも分かる。


「あの、冒険者になりたいんですけど」


俺が受付に言う。


「はい。一応年齢制限などはありませんが、そちらの方も冒険者志望ですか……?」


受付の人がエッシェルを見る。俺はまだ身長が高い方だが、エッシェルはそこまで高くないからきっと17歳未満くらいだと思われているのだろう。


「もちろんです!」


エッシェルが言う。


「了解しました。それでは手続きを始めますね」


受付の人が手続きを始めた。どうやら簡単に冒険者になれるようだ。

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