表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/70

遊び道具を作りました。(3)

「これでよし」


俺はカードを分け、二人の手札を伏せたまま渡す。


「俺のカードは……」


なるほど。

割と悪く無い手札だ。

8とジョーカーが無いのは痛いが、まあいい。


そう俺が手札を見ていると。


「ねえ、シエラ、これってたしかキングだよね?」


「そうだね!私も持ってる!」


「ほんと?クイーンは?」


「1枚だけあるよー」


なんと二人がお互いの手札を見せあいながら話していた。


「手札見せちゃダメだろ!?!?!?」


「えー?どうして?」


「そりゃ勝負なんだから……」


「遊びじゃなかったの?」


「えっと、いや、そういうルールがあるんだ」


「そっかー」


びっくりした。

そういえばこの二人はカードゲームすら知らないんだった。


「じゃあ私からね!!8!!」


エッシェルが開幕から8を出す。

何故そうしたし。


「…………」


エッシェルが黙り込む。


「エッシェルの番だぞ?」


「え!?!?」


そういえば8を使ったらもう一回出せるって言ってなかったな。


「私の負けじゃん!!」


「いや何故!?」


「場がないからカード出せないもん!」


「…………?」


一体この方は何を言っていらっしゃるのだろうか。


「だって8出したら場がなくなるんでしょ?」


「…………」


こいつ場ごと消しやがったああああああああああああああああ!!!!!


「いやな?確かに場を無くせるって言った俺が悪かったけどな?場に出されたカードを消してもう一回出せるって効果だからな?」


「そうなの!?じゃあ今のなし!!」


エッシェルが勢い良く出したカードを戻す。


「ま、まあいい」


「3!!」


これでやっと大富豪が始められる。


「5!」


シエラがカードを出す。


うわスキップか。


「5が出たってことは私だね!!」


「ああ」


「8!!!」


勢い良く5の上に8を出す。


「ふう……」


エッシェルが息を少し吐いて目を瞑る。


「闇の炎よ……」


エッシェルが突然カードに手をかざし、詠唱を始める。

それと同時に、エッシェルの手から魔法陣が出た。


「何やってんだ!?!?」


「え、カードを消すってさっき言ったよね?」


「お前わざとやってるだろ!?!?カードを場から取り除いてそこらへんに置いておくんだよ!」


「え!!そうだったの!?てっきり魔法で消すのかと思ってた!!」


普通そんな間違いしないだろ!?!?


「えーっと、じゃあ次は6!」


エッシェルがカードを出す。


「えっと、7!」


シエラが7を出す。


「7か。じゃあ俺に何かカードを1枚送ってくれ」


「ボクがタケルに!?」


「あ、ああ」


何故そんなに驚いているんだ。


「どうして!?」


「いや、7の効果がそういう効果だからだよ」


「そ、そっか、そうだったね」


シエラが手札からカードを1枚とる。


「そ、その、もし良かったらこれ、受け取ってくれないかな……?」


何故か頰を少し赤くしながら俺にカードを渡してくる。


大富豪ってそういうゲームじゃねえから!!!


シエラからカードを受け取る。


もしかして送るっていう意味が、一番強いカードをあげるとかと勘違いしてたのか?

だったらこのカードは……


ゆっくりカードをめくる。


ダイヤの4。


ゴミカードじゃねえか!!!!!


「えっと次は……」


6の次が7だから、次は8か。

うん、持ってないな。


「俺8ないからパスで」


「…………」


「………?」


エッシェルとシエラが不思議な顔で眺めてくる。


「どうした?パスだぞ」


「ぱす……?」


「なにそれ」


あ、知らないんだった。


「えっとな、出せるカードがなかったら次の人に順番を譲れるんだ」


「そうなんだ!!」


そういえば二人とも基礎知識すら皆無なんだったな。


「じゃあ私の番だね!!8!!!」


ペシンと、勢い良く7の上に出す。


何故エッシェルは8だけそんな勢い良く出すんだ。


「1!!」


続けて1のカードを出す。


「2!」


シエラが上から出す。


「パスだ」


「私もパス!!おそろいだね!!」


なぜかニコッと笑いかけてくる。


可愛いけど意味わかんねえな。


「二人ともパスってことはまたボクの番だね。今度は場のカードをなくして好きなのを出せるの?」


「そうだ」


「えっと、たしか同じカードがあったらいっぺんにだしていいんだっけ?」


「そうだな」


「じゃあ3を3枚で」


おお、3枚持ってたのか。


「パスだ」


「じゃあ私は7を3枚!!」


エッシェルも3枚のカードがあったのか。


「7を3枚出したら3枚送れるんだよね!!」


「そうだ」


「うーん」


エッシェルがゆっくり手札から3枚カードを抜く。


「その、これ、受け取ってくれる……?」


何故か俺に3枚カードを差し出してくる。


「…………え?」


「その、受け取ってくれる……?」


「俺がか?」


「……うん……」


何でちょっと恥ずかしそうなんだよ。


「何だよそのノリは。てか渡すの俺じゃねえよ」


「え!?!?受け取ってくれないの……?」


「いやそもそも順番がーー」


「シエラのカードは受け取ってたのに……」


「いやそういうことじゃーー」


「私じゃだめなの?」


「もういいよ!!受け取るから!!!」


「やったー!!」


何故か俺が受け取ることになってしまった。


「ボクの番だね!!えっと、じゃあ9を3枚!!」


シエラまだ3枚の持ってたのかよ……


「順番が3回変わるから、次はエッシェルだね!」


「うーん……」


エッシェルがじっくり手札を見て悩んでいる。

3枚揃ってるカードがないのか?それとも4枚揃ってるやつがあったりするのか?


少しすると、エッシェルがカードを1枚勢い良く手札から抜き、出す。


「ジョーカー!!!」


!?!?


「ふっふーん!!これで場のカードがなくなって私の番だよ!!」


!?!?!?!?!?


「何故そうなった!?!?」


「え?だってジョーカーって最強のカードなんでしょ?」


あっ、大富豪でのジョーカーの効果説明してなかった……


「そっか!!そのカードがあったんだったー!!」


どうやらシエラはこの理不尽な事実を受け入れてるようだ。


「あれ?万能カードってことはそれ使ったらもう勝てちゃうんじゃない?」


シエラが言う。


まさにその通りだ。

万能カードとして使ったら当然そうなってしまう。

これでジョーカーの使い方が間違ってることに気づいてくれるんzyーー


「じゃあ2つ目のジョーカー!!!これで私の勝ちだね!!!」


!?!?!?!?!?


「うわー、負けちゃった!」


何故受け入れられる!?!?!?!?


「楽しかった!!大富豪っていいね!!」


「ボクも!!」


いや終始カオスだったのによく楽しめたな……


…………


うん。流石にトランプ初めての人に大富豪は難しすぎたな。

自分が一番良くやってたから適当に決めたが、次はもっとババ抜きみたいな簡単な奴にしよう。


むしろ二人とも発想が奇想天外すぎて楽しかった。


俺は自分の中でそう決め、大富豪を終えた。


俺が何の訂正も入れずに終えたため、二人の中での大富豪は"ジョーカーが手札に来たら勝つゲーム"になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