表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ズィミウルギア  作者: 風月七泉
425/435

【オンライン】378話:魅了とは敵も味方も虜にしてこそ⑤




 休憩時間には念入りに体をほぐしながら、ストレッチを皆でやるのが最近の習慣になっている。軽く運動も出来るモノを使って適度な運動も欠かさずにやっている。と言うよりも、執事さんがニッコリと微笑みながら妙な迫力で断れる雰囲気じゃあないだけと言った方が良いかもしれない。


「なぁ翡翠、今回の作戦って戦いの事は全く話し合ってないけど良いのかよ?」

「今度は私達も居るから、しっかりとサポートするよ」


 メイドさんに軽く背中を押して貰って前屈しながら、一息ついてときにささっと書く。


〈別に戦闘はする気がないし、最後は負けるつもりだから問題ないかな。そもそも、僕等が戦うことは今回に限っては無いと思うな〉


「え、出番なし?」


 葉月ちゃんが不安そうに呟く。


「一緒に舞台に立つんだから出番はいっぱいあるよ」


「それよか翡翠、負けるつもりってのはどういうことだ?」


〈戦争なんてやった所で今のグランスコートじゃあ悪い事しか起きないよ。民は疲弊して不満が溜まるだろうし、無駄に僕等の土地が滅茶苦茶になるだけで良い事なんかないよ〉


「それでは、今回の戦いはいったい何の為にやるのよ?」


〈相手国に恩を売るだけ、僕等がやるのは向こうさんが動きやすい様に喧嘩を吹っ掛けてきたヤツを煽って、僕等の方へと誘き出すのが大前提。その後は大国の方で暗躍している人が勝手に動き出すと思うよ〉


「戦っても、勝てそうだと思ったけど? 気のせいじゃあないよね」


 桜花ちゃんが色々と考えた結果で勝てると感じているのは、まぁ間違いではないだろう。


 大陸の方でもごちゃごちゃと動き出して、トラブル続きになった時に便乗して僕等も総動員で攻め込めば相手の領地を奪いながら勝つことも出来るとは思う。


〈欲張った所で良い事なんかないよ。管理が大変になるし、グランスコートだって備蓄に余裕がある訳でもないんだ。下手に大国の都市を奪った所で枷になるんじゃないかな〉


 僕等が無駄に被害を被る事だってありえるのだから、ここは慎重なくらいで丁度良い。


「まだまだ出来立てのグランスコートじゃあ、難民を養える事は出来ても都市自体を養うのは無理って事ですか?」


〈ズナミの町で労働力として働いてもらう事も出来るから、それくらいなら何とかってレベルかな、あまりに多すぎるのも問題だけどね〉


「色々と難しい?」


「やることはが、まだまだ多いってこったな」


 しかも今回は大陸の方より先にファンダズマという繋がりが出来てしまった事もある。


 まだファンダズマとの交易だってしっかりと出来ていないのに、あっちこっちに手を広げてしまっては大火傷して僕等が危険な目にあってしまうだけでない。


 グランスコートも巻き込まれる可能性が高いのだ。


「最近はグランスコート自体の価値も高くなってきてるものね」


〈下手な事をしでかして、周りに攻める隙を与えてしまう事は避けたいからね〉


 モンスター達との協力体制がしっかりと出来ているのは、グランスコートだけ。そういう技術やら人材が周りに狙われる可能性もある。


 お互いに牽制し合いながら、お互いの大陸から更に奥地の情報をやり取りできる今の関係は、ある意味では理想的な形になってきている。


 これはしばらくは続けて行きたいところだ。


「その狙いは音姉や雷刀には伝えといて良いのか?」


〈うん、良いよ。伝えておかないと何を仕出かすか分からないからね〉


 特に姉さんにはしっかりと伝えないとだ。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