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ズィミウルギア  作者: 風月七泉
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【オンライン】380話:魅了とは敵も味方も虜にしてこそ⑦




 遅れて姉さんがトレーニングルームに入って来た。


「あらもう全員揃っているのね。関心関心」


「お邪魔してるわよシャープちゃん。本番の衣装は皆に渡しておいたから、使い方や効果の説明も終わってるから、後は実際に使って見てからのお楽しみって感じよ」


「丁度良い感じね。服の魔法に慣れてもらわないといけないから、其々で確認しながら通しで合わせていくわよ。シュネーちゃんとスノーに手伝ってもらうとして――」


 姉さんが説明をしながら、初めはゆっくりとしたテンポから始まって全体的な動きの確認をしながら通しでやっていく。


「流石に確認でやってる状態だと、服の効果は出ないのね」

「そりゃあテンションによって威力が変わるもの~、簡単には扱えないわよ」

「でもスノーは少しだけ出てたよね」


〈雪の結晶が周りに舞った程度だよ。本来なら弾けたり雪みたいに出来たり、ダイヤモンドダストみたいな現象も生み出せるみたいだよ〉


 後は皆で慣れるまで繰り返し合わせていくだけで良いと思っていたのだが、姉さんはどんな状況でも演奏できる様にする気らしい。


 音楽の熟練度を上げていけば、それに応じてある程度はゲームの方で動きのアシストで演奏できるようになるから、意識を少し他所に向ける事も出来る。


 もちろん、全力で集中すれば曲のクオリティだって上がるので、姉さんのスパルタな感じも無駄ではないし、むしろ色々と役に立つこともあるだろう。


「本番だと足場が不安定になるかもしれないでしょう。少なくとも妨害されるのは確実だと思って取り組まないとダメじゃない」


「いや、普通は妨害されたらそこで公演は中止になるでしょうが、何を無茶な事を言ってるんですかね」


 ティフォが慌てながら姉さんに抗議するが、鼻で笑われてしまう。


「こういうのはね、敵だろうと味方だろうと見てくれる人達の度肝を抜いてこそでしょう。もういっそのこと敵だった者も魅了する勢いでやらなくっちゃね」


〈そんな無茶な〉


「出来たら最高だけどね~。ボクらは素人なんだから厳しいと思うけど?」

「大丈夫よ。此処に居るのは私が選んだ子達なんだから、出来るわよ」


 まったく姉さんは本当に良く解らない所で自信満々なんだよな。


 ただ、全力で僕等の事をサポートしてくれて本気で言っているからか、何だかんだと乗せられてしまい、全力で挑むことになるのは姉さんが持ってる凄い所だと思う。


 何時の間にか全員が自主的に練習を始めたり、分からない所や相談する所の確認をしながら、何度も失敗してやり直し、お互いをフォローし合いながら自分達の曲に仕上げていく。意外と時間が経ってい驚いたけど、こういう時間もやっぱり楽しいものだ。


 仕上がっていくにつれて、姉さんが用意した本番に近いステージを用意してくれていた。


 場所はエーコーさんのツリーハウスから転移で飛べるようにしてもらった、サーカステント内部なので、練習には丁度良い場所になっている。


 姉さん達もサーカステントは持て余していたようで、アイドル達の練習やゲームを楽しむ為の拠点として使っているらしい。


 いったい何処にテントを張っているのか知りたかったが、今回は特例で使わせて貰っているだけだから、僕等はテントの外には出られない様になっている。


 実際に自由に使いたかったら、色々な場所を見て廻って見つけないといけないようだ。







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