表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ズィミウルギア  作者: 風月七泉
117/435

【オン94】イベント騒ぎは大騒ぎ




 木の陰に隠れてシュネーと一緒に周りのモンスターに警戒するのが、今のお役目。


「ティフォ嬢! 連携位置がちょっと遠いんだな。そこだとチェインする時やリンク時に一番に狙われやすいんだな。テイマーは中央よりに戦闘なら、前に入れる位置で、サポートならヒーラーやアーチャー寄りの立ち位置に居ないと前衛がフォロー出来ないんだな」


「了解っ!」


「スパイクちゃんの指示を出しながら、タイミングを見計らってワザを使わせてね」


 ガウは両手に盾を装備し、前衛で飛び回りながら良く支持が出せるものだと感心する。


 まともな戦闘は初めて見る。

 

 前に戦った時はただ弱った一体を囲っただけで、後はケリアさんが殆ど倒してしまったからね。良く解らない内に終わった感じだった。


 ダイチ爺ちゃんが群れから外れた魔物を弓矢で敵を引き付け、ガウがすぐに挑発してターゲットを自身へ向ける。ダメージはケリアさんとスパイクが稼ぐ。


 というか、よくあの動き回る盾役に合わせて攻撃が出来るな。ティフォはまだ苦労しているようだけど、ダイチ爺ちゃんとケリアさんは難なく合わせて攻撃している。


 スパイクはピッタリとくっ付いて攻撃してるから分かるんだけど、ダイチ爺ちゃんってゲーム自体初めてで能力だってオレ達と変わらないはずなのに、しっかりと矢を魔物に命中させていく。


 ――いいなぁ~、ちょっと羨ましい。


 戦っている姿はカッコ良くって、あの中に混じりたいと思うけど、オレがあの中に入ってしまうと足手纏いにしかならない。


 ニンフィに乗っている事もあって、モグラの魔物から攻撃を受ける事はないけどね。


 オレの仕事は安全圏に居て、周りの状況を報告するくらいしか今は出来ない。


『そのモンスターで最後だよ』


「後は走り抜けちゃえば、セーフティーエリアまで行けそう」


 先行して注意しながら先まで見てきたシュネーが戻ってきた。


『何で頭の上で休むのさ』

「ここは僕の定位置だからね~」


 モグラを倒し終えて、スッキリした道を皆で駆け抜ける。


「いや~、やっぱりファーマーが居ると楽でござるな」


 ガウの言葉の意味が分からず、ニンフィの上で小首を傾げて後ろを向く。


 その様子が面白かったのかケリアさんとガウがクスクスと笑っている。


「本来なら倒したモンスターは【解体】をすることで、ドロップアイテムになるのでござるよ。丸々死骸を持って帰って解体屋に頼んだ方が良い報酬が出るだけど、普通なら容量の問題で小型モンスターでも五匹が限界なんだな。ファーマーはその制限が解除されるんだな」


 森に来た時の丸太みたいなものかな。


「倒したら自動的にファーマーのインベントリに入ってくれるからサクサク狩れるのよね」


「はぁはぁ~、元気だなみんな、付いて行くのがやっとだぜ」

「キキュ~」


 連戦で疲れた様子のティフォとスパイクを心配しながらも、敵が湧いて来ない内に駆け抜けるしかないから、立ち止まる事は許されない。



「ふぉふぉ、情けないの~。若いもんが」



「なんで爺ちゃんはケロッとしてんだ、チクショウ」



 ただ、ダイチ爺ちゃんは難なく走ってついて来ていた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