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ズィミウルギア  作者: 風月七泉


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【オンライン】166話:イベント騒ぎは大騒ぎ




「上手くいくと良いね」


〈モグラにウサギさん達、それにアリやその他の昆虫系の魔物が居るんだから、失敗はしないんじゃないかな。結構早く掘り進んでいってるみたいだしね〉


 掘っていく過程で出た土は昆虫系の魔物達がせっせと運んで外に出している。

 ウサギさんはモグラが掘った穴を自分達が通れる最低限の大きさに広げ、崩れない様にしっかりと固めて、簡単な柱も作り安全を確保している。


 もう随分と手際が良くなっている事が分かる。


 数分くらいすると、モグラが顔を出して人間みたいに指を立てて準備は整ったという合図を自分の主人へと送っている。モグラの飼い主さんがすぐ全員に向けてメッセージを発信していく『いつでも作戦を開始できますよ』というチャットが送られてくる。


 送った相手から全員が『OK』と返信していく。


 敵陣の家下からアリさんが食い破る様にして穴を繋ぎ、敵陣内の家にミカさんが作った錬金アイテムをウサギさん達が放り投げていく。


〈皆さんは敵陣の破壊に専念してください。ボスを倒そうとしなくても良いので、この拠点を完全に使えない状態にする事が一番大事ですから〉


 アライアンスで組んでいるパーティーの人達に最終確認のついでに伝達する。


『皆でボスを狙わずに、敵陣の完全破壊を遂行せよと?』

『それじゃあボスが来たらどうするんです?』


〈その時は逃げて構いません。命を大事に戦ってください〉


『それじゃあ雑魚共の掃除は任せとけ』

『引き付け役は此方でやろう。かなり騒がしくマラソンをすると思うから巻き込まれないように注意してくれよ諸君』


 小鬼達を引き受けてくれるのは、すごく助かる。


〈ボスはなるべく僕達のグループが引き受けますから、他はよろしくお願いします〉


 他のパーティーから了承した感じの返答が沢山届いた。


「後1分くらいで全部起爆するからね。しっかりと準備しときなさいよ」


 ミカさんが打ち込んだ文字は何だか太字の字体だった。


「最初の一発はもう爆発したみたいだけど?」


 アズミルが指さした先は小さい小屋だった。


「う~ん、同じ魔力量を入れたんだけどな」

「まぁ試作品だもの、分かっていない事だってあるんじゃないかしら」

「発動する場所や、誰が使ったかも計算に入れとかないとダメっぽいんだな」


 ミカさんが計算していた時間よりも早く次々と錬金アイテムが起爆していく。


 ほったて小屋の雑な建物ははじけ飛ぶように水圧に負けて、一気に倒壊する。


〈一々壊す手間が省けるね〉

「魔力量に応じてっていうのは、水の量なんじゃないかな?」


 各所に会った小さめの小屋は次々に水が噴き出して、悲惨な状態になっていく。


〈ちょっと作戦をミスったかな……足場の事を考えてなかったよ〉

「泥だらけだね」


 それだけだったらマシだったのだけれど。

 どうやら僕等の予想以上に水が膨れ上がっていく勢いが強いらしい。


『なぁ、コレってどうやって突っ込めば良いんだ?』

『いや、あの敵陣の中に入って行ったら私達が溺れるわよ』


 敵陣の塀が石壁でキッチリと組まれ、作りがしっかりし過ぎているせいで水の逃げ場が無くなってしまい、敵陣内は貯水池みたいに水が溜まっていく。


 作戦を行ったテイマーチームの被害は今の所ないみたいだ。


〈モグラさん達やウサギさん達は無事ですか?〉


『あぁ……いま必死に穴を塞いで出てきたところだ、誰も取り残されちゃいない』


〈万が一という事を考えて、先に避難しておいた方が良いかもしれません〉


『そうね……そうさせてもらうわね』


 工作員チームの人達は震えた声でそそくさと、その場所を離れて行く。


 防壁の作りが弱い部分があったのか、ちょろちょろと水が漏れだしている部分が出てきた。それに伴って、鬼達のパニック状態になっている呻き声が悲鳴の様に聞こえてきた。



〈ミカさん、何てモノを造ったんですか〉


「きっと魔力を込め過ぎたんだな」


「とにかく、作戦を見直さないとまずいんじゃないのか?」


「ある意味、ヴォルマインの人達の御蔭で相手の戦力をかなり削れたって事かしらね」





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