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白雪姫とちびふわ

作者:桜瀬彩香


しんしんと雪が降ります。
この国は雪深く、その青さと白さは冴え冴えと美しいものでしたので、冬には寒さの厳しい土地であっても、国民はとても幸せでした。


そしてそんな国のお妃に生まれたのは、雪のように白い肌と血のように赤い唇、そして黒檀のような髪を持つ、それは美しいお姫様でした。
もし一つ悲劇があるとすれば、お姫様を生んだ後に、お妃様が体調を崩して亡くなってしまったことでしょう。

そして、もし一つ誇大広告があるとすれば、白雪姫と呼ばれるそのお姫様の唇は、素敵な薔薇色で血ほどの赤さではなく、肌も雪ほどには白くなかったことでしょうか。
さすがにその配色は若干魔物の様相を帯びてくるので、王様や乳母は困った噂に眉を顰めておりました。


「ところで、そろそろ新しいお妃を娶られては如何でしょう?」

ある日、大臣の一人がそんなことを言い出します。
すると、王様はさっと立ち上がると部屋から逃げようとしましたので、他の大臣達が部屋の扉を封鎖しました。
それは国の為にもとても大切なことでしたので、ここで逃す訳にはいかないのです。


「王様?」
「王様!」
「王様………」
「…………代替え案がないものだろうか」

見事なテーブルに突っ伏してそう呻いた王様に、大臣達や騎士達は、ああやっぱりと呟きます。
王様にはもう、お妃様選びをするだけの精神力が残っていなかったのでした。


「では、こうするのはどうでしょう?」


部屋の中にいた一人が、風変わりな提案をしました。
それはとても妙案に思えましたので、大臣達はふむふむと頷きます。
そして何よりも、王様は首がもげそうなくらいに何度も頷きました。


そうして、風変わりな新しいお妃様が決まったのです。
有り体に言えば、それはお妃ではありませんでした。


勿論、王様は後妻を取るべきだったのですが、王様は、連日後妻希望のご婦人方にぐいぐいやられ女性のあれこれには何かとうんざりしていたので、国内にあります魔術師の塔に相談をし、信頼の厚いその長を駐在扱いでお妃さまのお部屋に入れることにしたのでした。

そのような人物が内密にお城の中に居ると有事の際にも安心ですし、魔術師長は大好きな魔術書を読む為には何日も引き籠ることも多かったので、お城のお妃さまのお部屋に隠れて住むには何とも適任だったのです。


こうして国の偉い人達があれこれ密談をし、お妃さまのお部屋には魔術師長が暮らし、その事情を知らない者達を誤魔化さなければいけない時だけは、魔術を使って美しいお妃さまの姿に化けることで折り合いがつきました。

その部屋の中で仕事の指示や研究が出来るのでとお役目を受けた魔術師長ですが、女性に化けることには当初は難色を示しました。
とは言え、そこは交渉上手の王様です。
少ないお休みの日には男友達とわいわい飲み明かす穏やかな老後を手に入れる為に死力を尽くし、一年に三回の稀少な魔術書の購入を特別に許可したところ、魔術師長は思わず頷いてしまったのでした。


それから暫くの月日が経ちました。

あまり姿を見せずにいる後代わりの王妃は、その美貌から魔女だと言う噂がまことしやかに囁かれています。

しかしながら、時々お部屋からおかしな呪文を呟く声が聞こえてきたり、どかんと何かが爆発する音が聞こえてくるのでそれも仕方のないことでした。

そんな魔術師長ですが、一つだけ残念なところがありました。
新しい魔術術式に目がなく、自分の知らないものを誰かが知っているとなると、いてもたってもいられなくなってしまうのです。
わくわくし過ぎて暴走したり、あまり宜しくないものも購入してしまう悪い癖があったのです。


そしてそんな魔術師長の部屋には、不思議な魔法の鏡がありました。


実はこれは、怖い魔物が人間の心を掻き回して不安定にする為に作った意地の悪い魔術道具なのですが、困ったことに魔術師長は、鏡本来の使い方をしようとしません。

本来はこれは、他人の秘密を盗み見たりする為の悪い鏡なのです。
しかし魔術師長は特別で変わった鏡を手に入れた事でコレクター魂が満たされてしまい、ただ飾っておくだけで満足していました。


