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ズィミウルギア  作者: 風月七泉
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【オンライン】158話:イベント騒ぎは大騒ぎ



    ♦♢♦♢視点【ティフォナス(樹一)】♦♢♦♢




「なぁ、アレは何を始めたんだ?」

「ボクに聞かないでくれない」


 グランスコートの自陣から離れた草原地帯。アクティブモンスターが湧かない場所でブツブツと呟きながら地面に線を引いている。


 ケリアさんから借りた紐を取り出して、パニアに細い柱を四ケ所に生やして四角い囲いを作って見たりしては、小首を傾げてまたブツブツと何か言っている。


 次にアズミルから借りたテントを中央に張っては終い紐を解いてみたり、壁を作ってみたり壊したりしながら、メニュー欄を何度も見返している。


〈少し分かったかも……〉


 ゆっくり歩きながら戻って来た。


「何やってたの?」

「俺も聞きたいぞ」

〈簡単だよ、陣地構成の仕組みを見てたの〉


 それで壁を作って見たり、紐を張って見たりしたわけか。

 仮設テントも借りて一つ一つ確かめていた訳だな。


「なにか攻めの糸口は掴めたの?」

〈もしかしたら何とかなるかも?〉

「はっ、マジかよ」


〈うん、絶対じゃないけどね。向こうの陣地がどういう感じかによる〉

「何が知りたいんだ?」


 頼むとしたらアズミルとガウを向かわせて、相手陣地の偵察だけどな。


〈敵陣地内の建物だね。壁は壊した所であんまり意味がなさそう〉


 何度も壁を壊したり立てたりしてたのは、陣地に影響があるかの確認だろう。


 防壁よりも建設物を狙い撃ちしていった方が良いという事なんだろうか? テントを立てながらも色々な事を試していたみたいだけど。


「それじゃあ建物を壊すの?」

〈ん~、それも正確じゃあなさそうだよ〉

「どういうことだ?」


 てっきり施設破壊を目的にするんだとおもってたんだけどな。


〈建物を再起不能にすれば陣地判定が消えるっぽいんだよね〉

「ねぇ、借りたテントに何をしたの?」


 シュネーが少し引き気味でスノーに聞く。


〈水で満たしてみた〉


 ちょっと前に起きた事を参考にして使えないかを試した訳かよ。

 しかもそれを平然と「当たり前な事を」みたいな顔で言わないで欲しいよ、ちょっと怖い。


「施設を何らかの方法で一時的だろうと使えなくしちゃえば、敵陣地の効力を奪えるって事だよな?」


〈そうだね、確かに相手の施設を破壊できれば一番良いんだろうけどね。戦闘中にそれは無理だし無謀でしょう。でも、一時的に使えない状態にするだけなら、ミカさんがくれたアイテム一つ、もしくは、それに類する効果のアイテムを使えば良いだけ〉


 確かにそれなら、攻め込んだ時に数人が敵本陣に侵入できれば良いだけだ。

 不利な状況を消す手立てが分かれば、作戦も立てやすくなるな。


〈とりあえず、戻ろうか〉

「あれ、あの仮設テントは良いの?」


 借りてきたはずのテントをそのままに、壁で囲った状態で戻って来てしまっている。


〈うんアレはあそこに放置で大丈夫だよ。借りたというより、捨てる予定のモノを貰った感じだし、あのテントには近づかない方が良いよ〉


「アレに何をしてきたんだ?」


 イヤな予感しかしないんだけど。


〈小っちゃいゴーレムを置いて来ただけだよ。ただ、人が来たら起動するだけ〉

「それはトラップって言うんじゃないか?」

〈上手く動作したら儲けもんだね〉


 すっごく良い笑顔をして、クスクスと小さく笑ってホームへと咲に歩いて行ってしまう。


 俺達もすぐに後に続く。


「こっちの方角ってさ、ジャンシーズの人達が攻めて来るかもしれない方だよね?」


 俺もだが、シュネーがチラチラとテントの方を何度も見ている。



「あぁそうだ。攻めてくるとしたら、あのテントは絶対に目につくな」



 悪戯を仕掛け、それが上手く行くの想像を楽しんでいる様子だ。






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