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ズィミウルギア  作者: 風月七泉
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【オンライン】386話:魅了される者達③




 本来なら仕掛けてきそうな隙だらけのタイミングを前半から中盤に掛けてワザと作っておいてあげたのに、敵さん達は何にも仕掛けて来てくれない。


 シュネーに仕掛けを動かす合図。ムーンちゃんとサクラちゃんには敵国の策だと思わせる為の仕掛け人達と、実際の敵さん達に混じって動かしてもらう。


 中盤までステージの上で周りでは敵国の人達を密かに探して貰っていた。


 演出で釘付けになっているし、魔法を大きく見せて妖精達やテイマーさん達に協力してもらい、敵さん達の位置は全体で把握済みだ。


 これからラストに向けて盛り上がりを見せていく所ではあるんだけど、最高に盛り上げた所でワザとステージの破壊をしてもらう。


 渓谷という地形も利用して、右端の一部分では落石を演出して敵兵による妨害と意識してもらえるように、仕掛け人達を待機させている。


 ムーンちゃん達と僕とシュネーでお互いの魔法を組み合わせて、氷の女神像や妖精達をイメージした光の蝶など飛び立たせ、空へと続く霧の川を作り出す。


 氷の粒に光が反射してキラキラと光る天の川の完成だ。

 このタイミングで僕達は視線でお互いに合図して、衝撃に少しだけ備える。


 踊りの振り付けと、シュネーの操るゴーレムに罠の発動で仕掛け人達が一斉に動き出す。敵さん達が集まっている位置から、誰が撃ったか分からないように注意を払いつつ、僕等が敵さん達の視線も他の市民達からも注目を集める。


 少しだけ派手目な演出で周りの注意を逸らせたら、後は作戦開始の合図をムーンちゃん達が送るだけ。次の瞬間にはステージを支えている四方の楔が凄い音を鳴らして落ちる。


 僕達の演奏も中断して、落ちていく支柱と鎖が崩れるのを見守る。


「近くで聞くと、かなり耳障りな音がするね」


〈ほらシュネー僕の近くに〉


 耳を塞ぎながらシュネーは僕の胸元に飛んできて。周りを観察するように鎖が落ちている方角を見ると、敵国の人達もあたふたと何が起きているのか分かっていない様子だ。


「何が起こった⁉」


 何人かの観客が敵さん達の方を指差して口々に――、

「あの人達がやりましたっ!」

「俺も見たぞ! 舞台を支えている楔や支柱を破壊しやがったんだ‼」


「おい、アイツ等ってたしかグランスコートの人達を目の敵にしてるヤツらじゃなかったか、大門の先から来てる大国のヤツらだよな‼」


 思った以上に観客たちが盛り上がってくれている。


 初めの何人かは僕等が用意しておいた仲間だけど、色々と良くない噂話を流していた事もあって、後は勝手な憶測や思い込みが混じりあって、速攻で犯人扱いされている、


「大丈夫か⁉ すぐに何とかするから耐えるんだぞ~」


「きゃ~⁉ 危ない、次の鎖が外れるわよ」


 僕等を助けようと動く人々や、悲鳴を上げながら安全な場所へと逃げる人。敵国の人達を逃がすまいと追い詰める者達なんかも居る。


 僕等の仲間は民の安全確保の為に避難誘導に徹してくれているようだ。








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