しかし、それでは鏡も困るのです。
げふんと咳をしただけでさっと観察記録をつけられる日々にはうんざりでしたので、言葉巧みに魔術師長を誘導し、一つの質問を引き出しました。


「鏡よ、鏡、………」



そうして、可憐で儚げな白雪姫は悪いお妃様の策略によって森に放逐されました。
一人の猟師がつけられ、その猟師には白雪姫に戦いを挑むようにという恐ろしい命令が下されていたのです。



「………という事なのですが、やりませんし、出来ません。僕はまだ死にたくないのです」
「うむ。私に戦いを挑むなど愚かにも程があります」
「という事で、勝てなかったということで帰ってもいいですか?」
「そうですね、滅ぼされたくなければ」
「ではそうしますね。………それと白雪姫、このままお城に帰られるのですか?そもそも、なんで魔術対決で勝たないとお城に入れないだなんて……」
「何を勘違いされたのか、お母様は私が凄腕の魔術師だと誤解されているのです。何とかして私から魔術式を引き出そうとして必死なのですが、そもそも全く使えないのでした」

この国の人々は、少なからず魔術を使うことが出来ます。
人ならざる者達程ではありませんが、生活に必要なくらいのものは必ず保有しているのが常ですが、白雪姫は体の弱いお母さんがもうあまり魔術を体に残していなかったこともあり、驚く程にその才能がないのです。

洗濯にすら魔術を使う昨今、それをほとんど持たない白雪姫は、必然的に逞しくなるしかありませんでした。
何しろ、洗濯桶ですら魔術で運ぶことを前提とした重さなので、それを自分の力だけで引きずるのは大変なことなのです。


「…………あなたが魔術を使えないのは、ご存知ないのですか?」
「ご存知の筈なので、突然のこの展開は何だか謎めいていますよね。それともまさか、蟻ほどにも魔術を持たない私への、分かりにくい嫌がらせなのでしょうか?」

そうであれば、他者の心の傷を踏みにじってはいけないという心得を知ってもらう為に、くしゃりとやる必要があるので白雪姫は少しだけ考え込みました。
悪い人ではなさそうですが、この世には触れてはならないこともあるのです。


そんな白雪姫の様子がとても恐ろしかったので、猟師は凄惨な報復の場面を見たくないがあまり、適当な用事をでっち上げてそそくさと逃げてゆきました。



「…………むむぅ。薄情なお抱え猟師さんです。森の小人さんのお家の場所くらい、教えてくれてもいいものなのに」


白雪姫がそんなことを呟くのには、理由がありました。
実はお城の裏手に広がる古く深い森には、謎めいた小人達の住まう不思議な小屋があり、小人達はそこにとんでもない財宝を隠し持っているという噂があったのです。

白雪姫は、あまりにもお妃様が五月蝿いので、その小人達の小屋から略奪してきたお宝を何かあげてみて、お妃様を黙らせようと思っていたのでした。
きっと、珍しい魔術や術式を好むお妃様を夢中にさせるようなものが、小人の隠し持った財宝には一つくらいあるに違いありません。
今回のことが分かり難い嫌がらせだったとしても、その賄賂を贈れば上手く懐柔出来ると考えた白雪姫は、きりっと背筋を伸ばして素晴らしい自分の計画にほくそ笑みました。

それに、小人達の小屋の近くで美味しいご馳走の匂いがしたという噂もあり、素敵な料理人がいるのならば、是非にお城に勧誘しようとも考えていたのです。

「さて。探してみましょうか」

白雪姫は腰に手を当てて猟師が消えた方を眺め、軟弱者めと溜め息を吐きました。
そして、外套のフードを被ると勇ましく森の中に分け入ってゆくのでした。




「…………魔術を使わないではないか。やはり使えないのではないだろうか?」


一方で、そんな事を呟くのはお妃様こと、魔術師長です。
この魔術師長に、白雪姫がとんでもない魔術師であることを隠しているのだと吹き込んだのは、悪い魔法の鏡でした。
何しろ、何でも教えてやると唆したのに、この魔術師長は、自分の知らない魔術式の在り方を教えて欲しいという面白みのないことを尋ねたのです。
そこで魔法の鏡は、白雪姫を使い、この魔術師長を陥れてやろうと思っていました。
長年の経験からすると、追い詰められた魔術師というものはとんでもないことをします。
鏡が見たいのは、人間のそのような醜さでした。


