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女の子に会いました。(1)

「……あれ?」


大体RPGといえばドラゴンが強いイメージがあるのだが、一撃で消し飛んだぞ。

これ天使がやりすぎたのか?

いくらあの魔法が強そうだったからって、虹色のドラゴンだぞ?

まさかスライム的な位置にドラゴンがいるのか……?いや、あの大きさでそれはないな。

上位職の中でもかなり強い魔法だったのだろう。これからはもっと抑えよう。


直後、目の前に"LEVEL UP!!"という表示が出て、テッテレーというゲームのような音が鳴る。


「もうレベルが上がったのか」


俺は再びステータスを見ると、職業、魔法、レベル、HP、MPの部分が変わっていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


職業:終焉の魔術師、etc...


魔法:天滅、etc...


レベル:30


HP:250671/250671


MP:1056192/1056192


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……伸びすぎじゃね……?」


思わず口にしてしまった。


一気にレベルが30まで上がっただけじゃなく、ステータスがこんなに増えていたら誰でも驚くだろ。

10倍くらいになってるぞ……?


「それにしても綺麗な森だなー」


俺は虹色に輝く植物達に見惚れながら歩く。

実は範囲が狭い魔法を使ったのはこの森を壊したくなかったからだったりする。


10分くらい色々な植物を眺めながら歩いていると、奥の方から綺麗な鼻歌が聞こえ始めた。


「ん?なんだこの声は。人でもいるのか?」


俺はさらに足を進める。人が居るなら会いたいものだ。街の場所を聞きたいし。


「ふ〜ん、ふふふ〜ん♪」


女の子の綺麗な鼻歌がどんどん近くなってゆく。


「ここか?」


俺は前にあった茂みをガサッと開けて顔を出すと、そこには水色に輝く泉が広がっていた。


「すげー……」


水色の綺麗な水面に、虹色の木々が反射して幻想的な空間ができている。


俺は泉を見渡すと。



パシャッ、パシャッ。



何か音が聞こえる。



右を見てみる。



すると。


裸で水浴びをしている短髪で濃い紫色の髪をした女の子の後ろ姿があった。


「ふふ〜……ん?」


女の子が振り向き、目が合う。


「「あ。」」


俺と女の子が同時に気付く。


「・・・。」


「・・・。」


「・・・。」


無限に長く感じてしまうほど緊張感の走った沈黙が訪れ。


「うぎゃあああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!」


女の子が先程のドラゴンにも負けないくらいの大声を出し後ろを向いて湖の中に潜り、鼻から上だけを出してこっちを見た。


女の子は紫色の目をしていて、凄まじい美貌を持っていた。そして頭の上に小さな角が二本あった。


なんだなんだ。なにやらすごく可愛い生き物がいるぞ。

前の世界にはこんな顔面偏差値の高い美少女はいなかったぞ。


「…………」


俺はつい見惚れて反応するのを忘れていた。


「あんたなに、な、なんなのよ!」


女の子が少しだけ顔を上げ、口を出してから言う。

お嬢様口調のようだが何か違和感を感じるな。なんというか口調が馴染んでいない……

というか、胸が大きかった。

どうやらこの手のハプニングが起きると俺の思考はバグるようだ。


「えっ、えっと……旅人です」


適当に旅人ということにしておこう。


「ちょっとまってなさい!」


女の子が水に入ったまま水中から生えている木の裏にスゥーっと周り、1分後くらいに陸から服を来て出てきた。


なんか不思議な服だな。紫色で、なんというか不思議な雰囲気を纏っている。


「こっちに来なさい」


女の子に言われるがまま、少しスペースのあるところに行く。


すると女の子が立ち止まり、振り向く。


「貴方ヒューマンよね!?」


女の子が言う。


ヒューマン?人間のことなのか?


「ああ。お前はえっと……ヒューマンじゃないのか?」


「そんなわけないでしょ!」


まじか。種族の項目があることからなんとなく察していたが、やはり人間以外も居るのだな。


「というかなんでヒューマンがここにいるの!?ここを守ってたドラゴンはどうしたの!?」


守ってたドラゴン?ああ、あれか。

俺を侵入者だと見て攻撃していたのか。




あれ?


……それ、俺完全に悪者じゃん。


やべえ。異世界来て早々厄介ごとを起こしてしまったかもしれない。


「お前の仲間だったのか?すまん。倒した」


ここは正直に言おう。


「はぁあああ!?!?!?ヒュ、ヒューマンが倒せるわけないでしょっ!!!」


「そ、そうなのか?」


「当たり前よ!そもそも結界のせいでヒューマンどころかほとんどの生物はここの存在すら分からないわよ!!」


「結界?」


ほんとにファンタジーだな。


「貴方魔法を知らないの?まあ見た感じ魔力を感じないからそうよね。たまにここに迷い込んでくる奴がいるのよね……」


「迷い込んだ?まあ目的もなしに来たのは確かだが。」


「全くあのドラゴンは何やってるのかしら。侵入者をここまで入れてくるなんて……」


「いやだから倒したって…」


「魔法を使えない貴方が倒せるわけないでしょっ!!!あのドラゴンに物理攻撃は効かないの!!」


「いや使えるんだが……」


「貴方には一切の魔力が見えないわ!!そんなんで使えるわけがないでしょ!!」


おかしいな。MPならついさっき100万を超えたんだが。


「俺、帰った方がいいか?」


流石に迷惑そうだし帰るべきだろうか。まあ帰る場所なんてないのだが。


「生きて返すわけないでしょ!」


「………………え?」


まさか俺そんなヤバい場所に入っちゃったのか?


「言っとくけど私はあのドラゴンとは比べものにならないくらい強いわよ!?」


いやおいまじかよ。

もしもあのドラゴンが攻撃力が凄まじいタイプで、たまたまこっちが先に攻撃したから勝っただけだったとすると、レベル30に上がったとしても勝ち目はないぞ……?


「これでも私は魔王なのよ!!」


女の子がえっへんと言わんばかりのポーズをする。


魔王?魔物の王のあれか?


「そうは見えないが……」


「本当よ!!まあ元魔王の一人娘ってだけなんだけど、まあ実質魔王よ!!」


「本当か……?」


だとすると俺詰みなんだが。レベル30のnoob(初心者)だぞ。


「そんなに言うなら見せてやるわよ!!深淵の超火!!」


女の子が手を挙げると、そこから5重の赤黒い魔法陣が出て、その先に生み出された赤黒い玉にエネルギーが溜まっていく。


あれ?俺ヤバいんじゃね?


「えりゃあああああああっ!!!」


女の子が赤黒い玉を投げたかと思うと、目の前が赤黒く染まった。

思ったよりPV来てて嬉しいです!みなさんありがとうございます!!

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