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ズィミウルギア  作者: 風月七泉
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【オンライン】388話:魅了される者達⑤



   ★☆★☆【敵兵:新兵】★☆★☆




 最初は「この意味の分からない模様しモノを潰してやる」と息巻いていた上官達だったけれど、始まってみればすっかりと魅了されてしまっている。


 結局は最後の方まで手出しすることなく、誰もがステージの上に立つ可愛い子達の演奏や踊りに合わせて声を出したり歌に相槌を合わせる感じで踊ったヤツまで居る始末。


 誰がやったかは定かでは無いが、馬鹿正直に命令を遂行した奴が居たせいで、針の筵というか四面楚歌というか……これじゃあ悪いのは自分達だと言っている様なもんのだ。


 我が国のイメージだって最悪になるだろう。

 周りにバレないように溜息を吐き出すけど、現状ではどうしようもない事態だな。


「囲むつもりじゃあなかったはずですよね」


 近くの先輩に小声で話しをふると、小さく頷いて答えてくれる。


「本来なら、ただ妨害工作だけのはずだったのだがな……何処のバカが仕出かしたのかはさっぱりわからん。まぁ、ば……王子様のご注文通りと言えば確かにその通りではあるがな」


 先輩が危なく不敬罪に問われる前に言い直したけど、やっぱり思っている事は同じみたいだ。自分達の上司は余裕そうに立っているだけなのに役に立たない上官達と来たら。


 ちょっとした殺気に反応して無能な上官達が軒並み武器を抜いてしまい、最前線で舞台に立っていた演者さん達に矛先を向けてしまっている。


 誰だって自分達の出し物が壊されれば殺気だって向けるだろうに、これじゃあ我等が悪役になるばかりで、なんのメリットも存在しないだろう。


 新兵である自分ですら分かる事が、なんで分からないのかサッパリ意味が分からん。

 でも何故か先輩は面白そうに……というか、悪い笑みを浮かべている。


「……あの、先輩?」


 悪巧みをしている悪魔な笑顔を此方にチラッと向けて上官達に背を向けて周りの新兵や騎士達に聞こえるように、大きく息を吸い込んで声を張り上げて喋り出した。


「なぁお前達。彼女達の模様しモノは最高だったよな。一つ聞くがお前達は彼女達の舞台には手を出していないよな! 何せ一緒になって盛り上がっていたくらいだ⁉」


「勿論です⁉ それに女性や子供に向ける刃は持っておりません」


「ならば‼ いま我等の前で最高の部隊を破壊し、せっかく我々も楽しんでいた時間を壊した愚かな奴等に、我等が鉄槌を下すというのはどうだろうか‼ 私の話に乗るモノは武器を構えよ‼ 無論、標的は我等を楽しませてくれた子達を守る為になぁ」


 上官達をすり抜けて、演者さん達を守る様に武器を構え始めた。


 それを見ていた自分を含めた全新兵達や、無能な上官に嫌気がさしていた者達が挙って先輩について上官に対して抜刀し、演者さん達を守る様に立ちはだかる。


「き、貴様ら⁉ 正気か‼」

「王子に逆らうとどうなるか、分かっているんだろうな」


「知らん、騎士の誇りも名誉もない我儘な愚か者に使える剣を手にした覚えなどないからな。それに、貴様らの方が状況を分かっているのか? ここは我等が国じゃあないんだぜ」


 先輩に康応するかの様に、周りで見ていた人達が「そうだ」と声を張り上げて同調してくれる。それを聞いて先輩はようやくスッキリした表情で晴れやかに笑っている。


 自分もだけど周りにいる新兵達だって同じように王子の我儘やら上官の理不尽な指導という名の暴力にうんざりしていた所だったから、ちょうど良かったのだろう。


 悪しき習慣もコレでやっと変わり始めるだろう。








全然投稿が出来なくて申し訳ございません。



まさか此処まで忙しくって手が付けられなくなるとは思わなかったですね(;'∀')


梅雨のせいで頭痛は酷いし風邪にはなるし、


コロナワクチンなんかも噛み合ってダウン続きでした( ;∀;)


まだ体調は万全ではないので、休み休みですが週一は確実に投稿していきまする(>_<)



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