「…………あの子はまだ少女だ。一人で森に行くなど、危なくはないか?」
「問題ないでしょう。その気になれば、あんな森一つ、片手間に滅ぼせますから」
「…………そうか。……そうだな。確かに無力なばかりの華奢な少女が、ドレス姿で森に乗り込みはしないか。……であれば、やはりどのような術式を使うのかを見てみたいものだ。もし、巻き添えになって命を落とすとしても、是非に見てみたい!」

そんな魔術師長の熱意は若干気持ち悪かったので、鏡はぴたりと黙り込み、本日の営業は終了しましたという体で眠ったふりをすることにします。
前に一度、魔術式の美しさを十五時間耐久で語られてとても辛かったのです。




「むぐ。…………確かにいい匂いがするお宅です。そして。小人さんのお家と言うよりは、普通の大きさのお屋敷ですね………」


一方その頃、白雪姫は、森の奥にある素晴らしい邸宅の前に到着していました。
くすんだ菫墨色の夜の結晶石で建てられ、白緑色の葉を茂らせる大きな木のある邸宅は、まるで貴族のお屋敷のようです。


とは言えこんな森の奥にこの規模の邸宅があるのは奇妙ですし、玄関の周囲には水仙や紫陽花が咲き誇り、他にも幾多もの季節外れの花々の姿に、確かな魔術の気配を感じます。
白雪姫は小人狩りの目的を忘れ、素敵なお宅拝見の心持ちで、中を見ようと門の前でぴょんぴょんしました。


「…………何の用だ」


その時、背後からうんざりしたような声がかけられました。

ぎくりとして振り返った白雪姫は、小さいどころか、普通に背の高い男性の出現に唖然とします。
おまけにその男性は、この森の奥では奇妙なことに、お城で見かけるような盛装姿をしていました。


「…………小人さん?」
「どう見ても小人じゃないだろ」
「となるとこちらは、お宅違いなのでしょうか」
「その勘違いで押しかけてくるのはお前が初めてじゃないが、いい加減にうんざりだな」
「…………小人さんのお家をご存知でしょうか?」
「近隣にその種族はいないな。どうしても会いたけりゃ、隣の大陸に行け」


にべもなくそう言い切られ、白雪姫は愕然とします。
どうやら、お城や買い食い目当てに抜け出していた街で聞いた噂は、根も葉もない作り話だったようです。


「……と言うことは、財宝を溜め込み、美味しいご飯を食べているのはこちらのお宅でしょうか?出来れば料理人さんを紹介して下さい」
「………色々と様子がおかしいが、料理人を紹介されてどうするつもりだ?」
「我が家に勧誘します」
「帰れ」
「………私の住んでいるところは、料理人さんがこってり好みでもういい加減うんざりなのです」
「知るか。………それと、よくもその格好でここまで来たな………」


目の前の男性は、滅多にお目にかからないように美しい男性でした。
その姿を見ていた白雪姫は、深い森の薄闇でも光を集める不思議な瞳に、ああこれは人間とは違う生き物なのだなと得心しました。


「あなたは、妖精さんですか?」
「俺の質問は無視か」
「妖精さんに祝福を貰ったブーツを履いていますし、ドレスでも熊くらいまでなら倒せます!淑女たるもの、そのくらい頑丈でなければ、あの苦行の極みたる舞踏会になど出られません。有り体に言えば、回避スキルとぶつかられても倒れない体幹が求められます」
「…………いや、熊は倒す必要があるのか?」
「うっかりドレスの裾を踏んで倒れ込んでくる時のお嬢さん達複数名な雪崩の打撃は、熊の一撃に匹敵すると騎士団長が話していましたよ?」
「…………だとしても、熊は基準にする必要がないな。それと、俺は妖精じゃない。羽がないだろうが」


そう言われて白雪姫はがっかりしました。
森で良き隣人とされるのは、せいぜいが妖精くらいで、その妖精ですらなかなかに厄介な生き物が多いのです。
となると、目の前の男性はとても厄介な生き物なのかもしれません。


