表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ズィミウルギア  作者: 風月七泉
104/435

【オン81】イベント騒ぎは大騒ぎ




「あのイベントの雑誌に予定日が書かれていなかった理由は、こういう事なのね」


 オレが集落の権利を獲得したと同時にアナウンスが流れたのは言うまでもない。


 貰ったアイテムはキーアイテムとして貴重品らしい。

 

 特別なインベントリの欄に収納されているようだ。


 ふわもこモンスターは相変わらずオレが何処へ行こうとピッタリとくっ付いて離れない。


 ティフォを盾にしてクルクルと回ってみる。


 遊んでいると勘違いされて物凄く喜んで追っかけてくるのだ。


「もう名前を付けちまったらどうだ?」


 確かに名前が無いのは呼ぶときに困るかも。


 種族はロトス族で、性別は雌か。


『……じゃあニンフィで』


 少し考えてから名前を付けてあげると、物凄いピョンピョン飛び跳ねて喜んでいる。


 相当に体が柔らかい様で、ソフトボールの様に潰れては跳ね上がっている。


「ギリシャ神話から連想して付けたでござるか?」


「オスに追い回されない様にしなきゃね」


 確かに少し連想して名前を付けたけど、なんでそんなにオレをチラチラと見てくるんだ。


 ミカさんとガウがオレとニンフィを交互に見ながら呟いた様に言うから、ちょっと男達に追われる自分を想像してしまったじゃない。


 名前を付けられて更に嬉しそうに擦り寄られてしまう。


 もうしばらくは満足するまで、放置するしかなさそうだ。


『それってオレは入ってないよね?』


 そうオレが投げかけると、二人がサッと視線を逸らして目を合わせてくれなくなった。


 止めてよ、なんかガチっぽい感じを出さないでほしい。


「ティフォ、コレが名づけだよ」


 オレの頭の上にシュネーが陣取りながら、横目でティフォを見る。


「何が言いたい、なにが」

「別に~なにも~」


 ウサギさん達との場所取り勝負に勝ち、ティフォに撫でられてピーピー鳴いているスパイクが、シュネーに向かってシューっと息を噴き出して不満そうにしている。


「はいはい、邪魔はしないよ」


 シュネーがお手上げと両手を上げて、これ以上は何も言わないと言うと、また満足そうにピーピーと嬉しそうに鳴いて気持ちよさそうに目を瞑る。


 順番待ちをしているウサギさん達が心底恨めしそうに、それを見ているけどスパイクはワザと見せつけるように堂々としていた。


『イベントの情報ってすぐに出るのかな?』


 近くにいたミカさんに聞くと、考え込みながらも答えてくれる。


「来週って言ってたからね、明日には情報が出回ると思うけど」


「東西南北の第一集落がプレイヤーによって解放される事が条件って言うのは、少し気になる所だな」


「そうね、そこが引っかかる部分ではあるのよね~」


「やっぱ防衛戦って言うのが濃厚じゃない?」


「そうなると此処でのイベントは不利では? 開拓も始まったばかりで防壁も出来てないんだな」


 どっからでも入られてたい放題な状態だからね、守るにしても大変そうだ。


『ベースが集落とは限らないんじゃない?』


「なるほど、それもありそうね」


「イベント限定フィールドがあるって事かしらね」


「もう行くわね、本当はもっとお喋りしてたいんだけど、情報集めに駆け回らないといけなさそうだし」


 いつまで考えていても仕方ないと、パッと考える事を止めたミカさんが、颯爽と駆け出して中央都市へと向かって行く。


 それを皆で手を振って見送った。


『オレ達も何か準備しとく?』


「準備するにもなんもねぇし、いつも通りで良いんじゃないか?」



「イベントが始まったら楽しんで参加すれば良いんだな」



「じゃあとりあえず、鍛冶屋に顔出してみましょうよ」



「賛成~、どうなったか気になるしね~」



 シュネーに続いてケリアさんの案に皆が賛成と手を上げる。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