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ズィミウルギア  作者: 風月七泉


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【オンライン】194話:改めてみる始まりの場所は




「それよりさ、初心者装備じゃあないの?」


 確かに、初めてプレイするには装備が揃っている気がする。


「限定版の得点でちょっとだけ装備が弄れるんだよ。お値段は高めだけど、初期装備でも次の街までは使えるっていう装備なんだ」


「頑張って揃えたの、ブイ?」


 ムーンちゃんが少しだけ目を細めて笑う。普段から大勢の前だと表情変化があんまりないから、貴重な笑顔を見た気がする。


「第一陣の人達にも何かしらの特典があるはずだよ。多分、あと数日もすればメールが届くんじゃあないかな。流石に何がプレゼントされるかっていうのは知らないけどね」


 流石は開発者の娘だね。こういう情報はいち早く知れるんだろうな。


〈どうする、中央都市の街並みを見て歩く?〉


「うん、案内してね。スノー先輩」


 スズメちゃんは男だった頃に見せたノリで、僕の腕に絡みついて手は恋人繋ぎみたいにがっしりと握られてしまう。こうなると、もう逃げられないし、誰が邪魔しようとしても離れないのだ。


「今は我慢の時……むぅ~」


「はぁ~、やっぱり細工すべきだったんだよ。運で勝負してスズメに勝てるが気しない」


〈何の話?〉


「なんでもな~い、スノー先輩は気にしなくって大丈夫だよ」


 双子ちゃん達の反応が気になって聞いてみたが、スズメがすぐに二人から引き離し、さっさと動き始めてしまう。


「スノー先輩は何処を見て回ったの?」


〈あ~、あの時はケリアさんに連れられて喫茶店みたいな所に入ったんですよね〉


「えぇそうよ。あそこがこの辺じゃあ一番に美味しいお店なのよ。女の子達にも人気だし、変な男からはすぐに逃げられるし、マスターが強いし男前でね~、色々と助けてくれるのよ」


 そう言えば、変な人達に絡まれないようにって助けてくれる為に連れて来られたんだった。

 ゲーム内じゃあティフォも女の子と対して変わらないしね。


「そこで黙って俺を見るなよ。何を思ってるか想像出来ちまうだろう。思わず殴りたくなる」


 にこやかな顔で殺気を飛ばしてきた。

 こめかみ辺りをヒクヒクとさせて怒りマークが浮かんで見える様だ。


 改めて街並みをゆっくり見て回ると、色々なお店があるんだなと思う。


 お花屋さんに川辺にある桟橋近くでは釣り具屋があったり、木工の工場や製鉄所、鍛冶屋に防具&武器屋。点々と大通りを歩いているだけでも、道案内の看板が沢山出ていた。


「さっきから見ている看板は、実はダイチ殿とボウガ殿の二人が作ったモノなんだな」

「はっ⁉ マジでか!」


 ティフォが大きな口を開けて驚く。


「前に来た時には無かったでしょ。ダイチさんがね、初めて来た人達にも分かりやすくすれば、売上だって変わるって言いだしてね、作っちゃったのよ」


 こういった事はダイチお爺ちゃんの得意分野でもあるし、納得だ。


「それでグランスコートに移住者が集まりだしたの? 凄いねお爺ちゃん達ってば」


 シュネーは感心しながら看板に近付いて、全体を観察しながら一つ一つを見ながら進む。


 分かりやすいように絵で釣りだったり、武器だったり、木工はノコギリだったりと遊び心のある看板が並んでいる。


〈前来た時よりも活気がある様に見えるのは、ダイチお爺ちゃん達の御蔭ってこと?〉


「グランスコートに人が増えて村に発展したっていうのもあるわよ。物流がしっかりと動き出したって事かしらね」


「今までは、偏りがあったんだな。ヴォルマインの武器・防具。ジャンシーズの料理系からアクセ。フォレストヒルの錬金アイテムくらいしかなくて、プレイヤーが扱う商品しか出回ってなかったんだな」


「そこに、スノー先輩が始めたグランスコートからの支援が始まって、村人達にも活気が出てきたって事なんだね」


〈凄いのはダイチお爺ちゃんやボウガさん達なんだけどね〉


 きっと、出店を出している人達も色々と手伝ったりしたんじゃあないかな。


 あの人達も色んな場所で露店をしてたみたいだし、中央都市の情報量は誰よりも持っていそうだからね。





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