「むぐるる」
「………人間はいつから唸って威嚇するようになったんだろうな」
「何者か知りませんが、悪さをしたらこの拳でくしゃりとやりますよ!少しばかり我が家に帰れない事情があるので、森で野営をする体力を補うべく、このきっとシチューに違いない香りのものをご馳走して下さい」
「何でだよ」
「さもなくば、王都で結婚相手探しに血眼になっているお嬢さん達に、こちらのお宅に羽振りの良さそうな綺麗な男性が住んでいるとばらします」
「ほお?そもそも俺は人間じゃないぞ」

どこか脅すように言われ、白雪姫は遠い目をしました。
どうやらこの人外者は、王都のおぞましさを知らない無垢な生き物であるようです。
哀れな奴めと微笑んでやると、男性は赤紫色の瞳をとても嫌そうに細めました。

「あなたは、きっと純粋な方なのですね」
「………は?魔物が?」
「ふむ、魔物さんでしたか。しかしながら王都のお嬢さん達は、もう同年代の女友達に自慢出来るなら、人外者でも何でもいいという境地に達しておられます。私のお知り合いの方は、世間体を守るべく飼い犬に魔法をかけて婚約者に仕立てていました」
「…………最悪だな。だが、お前はその手の嗜好の人間には見えないがな」
「あら、これでもいつかは、素敵な方を見つけてみせようぞとは思っておりますよ?しかしながら、まずはがっぽりお金を溜め込み、そのお金で素敵な料理人を雇い入れて、自分の為の心安らぐ環境を整えてからでしょうか」


会話をしながら、白雪姫は悩んでいました。
もし目の前の男性が優しい魔物であれば、料理人を引き抜いた後はぽいすればいいのですが、こちらを見る度に煌めく赤紫色の瞳の酷薄さに、何やら悪さを企んでいるぞと感じてならないのでした。


「…………そうだな。お前はなかなかに面白い。シチューくらいは分けてやってもいいぞ」
「シチュー様!」


辟易としていたこってりで見た目重視のお料理ではないご馳走の予感に喜び弾む白雪姫に、その魔物はとても悪い顔をしています。
それは舞踏会などでよく見る男性としての企みではなく、もっと残酷な違う種類の生き物としての冷酷さに見え、さっそくその素敵なお家に招いて貰いながら白雪姫はむむっと眉を顰めました。


「小人さん、その手の中の謎の杖めいたものは何でしょう?」
「小人じゃないと言っただろうが。それと、お前の方こそ無防備にも程がある。よくも迂闊にも魔物の領域まで入り込んだものだな。身に持つ守護が厄介だったが、…」

白雪姫が屋敷の門をくぐったところで、魔物はいつの間にか手に持っていた杖を鳴らし、とても邪悪な微笑み方をしたので、白雪姫は手に持っていたお守りをえいっと投げつけました。


その途端、きゅぽんと音がして目の前の魔物は、垂れ耳が愛くるしい真っ白な小動物になってしまいます。


「フキュフ?!」
「ふむ!素晴らしい効果ですね」

この生き物の外見は、白雪姫が理想の毛皮生物を考えて指定し、王族としてつけられた仲良しの守護者に作って貰った護衛魔術でした。
悪いやつにはこのお守りをぶつけると、みんな、ちびふわになってしまうのです。

ふさふさ尻尾は冬毛の狐をイメージしたちびふわ生物にされた魔物は、あまりの衝撃にふるふるとしていました。


「困った魔物さんですねぇ。これでも私はそれなりに過保護にされる環境で育てられたので、邪悪な便利道具を沢山持っているのです。か弱い人間は、そうやって武装しないとですからね!」
「フキュフ………」

すっかり騙されてしまった魔物はじっとりとした目を向けてきましたが、ちびふわは可愛いだけだったので、白雪姫は耳の後ろのいいところをたくさん撫でてやり、ちびふわがこてんと参ってしまうまで撫で回しました。

「ふむ。呆気なくくたくたになって無力化されましたね。…………さて、シチューを襲う時間です」


魔物をちびふわにして従えた白雪姫は、意気揚々とそのお宅を襲撃しました。
幸いにも美味しそうなお料理が出来上がっている厨房は発見したのですが、料理人や使用人の姿はありません。
逃げてしまったのだろうかとがっかりし、有り難く美味しいシチューをいただきました。


「………ふむ。しかしとてもいいお宅です。ちびふわになった魔物さんを仲間にし、このお家に住むのもありですね」
「フキュフ?!」
「あら、人間とはとても強欲なものなのですよ?ちびふわになってしまった魔物さんですが、素敵なケージを買って差し上げるのでどうか安心して下さいね。からからと回る車輪の玩具も欲しいですか?」

