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魔人の襲撃が来ました。

ゴゴゴゴゴゴ。

地面が揺れている。


今俺たちは街を囲う、数メートルの高さの石の壁からそこそこの距離を置いた草原に立っている。

この草原に今、魔人達が襲撃を仕掛けている。

地響きは魔物達が走る時の地面の振動だろう。


「あ!あれ!」


シエラが草原の先を指差す。

そこには地平線に沿って黒い影が伸びていた。


「あれか」


恐らく、いや間違いなくあれが魔人達だろう。

ここから見ても凄まじい数がいるのが分かる。

100、いや200、或いはもっといるだろう。

昨日でさえかなり数が多かったが、まだこんなに戦力が残ってたとはな。流石は魔人と言ったところなのだろうか。


「前より魔力が増えてるよ」


エッシェルが言う。


「それって前よりも強いってことか?」


「うん。かなり強くなってる」


なるほど。数も強さも上というわけか。

となると、これがメインの襲撃と見て間違いないだろうな。


「よし、行こう!!」


シエラが俺たちに言うと、遠くにいる魔物達に向けて走り出す。


「ああ!」


「うん!」


俺たちも返事し、ついて走る。


「念のため魔法耐性がついたままか、魔法を撃って確認しておくな」


俺は凄まじい速度で走りながら前に手をかざす。


昨日の戦いを見て、魔法耐性から物理耐性に変えたという可能性もあるからな


「魔法あそこまで届くの?というかボクたち魔法が飛ぶ速さより速く走ってるんじゃない?」


確かに今は凄まじい速度で走っているから魔法の飛ぶ速さの方が俺たちが走る速さより遅かったら自分たちに当たる可能性もあるだろう。

慣性が魔法に働いても空気抵抗で減速する可能性だってあるからな。

なにかいい魔法は……


ー光線魔術師・爆炎光線 MP消費:1秒につき200ー


頭に思い浮かぶ。

光線魔術師……面白い職業もあるものだ。

これならあの遠くの魔物にもすぐ届くだろう。


「爆炎光線!」


俺は走りながら前に手をかざす。

そして2秒後に魔法を切る。


キュゥイイイイイン!!という音が鳴ったかと思うと、ピュゥゥゥゥン、という音とともに炎のような光線が一瞬で魔物たちの方に飛んでゆく。


それから数秒後。


ドゴオオオオン!!!という低音が遠くから聞こえ、魔人達が炎に包まれる。

しかし、やはり全員無傷だった。


「やっぱり魔法は効かないみたいだな」


「あんな魔法ボク見たことないんだけど……」

「っていうかあんなのを防げる相手とまともに戦えるの?」


「別に物理攻撃耐性は付いてないだろうし、俺の身体強化があるから大丈夫だ」


「身体強化ってあの光属性の?あれってそこまで強くならなくない?」


「タケルの魔法だから大丈夫だよ!」


エッシェルが疑問を浮かべるシエラに言う。

なんだか信用されてるみたいで嬉しいな。


「じゃあ身体強化かけるぞ!」


俺が昨日知ったこの身体強化という魔法は、使用時間と使用MPを自分で決めることができる。

そして時間とMPによって効果の強さが左右される。ちなみに昨日は10分間3000MPで試しにやってみた。

あまりMPを入れすぎると弊害があるかもしれないから、今回は戦闘を長く見積もって30分間18000MPにしておこう。ちなみに感覚的には合計100万が投入できるMPの最大値といった感じか。

まあこの戦いも流石に30分も続かないと思うが。


「身体強化!!」


俺がそう唱えた次の瞬間、急に体が軽くなり、俺たちの走る速度が跳ね上がる。


「わああ!!急にボクの体が軽くなったよ!!」


「昨日よりも軽ーい!!」


二人が言う。

それはまあ1秒あたりの消費MPを昨日より倍にしているから、なかなかの効果を得られただろう。


そして俺たちが加速してから僅か十数秒。

俺たちは魔人の軍勢の前に居た。


「おっとー!!昨日ぶりだなあ!!ヒューマン供!!」


俺たちに気がついた魔人は魔物達の動きを止め、言う。


「おや?そっちに見知らぬ顔が居るみたいだが、たったの3人か?」


魔人がそう言った直後、ふと気がついたように言う。


「ハッハッハ!!分かったぜ!!!お前ら以外怖気付いて逃げたのか!!!」


それだと少しだけ俺たちを褒めているような……

まあいい。とは言っても下手に反論するとめんどくさそうだからな。

適当に流しておくかーー


「違うもん!!タケルにとって私たち以外は足手まといになるから来させなかったんだもん!!」


「そうだよ!!君らはボクたち三人で十分だ!!」


突然エッシェルとシエラが反論する。

どうしてそう刺激してしまうようなことを言うのだろうか……


「なっ……!!貴様らよくもそんな事を言えたものだな!それならたった三人で世界を救って見せればいいさ!!」


すこしだけ怒らせてしまったようだ。まあいいか。


魔人がそう言った瞬間、魔物達が襲いかかってくる。


「炎の剣よ、我が身の前に!豪炎の剣!!」


エッシェルが炎の剣を出す。


「はあっ!」


シエラが聖剣ではなく、普通の剣を出す。

聖剣は普段使わないのだろう。


「よし、俺も出すか」


俺は懐にある鞘から黒い剣を出す。

この剣は、ギルドから出るときにシェスタから受け取ったものだ。

強化魔法がかかったミスリル合金で出来ているらしく、どんなに荒く使ってもこの剣が壊れることはないらしい。

壊れないと言われている石版を壊した前科があるから少し不安だが。


「グルアアア!!」


まず最初にエッシェルに魔物が飛びかかってくる。


「はぁっ!!」


エッシェルが剣を振るう。


魔物は確かにダメージを受けていたが、流石に一撃とまではいかなかった。


「はあああっ!!」


その直後、エッシェルが連撃を放ち、魔物に止めを刺す。


「グアアアアッ!!」


エッシェルが魔物を倒した数瞬後に、俺に別の魔物が飛びかかって来る。


ー音速剣士・瞬斬ー


俺はちょうどその時頭に浮かんだスキルを使い、目の前の魔物を斬る。


気がつくと後ろに両断された魔物がいた。


「はあああっ!!」


今度はシエラが他の魔物と少し離れている魔物に向けて走っていく。


「はっ!!!!」


シエラが見事な剣捌きで魔物に攻撃をするが、剣が全く魔物に届いて居ない。


外した……?


そう思った瞬間。

剣先から光の刃のようなものが飛び、2メートルくらい先の魔物を両断する。


光の刃はすぐに消えたが、まさか聖剣でなくともそんなことが出来たとはな。


何はともあれ、俺たち三人とも魔物を倒せる力を持っていることが分かった。



これなら、勝てる!!

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