【オンライン】333話:繋がる道と町の状況③
ウサギさん達の水路作りは、見ていて癒される。
別の場所で作業している、極一部のウサギ達とは大違いだ。何処をどう間違えて、あんな逞しくウサギとしての可愛らしさを捨ててしまったのか、他のプレイヤー達からも兎のアニキとかアネキ達なんて呼ばれている子達が居る。
僕等と同じく最初の開拓当初から居たウサギさん達だ。
「ボクの操るゴーレムよりも、猛スピードで水路が出来てるんだけど。うさちゃん達ってあんなんだったっけ? なに、あのクワ捌き? というより、もう重機で掘ってるレベルだよ」
見た目による可愛らしさは増している、モフモフした感じはあるしちょいちょいの仕草なんかは、物凄く和むのにやってる事は重機作業を農具一本でやってのけている。
「現実であんな使い方したら、ぶっ壊れるけどな。止め金辺りがすぐに吹っ飛びそう」
「その辺は鍛冶屋の大将が改良したそうでござるよ」
何処をどう改造すれば、あんな頑丈になるんだろう。
「あぁスノー姫よ。アレは魔晶石といったモノを使った鉄の代わりなんだな。現実には無いから、逆利用は無理だと思った方が良いでござる」
なんだ、そうなのか……残念だな。
「インベントリ含めて現実でも利用出来れば便利なのにね~」
「ば~か、そんなもんがあってみろ。きっと規制やら使用条件なんかを課せられて、使える人間は軒並みに監視対象か、国に利用されるだけだろう。ゲームの中だから良いんだよ」
〈便利すぎるもんね~。犯罪も多発しそうで確かに怖いかも〉
パッと見でみれば、何にも持ってない様に見えるんだもんな。
この世界の人達はどうやって防犯をしてるんだろう。
お店だって増えて来たんだから、その辺もちょっと探ってみるか、もしも対策されていなかったら、盗み放題で悪質なプレイヤー達に困らされてしまう。
「ケリアさんのお店は大丈夫なのかな?」
「あぁ、こっちだと基本は商品を展示出来ないって言ってたな」
〈どういうこと?〉
「つまり、カウンターだけあって、後は口頭のみでやり取りをするんだな。試着室で着替えてもらって、しっかりと合うかの調整をする感じでなんだな」
「商品は? そういうたぐいも置けないんでしょう」
確かに、相手が勝手に障れるようにはしていないはずだ。
「そういうモノはガラスケースみたいなモノに覆った場所に入れておくのでござる。お客さんが欲しいと言った商品を出して、一度確認して貰ってから売るそうなんだな」
色々と手間は掛かるけど、確かにそれなら盗まれる心配はなさそうだ。
〈なんか良い感じの防犯が欲しい所ではあるね〉
前に現実の方で行ったケリアさんのお店みたいに、やっぱり現物を飾ってあるのは見応えがあるし、手に触って布の感じをしっかりと確認出来るっていうのはメリットもある。
「う~ん、確かにお店としては、何と言うか殺風景過ぎてショッピングを楽しむ事は、あんまり出来そうにはないんだな」
「お店権限の設定とかでさ、防犯系のモノは実装されてないの?」
「ない。というよりも、運営からしたらそういう所も各自で工夫してくれって、何かで書いてあったな。憶測でしかないけど、何かしらの条件を揃えれば、防犯効果のある結界って作れるとは思うんだけど、現状はどの店もケース置きっぽいんだよな」
〈もうちょっとケリアさんに恩返しをしたい、何か出来ないか探ってみようか。それに僕等の町にとっても悪い話じゃあなさそうだしね〉
商売関係のプレイヤーさんも多く居る事から、絶対に必要な事でもある。