そう提案したのは心優しい白雪姫だからこそでしたが、ちびふわはけばけばになってふーっと威嚇していたので、ケージに入れるのは諦めることにします。

ちびふわはその後も元魔物らしく威嚇していましたが、白雪姫が手をわきわきさせると、撫でられるのは満更でもないらしくぽてぽてと寄ってきてしまい、すっかり懐いてしまいました。


そうして白雪姫は、そのお家の食料備蓄を容赦なく食い潰しながら、数日間は楽しく森のお屋敷で過ごしました。

何しろ最初の日の晩から辺りは酷い嵐になりましたので、賢い人間は無理に外を出歩こうとはしなかったのです。



「…………むぅ。増えましたね。もはや見分けがつかなくなりました」

そして困ったことに、その魔物は食事会の約束でもしていたのか、こちらのお宅には人ならざる者達の訪問が何度かありました。
嵐のせいでこの屋敷に缶詰状態な白雪姫は、か弱い人間の業とも言うべきか、彼らをちびふわにするしかありません。
万が一にも相手が良くない生き物だと嵐で分が悪いと踏み、先手必勝で全員を無力化してしまったのです。

勿論ちびふわにされた人外者達は荒ぶりましたが、耳の後ろや尻尾の付け根、そしてふわふわのお腹を撫でられて呆気なく陥落してしまいました。


「………七匹もいますね」
「フキュフ!」
「そちらのちびふわが最初の子であるのは分かるのですが、他の方は遭遇するなりちびふわにしてしまったので、正直誰が誰だか………」


若干大雑把な白雪姫にちびふわ達はフキュフキュ鳴いて抗議しましたが、所詮ちびふわなのでさしたる迫力はなく、可愛いだけでした。

(きっとみんな魔物さんなのだろうけれど、このご縁が掘り出し物になるような魔物さんは紛れていないのかしら………)


この国に住む魔物達は、司るものを持つ存在です。
その長命高位な存在のどれかには、一生ごろごろして暮らせるような素敵なものを司る魔物や、お料理を司り誰かをもてなしたくて堪らないような天才料理人的な魔物がいてもいいと思うのです。

そう考えるととても楽しい気分になったので、白雪姫はちびふわ達をたくさんなでなでして、へなへなにしておきました。



そんな風に過ごしていた数日後の嵐が去って森が晴れたその日、白雪姫には懐かしいお客が訪れました。

そろそろ森を出られるだろうかと扉を開けた白雪姫が見たのは、ちょうど門の前でお屋敷を見上げていたお妃様だったのです。
驚いた白雪姫は、慌てて外に出ると門を開いてあげました。

「まぁ、お母様!わざわざ迎えに来てくれたのですか?」
「…………ここは、魔物の館ではないだろうか?」
「はい。こちらの赤紫色の瞳のちびふわが、家主さんです。こちらの方については、明確に悪さをする様子が伺えましたので、守護の魔術を使ってちびふわにしてしまいました!」
「……………ちびふわ」
「はい。ちびちびしていて、ふわふわだからですね!」


お妃様こと魔術師長は、呆然としたままこくりと頷きました。
白雪姫の周りには、撫で回しで呆気なく信奉者化してしまった七匹のちびふわ達が、尻尾をぴしりと立ててこちらを威嚇しています。
どう見ても愛玩動物兼護衛になってしまっていますが、魔術師長は魔術師長であるが故に、この生き物たちが実はとんでもないものばかりだと察することが出来るのです。


「………やはり凄い魔術師なのだな」
「む?……私は何も出来ませんよ?お父様が、権力とお金に物を言わせて掻き集めてくれたお道具や、守護者なお友達さんがくれたお守り達が素晴らしいのです」
「……いや、隠さずとも君の魔術は…」
「使えません。子供の頃の適正検査で、蟻以下の数値を叩き出しましたし、その検査をして下さったのは、魔術師長ではありませんか」
「そ、そう言われてみれば…………」


勿論、白雪姫はお妃様が魔術師長であることを知っていました。
幼い頃からしっかりとしていた白雪姫には、王様も予め本当のことを伝えてあったのです。
しかしその際の説明が杜撰でしたので、白雪姫は一つだけ誤解をしていました。


