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報酬を受け取りました。(2)

「白金貨をこんな大量に!?!?!?!?」


「街どころかあわよくば大陸を救ったのよ。これでも足りないわ」

「まあ、このためにこの街に私が来たのだけれど」


「まじかよ……」


流石にこれは予想してなかったぞ……

というかこのためにこの街に来ていたって、こうなることを予めわかっていたのか?


「もう錬金術しなくて済むね!」


エッシェルが言う。


「錬金術……?」


シエラとシェスタが怪訝な目で見てくる。


「何を言ってるのかなあはは……」


だからその話はやめてくれ。


「じゃあ、私は兵士たちが待ってるから行くわね」


シェスタが立ち上がる。


切り替えが早いな。流石はプロといったところなのだろう。

いや、いろいろありすぎて吹っ切れてるだけか。


「ああ。またな」


「じゃあね!」


「さようなら!!」


シェスタは挨拶をする俺たちに軽く手を振り、カウンターへ出ていった。


「それで、これどうする……?」


シエラが机の上の大金を見る。


「私はタケルに全部あげるよ?」


エッシェルが言う。

何故だ?こういうのは山分けじゃないのか?


「うん。ボクも賛成だよ」


「普通に三人で山分けじゃダメなのか?」


「いやいや、だってほとんど全部タケルが倒したんだよ?」


「シエラの聖剣とエッシェルの結界魔法がなかったら勝てなかったわけだし、山分けで良くないか?」


「いやいや、それでも山分けはちょっと……」


「じゃあお前ら二人で等分してくれ」


「そういうことじゃなくて!!」


「じゃあどうすればいいんだ?」


「うーん……分かったよ。山分けでいいよ」


「そうか」


俺は立ち上がり、他に布袋がないか探す。


「よし。これを借りよう」


棚の中に空の布袋が大量に入っている場所があった。

二つくらいもらっても別に怒られないだろう。


「山分けでいいの?」


エッシェルが袋を二つ取った俺に言う。


「もちろんだ。それが普通だろ」


この世界の常識は知らないが、きっと山分けが無難だろう。


「よいしょっと」


大量の白金貨が入った袋を逆さまにし、中身を全て机の上に広げる。


ジャラジャラジャラ!!


凄まじい量の白金貨が袋から出てきた。


「うわぁ、すげえ量だな……」


机の上に広げた白金貨を三等分するように分ける。


「あのさ、タケル達は王都に行った後何するの?」


シエラが言う。


うーむ、この街に来たのもとりあえずだったしな。


「特に決めてないな。まあとりあえず冒険者としてクエストでもこなしてみるか」


せっかく冒険者なんていう面白い仕組みがあるのだから、それを楽しもう。


「そうなんだ!ねえ、もし良かったらボクもついて行っていいかな?」


まじかよ。

勇者が一緒について来てくれるなら相当な戦力になるし、何よりかなりの美少女だからありがたいんだが……


「悪いな。ちょっと事情があってな」


エッシェルの方をチラ見する。


流石に魔王と一緒に勇者を連れて行くのはまずいだろ……


「もしかしてだけどさ……」


シエラが机の向こう側から、お金を並べている俺に向けて歩いてくる。


そして、腰をかがめてお金を仕分けするために俯いている俺の顔を覗きながら言う。



「エッシェルが魔王だから?」


!?!!?!??!?


何故知っているんだ!?

いや、鎌をかけているのか?

いやいや、流石にそんなことは知っていない限り言わないはず……


だとしたら、いつ知ったんだ……?


「やっぱりそうだったんだね」


答えるのがつい遅れた俺をちらりと見てから、シエラがエッシェルの方を見る。


「ご、ごめんなさい!!」


エッシェルが頭を抱え、うずくまる。


「いやいや、別に攻撃したりしないよ。だってボク言ったじゃん」


言った?


「前に、"君たちは斬らない"って」


確かそれを言ってたのって……

ああ、最初に会った時か。


「あのときから気付いていたのか!?」


「だって勇者とぶつかったのに勇者が倒れるなんて普通ないよ?」

「それに魔王って言葉に反応してたし、あんな魔法が使えるし」


「ああ、なるほど……」


最初から気付き始めてたのかよ。


「魔王に敵意がないなら斬る理由はないからね」


「それなら良かった」


勇者って言っても話が分かるタイプでよかった。


「それで、その、それを踏まえた上なら、ボクを連れてってくれる?」


シエラが少し頰を赤くして聞いてくる。


「どうだ?」


エッシェルの方を見る。


すると、エッシェルが激しく上下に頷いていた。

思いの外乗り気なようだ。


「いいぞ」


「やったー!!」


シエラが元気に喜ぶ。


そして、そのまま椅子に座る。


「あーー、疲れたー」


シエラが椅子に座ると、背もたれに寄りかかり、だらんとする。

いや勢いの緩急が激しいな。

疲れたと言うのには激しく同意だが。


「私も疲れたよー」


エッシェルが机に伏せる。


「もちろん俺も流石に疲れたぞ」


俺も椅子に座り、背もたれに寄りかかる。


流石にあんなにスキルや魔法を使いまくったら疲れる。

体が鉛みたいだ。


「王都に行くのは明日にしない?」


シエラが言う。

そうだな。今日は流石に疲れた。


「シエラは泊まる場所決まってるのか?」


「いや、ないよ。タケル達は?」


「ちょうどあと1泊の宿があるな」


結局4泊中2泊別の場所で泊まることになってしまったが。


「じゃあそこに泊めてもらおうかな」


「ああ……あ?」


あそこって確かベッド二つしかなかったような……


「どうしたの?」


「いや、なんでもない。いいぞ」


今は考えないようにしよう。


「私もいいよ!!」


エッシェルが言う。


「ありがとう!それじゃあ早速宿に向かおうよ!」


「そうだな」


「うん!」


そして俺たちもギルドを出た。

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