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ズィミウルギア  作者: 風月七泉


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【オンライン】192話:着物とインした三人組。




「ケリアさん、興奮するのは分かりますが自重をお願いしたい」


「ごめんなさいね~。もうあの反物を見たら居ても立っても居られなくって」


 ただの観光が、布地を探す散策になってしまった。

 売っている場所は全部見て回って、染物屋まで発見する事になってしまった。

 川辺にポツンと一軒だけお屋敷が建っていて、そこ一件だけが染物屋だった。


 ケリアさんが興味深そうに色々と見て回るモノだから、染物屋と反物を売っているお店のクエストだけは全体的に終わった気がする。


 発生したクエストの殆どが、お使いクエストだったから特に難しいモノではなかった。


 此処へ来る前に街周りを歩いていた時に、ケリアさんは花や草を集めていた事もあって、必要アイテムは全部揃っていた。


〈染物のスキルが手に入ってよかったね〉


「えぇ、本当にありがとうね! グランスコートの川辺にも染物屋を作っちゃいましょうよ。いいえ、作るべきよ⁉ ね、良い案でしょう」


〈そ、そうだね。もしかしたら、クエストをクリアーしたから、染物屋に必要なモノをカミルさんから購入できるようになってるかもしれないしね〉


 ケリアさんのランランと輝く目で見つめられた。

 体の大きさと体格の良さも相まって圧が凄すぎて頷くほかなかった。


 まぁ、ケリアさんには普段から助けてもらっているから建ててあげても良いのだけれど、しばらく籠って出て来てくれなくなりそうだな。


 それはそれで、ちょっと寂しいくなる。


「絶対に気に入った色合いが出るまで籠るんだな」

「そ、そんなことないわよ」


 目は明後日の方向を見ながら、言葉さえもどもってしまっている。


 綺麗な浴衣はニンフィも気に入ったみたいで、ケリアさんが購入した布に包まろうとする。質感が好きなのか、落ち着くのかは分からないけれど、とにかく包まっている姿は可愛らしかった。子猫が顔だけ出している感じで皆で和んでいた。



《スズメさんから、貴方にダイレクトメールが届いています》



 メニューがピコピコと黄色い光が点滅していると思って触れてみた。

 小さめのシステム音が聞こえてきた。


「どうしたのスノー? 急に止まってメニュー何か開いて」


〈スズメって人からダイレクトメールが届いた〉


「あぁ、多分だけど妹じゃないか? そんな感じの名前にするとか言ってたし」


 ということは小鳥ちゃんか。メールを開こうとする前に同時に二通が届く。


 サクラとムーンって事は、桜花ちゃんと葉月ちゃんだね。


〈三人とも始まりの広場に来たみたいだよ〉


「あらあら、新しいお友達ね~。早く会いに行ってあげましょうよ」


「こと……ティフォ妃の妹殿とご対面でござるか……はぁ、平穏が遠のいていくんだな」


 ガウが黄昏る様に広葉樹を見つめながら、しみじみと言う。


 何と言うか、ガウは本当にリアルだと女の子に良い思い出が無い様で、不憫だね。


「お帰りですか? ……城前の祠には行っていないんですね。それでは此方をお持ちください。この街に飛んで来れるようになりますので」


 最初に会ったお侍さんが、転移クリスタルを人数分差し出してくれた。

 桜色で赤い鬼の印がクリスタルの中に閉じ込められている。


〈ありがとうございます〉


「いえいえ、出来れば、貴方の村と交易が結べればと思いますので」


〈僕等の場所って言うよりも、中央都市やそこから広がる別の大きな街が目当てですか?〉


 にこやかに話すお侍さんの細目が、少しだけ開かれた。左右で色の違うオッドアイで見つめられ、僕の顔を焼き付ける様に見られる。


「ふっ、そんな事はありませんよ。確かに他の場所への交易も狙ってはいますがね」


 警戒態勢を引き上げられたのか、僕等への興味が上がったのか。

 それは、この人の表情からは全く読むことが出来ない。


 ただ、良い意味でも悪い意味でも僕等への関心は上がったんだと思う。


 腹黒い感じの笑みではあるけど、少しだけ本当の笑みも見えた気がした。





誤字脱字のご報告、ありがとうございます。本当に助かっております_(._.)_

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