「魔術師長様、今回のことがもし、………お父様とのことを反対していると思ってのことであれば、私はその種の恋愛には偏見がないので、どうぞ幸せになって下さいね」

色々考えた結果、今回の事件の理由はそれだろうと当たりをつけた白雪姫の言葉に、魔術師長は目を丸くします。

「……………どう言う意味だろうか」
「お父様と想い合っているから、公の場では女性のふりまでしてお城にいるのですよね?」
「…………え?」
「このお家で嵐をやり過ごしている数日でよく考えましたが、やはり、私の適性検査をした魔術師長様が、私がとんでもない魔術師であることを隠していると考えるのはおかしいのです。となればそれは建前。本心としては、お二人の恋に反対するかもしれない思春期の娘を遠くにやりたかったのでしょう?」


なぜか呆然としている魔術師長に微笑みかけ、白雪姫は凛々しく頷いてみせました。


「私は、そんな恋も良いと思うのです。だから、魔術師長様のことをずっとお母様とお呼びしていたでしょう?これからもお父様をお願いしますね。私は、何があってもお二人の味方ですから!」
「…………そ、そうではないのだ」
「あらあら、そんな風に否定してみせなくても!ですがやはり秘められた恋。言葉にして肯定するのも恥じらってしまうのかもしれません。私はもう分かっているので、大丈夫ですからね」
「い、いや、本当にそうではなくてな……」

魔術師長はすっかり青ざめてしまい、コレクションの魔法の鏡に唆され、本当に白雪姫がとんでもない魔術師だと思ってのことだったのだと説明までしましたが、白雪姫は生温い眼差しで訳知り顔に微笑むばかりです。


「私は女性が好きだ!間違っても、王に懸想などしていない!」
「では、どんな女性がお好きなのですか?」
「物静かで美しく、理知的で一緒に笑いあえるような優しい娘だ。趣味と仕事に理解があり、出来れば特殊な魔術を持っているといい。そして、美しいという区分ながら愛らしい一面もあり、いい匂いがして素直で料理上手な女性だ」
「………確実に現世に存在しない女性です。今時少年でも抱かない理想なので、万が一にでも該当者が出ないよう、無理やり考えた理想像ですね?」
「…………なぜそうなるんだ」

がくりとテーブルに突っ伏してしまった魔術師長を、ちびふわ達がつんつんしていましたが起き上がる気配はありません。
死んでしまったのかなと思い、白雪姫は魔術師長が持っていたバスケットを覗き込みました。


「…………まぁ!」


するとそこには、艶々とした真っ赤な林檎が沢山入っているではありませんか。
特に林檎が大好きという訳ではありませんが、絵面的に目で見て欲しくなることはあります。
白雪姫は魔術師長に声をかけたのですが、どうやら秘密の恋を知られてしまったことがショックだったのか、まだ動こうとしてくれません。


「魔術師長様、林檎を一ついただきますね。実は今朝は、この銀灰色の瞳のちびふわがコップをひっくり返してびしゃびしゃになる事件があり、まだ朝食もいただいてないのです」

林檎の代金代わりにテーブルの上の果物籠にあった見事な葡萄を籠に入れておき、白雪姫は手に取った真っ赤な林檎をしゃくりと齧りました。


「ぎゃ!」



そして、白雪姫はぱたりと倒れてしまったのです。


「フキュフ?!」
「フキュ!!!」
「フキューーー!!!」


驚いてしまったのは、ちびふわ達です。
大事なご主人様が倒れてしまったら、これからは誰がお腹を撫でてくれるのでしょう。
わらわらと倒れ伏した白雪姫に駆け寄り、悲しげに鳴いていました。


「な、何があったのだ…………」


その騒ぎにようやく顔を上げた魔術師長は、白雪姫がぽとりと落とした食べかけの林檎を見て、何があったのかを理解して真っ青になりました。
この林檎はとても毒性が強いのですが、良い魔法の薬になるので、森で見付けていそいそと収穫したものだったのです。


「………まさか、これを食べたのか?」

慌てて魔術師長も白雪姫に駆け寄ると、治癒の魔術を使おうと体を起こしてやりました。
しかしどうでしょう。
その途端、白雪姫はぱちりと目を開いたのです。


「…………ほわ。死ぬかと思いました」

魔術師長は白雪姫が目を覚ましたことに驚いてしまい、とは言え万が一のことがないようにと毒消しの魔法薬を飲ませます。
これでもこの国仕える魔術師長ですので、白雪姫を死なせてしまったら懲戒免職ものなのです。


