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何故か姫と戦うことになりました。(1)

「あちらの部屋です」


俺たちは兵士にある部屋を案内された。


「ボクたち本当に泊まるんだね……」


「どうして私達ここに泊まることになったのー?」


「なんというかな、報酬について王と話してる途中に、宿を探してるって言ったらここに泊まることになったんだ」


「どうして……?」


「わからん」


ガチャッ


部屋の扉が兵士に開けられる。


その奥には、大きな白いベッド、部屋の中央の丸い豪華なテーブルとその周りの椅子、紅茶を淹れるための食器や道具がおいてある棚、豪華なソファーなど、文句なしの素晴らしい部屋があった。


そして壁には青い魔法陣が描かれている場所があり、その直ぐ下の壁沿いに小さな机があった。


うん。すごくいい部屋だ。すごくいいんだが……


「な、なあ、どうしてこの部屋ベッドが一つなんだ?」


「この部屋は王からの命令でございます」


「!?」


もしかして俺たちを案内させる前に兵士に王が送ってた変な合図みたいなのって部屋の指定だったのか!?!?


「食事や掃除などの詳しいことに関してはあちらの通信魔法陣から確認できます。それではごゆっくり」


バタン


兵士がどこかへ行った。ずいぶんと簡潔な説明だな。


あの魔法陣、通信ができるのか。


「…………」


ベッドを眺める。


正直美少女ふたりと寝るのはすごく嬉しい。だが心臓が……


……いや待てよ。

少し慣れて来たから、もしかしたら普通に嬉しいかもしれない。



……うん。嬉しいな。

ありがとう、王よ。

おかげで美少女と二人で寝れーー


「ねえタケル、ボクまさか通信魔法陣を使う日がくるなんて思ってもみなかったよ!」


「あ!?!?!?あ、ああ。そ、そうだな」


「……?」


まずい。いきなり話しかけられたから驚いてしまった。


「その、通信魔法陣って珍しいのか?」


「別に珍しいわけじゃないんだけど、こういう豪華な場所とか冒険者ギルドの裏側とかにしかないから、使う機会がなかったんだよね」


「なるほど」


通信魔法陣の前まで歩く。


「ん?なんだこれ」


すると、そのすぐ下の小さな机の上に、紙が置いてあった。

そこには、108番 食事 109番 掃除 ……と、番号とその後に言葉が書かれていた。


「あー、これは通信魔法陣の番号だね。触れながらその番号を言ったらそこに繋げられるんだ」


「そうなのか」


いわゆる電話番号みたいなものか。


「ねえねえ!紅茶淹れようよ!!」


エッシェルが食器がある棚の前で言う。


「おう、いいぞ」


そう言って俺が紅茶を淹れようと茶葉を探し始めた瞬間。


バコォン!!!!!!!


部屋の扉が凄まじい勢いで開いた。


「「「!?」」」


突然の爆音に俺たちはすぐ扉の方を向く。


そこには、ユティナ姫が立っていた。


「ど、どうしーー」


「そこの貴方!!」


突然俺の方を指差してくる。


「俺か?」


「そうよ!!貴方さっき私の攻撃に気付いてたわね!?」


「…………?」


攻撃?そんなものされた覚えはないんだが。


「とぼけても無駄よ!!」


「一体何を……」


困惑する俺に小走りで近づいてくる。


「本当に気付かなかったの?」


顔を俺の目の前に近付けて、じっと見てくる。


「だから何がだ?」


「……ふーん」


そう言うと、腰につけている剣に手を回す。


一体何をする気だ?


「…………」


しかし姫はなにもしてこない。


「…………」


少し間を開け、ゆっくり姫が自分の服を見る。


服に一体なにがあるのだろうか。

俺も姫の服を見る。

すると、小さな切れ目が二つあった。


「!!!!」


その切れ目を見て姫が目を丸くする。


突然何なんだ。


「ま、まさか、本当に反撃していたとはね……」


そう、この時もまたユティナ姫は誰にも分からないくらいの速度でタケルに斬撃を寸止めし、そしてタケルの自動反撃が寸止めされた攻撃を寸止め仕返したのだ。

最も、ドレスがふわふわしているせいで寸止めの攻撃はドレスに当たり、ドレスに傷をつけたわけなのだが。


「……?」


「貴方、私と勝負しなさい!!」


「…………何故!?!?!?」


一体何なんだ。

俺何もしてないぞ。


「拒否権はないわ!!勝負しなさい!!とぼけても無駄よ!しなかったらわかってるわね!?」


「しないとどうなるんだ?」


「するのよ!!しないなんて選択肢はないわ!!」


そんな理不尽な。


「とにかく戦いなさい!!」


「いやいや、なんでだよ」


「戦わないとダメなのよ!!」


「どうしてだ?」


「戦わないと気がすまないの!」


「だからどうしてだ?」


「私にもわからないわよ!!」


「えぇ……」


「戦うの!」


「流石に戦いたくないな」


「戦いなさい!」


「だから嫌だって……」


流石にSクラスの冒険者と戦って勝てる自信はない。いくら職業を持ってても戦闘経験は全然ないからな。


「どうしても嫌って言うわけ?」


「ま、まあ……」


「どうしてそこまでして戦わないの!?」


「そもそも戦う意味がないじゃないか」


「意味があればいいのね。それじゃあもし私が負けたら何でも言うことを一つ聞くわ!!まあ私が負けるなんてありえないけれどね!!!」


すごい自信だな。

というか、この自信満々で何でも言うことを聞くって台詞前に聞いた気が……


「そこまで言うなら仕方ないな」


何度断ったって聞く気なさそうだし、まあ適当に戦って負ければいいだろ。


そして俺は突然わけもわからず姫と戦うことになった。

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