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ズィミウルギア  作者: 風月七泉
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【オンライン】382話:魅了とは敵も味方も虜にしてこそ⑨




 なんか最終的に僕やシュネー、それにスズメちゃん達はステージが崩れた事を前提に動くパフォーマンス練習を何とか体に叩き込んだ。


「ボクは常に浮いてる感じだから気にならないけど、やっぱり皆は不安定になるんだね」


〈姉さんのスパルタは何時もの事だけど、本番同様に足場を落としてくるとは思わなかったよ。風がない分だけ、まだマシだっていうのはちょっと理解出来たけどね〉


「兄ぃは歌う事で一杯一杯だろうから、私達全員でフォローに回らないとダメそうだね」

「一瞬でも落ちながらしっかり歌える胆力は凄いですね」

「私には無理?」


 空中での動きも取りずらいから、その辺はシュネーに頑張ってもらうしかない。

 ただ形にはなってきたので本番には何とか間に合いそうだ。


 シュネーと僕で足場の代わりになるモノを作り出すのだが、普通に渓谷同士を繋いだ橋にするだけでは芸がないので防御面も考えて花の蕾みたいにして、一気に花開く感じで足場を作り直そうと考えている。


 発動と足場の強度、それに花の様に柔らかく動かす感じはパニアと協力してシュネーが始動で動けば、何とか形に出来るようにはなってきた。


〈ごめんね、忙しい中で手伝ってもらって〉


「いヤ、自分ノ能力デこんな事ガ出来ルとハ、オモワナカッタ。感謝スルぞ」


「流石にボク一人だとスノー分くらいの足場しか生み出せないからね。助かったよ」


 パニアは何も言わなかったが、嬉しそうにしながらプルプルとタリスマンが動いている。


「後は本番に向けての微調整と、仕掛けの準備くらい?」


〈仕掛けの方はミカさんやボウガさん達を信じよう。エーコーさん達も色々と手助けしてくれるって言ってたしね〉


「そうそう、面倒な事は今は考えない。私達はステージを成功させる事だけを考える」


 姉さんが手を叩きながら、ステージにぴょんと飛び乗ってきた。


「今日の練習は此処までね。あんまり根を詰め過ぎても良くないでしょう」

「ふぅ~、すっげ~疲れた」


 ティフォは一通り歌い終えて、ボイストレーニングを終わらせると、その場ですぐに仰向けに倒れて大の字になって、大きく深呼吸を何度も繰り返している。


「感じは掴めたの?」

「最初の頃よりも衣装の能力は使えるようになったぜ」


「歌に合わせて、細かな動きを登録してモーションエフェクトでも能力を出せるように手直しはしておいたから、扱いやすくはなっている筈よ。元々の能力もあるから、テンションを上手く上げて、歌い方や声の出し方でも変わると思うわよ」


 少しでも負担を減らそうと、ケリアさんが衣装に細工を施してくれていた。


「本番の衣装だからね、大事に扱いなさいよ」


 一応はケリアさんから予備として、もう一着だけ衣装を貰っている。


「後はお互いの衣装で出した能力を組み合わせて出せるようにならないとね」


 今の所は僕を中心とした感じなら、其々と合わせ技的な感じで魔法を使えた。


 僕とで感覚を掴みながら、他の組み合わせでも使えるようになってくれれば、観客たちを魅了出来る良い演出が出来ると思う。



 後は本番まで、繰り返し練習して出来るようになっていけば良いだけだ。


 本番のテンション次第では、ぶっつけ本番になるかもしれないけど、ケリアさんが用意してくれたとっておきのモーションエフェクトで敵も味方も全員を感動させることが出来れば、僕等の頑張りも報われるだろう。








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