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ズィミウルギア  作者: 風月七泉


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【オンライン】234話:恋のライバル認定(12)




 訓練所は大きなドーム状の建物で、扇状に広がった形をしている。


 まだ解放されていない個室が多く存在するが、属性別に分かれた部屋にパラメーター毎に鍛える訓練室が設けられている。


 エーコーさんのツリーハウスみたいになっている、室内は特殊なフィールドみたいに、だだっ広い空間が設けられていて、そこにどういう機材を設置するかで変わってくる。


 モンスター専用のスポーツジムと言えば、少しは分かり易いだろう。


 種族や属性に合ったトレーニングをすれば、能力が鍛えやすく上限も上がっていく仕様の様である。スパイクちゃんには砂場だったり、木々を使ったトレーニングなんかの土属性を宿した機材があれば、能力が成長しやすいという事になる。


 もちろん森でも同じトレーニングは出来るが、木々を切ってしまったら再生には時間が掛かる。

 しかし、この訓練所内で作られた森のフィールドならいくら切ってもすぐに再生されたり、トレーニングに使った丸太は一日で補充される仕組みになっている。


「ふぅ、とりあえずコレでスパイクちゃんに関するトレーニングは一通り揃ったかしらね」


「あぁ十分すぎる程に揃ったと思うよ。でも、見事に土属性に偏ったね」


「だって、まだスパイクちゃんくらいしか使わなそうだし。ティーちゃんに喜んで貰おうと思って、準備できるのはコレが精一杯だったのよ」


〈鬼さん達は火と土属性が多いから、問題はないんじゃない?〉


「基礎トレーニングの機材は揃ってる訳だしね」


 ランニングマシンに錘を引っ張って上げるモノまで、軟球から硬球を飛ばす機械もある。

 耐久から避けの強化に使える。


「鬼の皆さんが使うと、唯のスポーツジムにしか見えませんね」

「そして、何故か人気のサウナまであるしね」


 お風呂は自分で沸かさないと入れないが、水浴び場とセットで特典アイテムとして貰えたらしい。水場のすぐ近くに設置して、使い方を説明したらズミナがもう入り浸っている。


 近場で手伝ってくれていた鬼達も、気持ちよさそうに入っているズミナに続いて、今では時間を設けての順番待ちが発生している。


 パッと見のパラメーター表記には記載されていないが、忍耐力というのが上昇するらしい。フー先輩が設置する時に説明文を読んでいて気付いた。


 耐久にも上げ方次第では、そのモンスターには違いが出るらしい。精神系やら肉体系の状態異常のレジスト効果上昇なんかはサウナや瞑想が効果的という感じなのかもしれない。


〈色々と幅が広がったね、スパイクちゃんをどんな感じに育てるの?〉


「それは追々のお楽しみだな。スパイクの性格だって考慮してやらないとな」


 もったいぶっているけど、きっとそこまで深くは考えて無かったんだろうな。


「ティフォっちの事だから、甘やかしで育てそうなんだけど」


 僕もシュネーと同じ考えだ。


「そうですね、昔にあった育成系のゲームで大事に育て過ぎて私にすら負けてましたから」

「そういうお前は、厳しく育て過ぎだ。傍て見ていたがアレは痛々しかった」


 スズメちゃんは育成している最中に「まだ貴方なら出来る」と何度も言って無理をさせていたからね。逆らうと軟弱な精神を鍛え直すと更に厳しくなっていった。


 まぁ、昔のゲームで確率の話もあったから強いモンスターを作るなら間違いじゃあないんだけど、アレは実際では出来ない芸当だろう。


 リアルなこの世界では尚更にね。


「可愛がるだけじゃ、強くは育たない?」

「飴と鞭は適度に使って行かないとね。って、お母様も言ってたしね」


 ねぇ、双子ちゃん達のお母さんっていったいどんな人なのさ。


「君らのお母様とやらには、極力会いたくないんだけど」


 シュネーの呟きに自然と頷きそうになってしまうが、何とか堪える。


「え~、お母様は会いたがってたわよ」

「お母さん、可愛いの大好きだから……ね?」


 ムーンちゃん、なんでこっちを見ながら少し間を持たせて微笑んだのかな。

 その間には何が入っていたのか、僕にきちんと教えて欲しい。





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