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ズィミウルギア  作者: 風月七泉
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【オンライン】369話:勝ちを掴む為の一歩目




 意外と近くに知り合いがいてビックリした話は取り敢えず横に置くとして.

 今は目の前の事に集中しよう。


〈カミルさん。現状ってどうなっていますか?〉


 僕等がログインしていない間に、どんな感じになっているかが気になる。


 今の所は状況が激しく変わるという事態はなさそうだけど、念のために詳しく聞いておかないと後で取り返しがつかないって事態になりかねない。


 普通のゲームと違って、やり直しなんて出来ない事を常に意識していないとね。


「スノー様が仰っていた通りの展開となっています。その中でしっかりと懐柔出来そうな人達は取り込み、後の面々は皆様と話をした人物が厳重に監視しております」


 アンさんが資料を見せてくれる。


 毎回の事ながら、良く纏められていて読みやすく分かり易い。アンさんを勧誘して良かったよ、カミルさんだけだったら今頃どうなっていたか、想像したくない。


「スノー様? 今何か失礼な事を考えました?」


 もうほぼ断言した言い方だけど、笑顔で僕に殺気を飛ばすのは止めて頂きたい。

 必死に首を横に振って否定する。


「それなら良いんですけど。私だって色々と頑張ってたんですからね」


 アンさんが纏めてくれている資料にもカミルさんの頑張りが記載されている。警備隊への資金繰りに、人材育成費やしっかり下調べをした人の採用など一番面倒な部分を率先してやってくれている。


 バレない範囲で敵側に嘘や偽の情報を持ち帰らせているようだ。


 僕等が不利にならない、ちょっとした本当の情報も混ぜて信憑性を持たせることも忘れていないようだ。敵に渡った所で別に問題ない内容だと、他の全員がしっかり精査した内容だから、安心して欲しいという一言コメントも付け加えられている。


〈ありがとう。大体分かったよ〉


「先ずはラコスだよな。そっちの状況は?」

「そちらは私共よりも、詳しい方に聞いた方が宜しかと」

「呼ばれて来てやったぞ。息災のようでなにりだ」


 ふふんとエーコーさんが急に現れた。シア姉やミスユ団長達なんかもこの場所への転移は許しているので、あちら側に問題がなければ何時でも会議室に現れてくれるそうだ。


「ミカが居らぬからな、代わりに我が説明しにきたぞ」


 今日のミカさんは忙しいらしくログインが出来ないそうなので、代わりにミカさんと一緒に行動をしていたエーコーさんが来てくれたという訳だ。


「慎重に行動しておるから、結果としては進みは遅いが今の所は順調だぞ。我等に味方してくれるものが六割といったところかのう。流石に頭の固い連中や上位貴族共はまだまだ浸透しておらん。なにか切っ掛けがないと取り込むのは難しいといった感じのようだ」


 まぁ上位貴族の人達は僕等に味方するメリットなんて無いに等しいからなね、簡単には僕等の味方にはなってくれないだろう。


〈警備や騎士の方はどうですか?〉


「そっちは半々だのう。貴族同様に少し難航しておるよ」


 それでも貴族達よりも、民の声が届き易い分で何とか僕等の味方に引き込む事が出来ているらしい。

 露骨に僕等が関与していると思われない様に、民の方が噂話程度に伝わっていき、裏で操っている上層部に対しての疑いの眼差しを勝手に向ける様に、本当に細心の注意を払いながら行動をしているようだ。


「それならば、そろそろ次の段階も考えておかないと不味いでござるな」


「ラコスを乗っ取る形にはなるけれど、あそこを戦地にしたい訳じゃあないので、何とかラコスの内々で権力争い的な感じで終わらせないとだな」


 せっかくの土地が疲弊した状態になってしまう。そうなったら、またすぐに新たな大地に居る国家を攻めるなんて出来ず終わってしまうのだけは避けないといけない。


 反撃の隙を与えて守るだけになってしまったら、勝つのが難しくなりそうだからな。






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