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ズィミウルギア  作者: 風月七泉


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【オンライン】358話:視点:????【?????】



    ★☆★☆ 視点:????【?????】 ★☆★☆




「どうなっている⁉ 何故だ、なぜ……某の作戦は順調だったではないか!」


「分かりません。我々の動向が知られたとは思えないのですが……送り込んでいる者達が急に帰ってこなくなりまして」


 小太りな男が怒鳴り声を上げて、黒装飾の者達が頭を下げたなら説明している。


「ラコスはどうなっているのだ! あそこには発展しつつある町と友好関係を結び、秘密裏に内部から此方に引き込む手筈になっていたはずだ」


「それが……その、逆に向こう側に魅了されているようでして、我々からは下手な進言をしようものなら、民たちから批判が殺到するかと」


「馬鹿か、そんな事はどうでもよいではないか。あそこは捨てても別に問題ないだろう。どうせクズ共の寄せ集めなのだからな、不満など言ってるなら切り捨てたら良いじゃないか」


 ギリっと誰かが歯ぎしりをしたが、その音が小太りの男に聞こえる事はなかった。

 全員が頭を下げたままで、何も言わなくなってしまう。


「まったく使えぬ奴等だな。はやく次の手を打っておけよ」

「はっ、かしこまりました」


 偉そうな小太り男は大きな足音を立てながら出て行く。


「頭……その……」

「下手な事を言うなよ。此処では何処に耳や目がついているか分からんからな」

「しかし、このままでは……それに、ラコスの重要性を理解していない様子ですよ」

「あそこが崩されてしまえば、完璧だった守りが一気に崩れ落ちたも同然ではないですか」


「それにラコスの鬼達には我等との蟠りもあります。これ以上の不満が溜まればすぐにでも暴徒化して、こちらに牙をむく可能性だってあるんですよ」


「やはり若様には荷が勝ち過ぎているんですよ」

「声を落とせお主達まで失ったら、今後の事にだって差し支えるんだぞ」

「今後、ですか?」

「後で話す。こんな場所で話す内容ではないからな」


「本来ならば奥方様や旦那様が居られれば、こんな事にはならなかったはずなのに。どうしてこうなってしまったのだ」


「しょうがないですよ。大事な一人娘が居なくなっちゃって大慌てなんですから」

「そのせいで奥方様の義母である派閥の者達が好き勝手に動けてしまってますからね」


 何とか今を耐え忍ぶしか手段が無いといっても、大切なお嬢様の命が掛かっていて下手な行動は下手したらお嬢様の命だって奪われてしまうかもしれない。


 手掛かりは一つとして無い状態では、我等は従うほかないのだ。


「早くお嬢様の足取りを追えれば、あんな奴等に従う事などしなくて良いのに」

「無事でいてくれることを願うばかりだな」






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