「よく無事だったな」
「………王族ですから、毒くらいでは死なないように体を鍛えてありまふ。むぐ。………しかし、喉がいがいがしまふ」
「喉がいがいがするだけで済むのか…………」
「よく考えたら、この林檎は六歳の時にも誤って食べてしまいました。また齧ってしまうだなんて、痛恨の極みなのです」
「………しかも二度目なのだな」


この事故には、いい面もありました。
元々は真面目な魔術師長は、毒林檎な事故を受け、自分が新しい魔術式見たさにしでかしたことの愚かさを再認識しました。
まかり間違えれば大事なお姫様を失ってしまうかもしれない、許されないことだったのです。


「申し訳なかった」

辞表を出して居心地のいい三食魔術書つきなお城での生活を捨てる決意でそう頭を下げた魔術師長に、白雪姫は目をぱちぱちします。

白雪姫もそこでようやく、何やらその魔法の鏡とやらが厄介だぞという認識を得たのでした。


「でも、魔術師長様は、私はお城に魔術伝令で森のお屋敷で快適に嵐を凌いでいると連絡しておいたのに、心配して嵐が明けるなり駆け付けくれたのでしょう?どうも、その鏡さんが悪いやつな気がしますので、そやつを叩き割れば良いのでは?」
「そ、それだけは………。あれはとても珍しい鏡で、かなりの大金を積んで手に入れたのだ」
「むむぅ。困った蒐集家さんですねぇ。…………あら?」


そこで白雪姫は、最初のちびふわが後ろめたそうに目を逸らしており、二匹目の白金色の瞳をしたちびふわにげしげしと叩かれている現場を目撃しました。


「どうしました?」
「フキュ」

そうすると、白金色の瞳をしたちびふわが、赤紫色のちびふわを短い前足で指し示すではないですか。
ぴんと来た白雪姫は、すっかりこちらにお尻を向けてしまった赤紫色の瞳のちびふわを抱っこすると、何とかして知らんぷりをしようとするちびふわのお顔を持ち上げます。


「さては、その鏡を知ってますね?」
「……………フキュフ」

他のちびふわ達は、みんなじっとりとした目で赤紫色の瞳のちびふわを見ています。
どうやら、この魔物がその鏡の何かに関わっているのは間違いないようでした。


「魔術師長様、ひとまず一度お城に帰りませんか?その鏡を、こちらのちびふわに見て貰いましょう」
「それは構わないが、………その獣の姿でどうにかなるのか?」
「このちびふわ魔術を使った方に、一時的に解いて貰います。危なくないように制限もかけて貰いますので、ご安心下さいね」



かくして、白雪姫と魔術師長はお城に戻りました。
心配していた王様に顔を見せに行くと、王様はほっとしたように頷いてくれました。
王様は、白雪姫から森の小人を狩りに行くと書き置きを残されており、あの森がどうなってしまうのかと、たいそう心配していたのです。


「ありゃ。ずいぶんと沢山捕まえて来たねぇ」


お城に戻った白雪姫に、そう声をかけてきたのは白雪姫の守り手である人外者でした。
小さな頃から白雪姫の家族のように暮らしてきた、とても仲良しの魔物なのです。


その魔物と魔術師長は意外に気が合うのか仲良しでしたので、白雪姫は一緒に魔法の鏡のあるお部屋に向かいながら、今回の事件について説明します。


「そして、作って貰ったちびふわの呪いで、七匹の愛くるしいちびふわとの出会いがありました!この中の一匹が、魔術師長様のところにある困った鏡さんのことを知っていそうですので、一時的に元に戻すことは出来ますか?」
「うん出来るよ。でも、悪さをしないように最低限の………ありゃ」


それは一瞬のことでした。


魔術師長のお部屋についたその時、一匹のちびふわが白雪姫の肩の上からぴょいっと飛び出すと、がつんと魔法の鏡に体当たりしたのです。
あまりにも力任せな攻撃に、魔法の鏡はぎゃあと悲鳴を上げてばりんと粉々に割れてしまいました。



「………ほわ、滅びました」
「わーお。何の躊躇いもなく壊したね。………このちびふわって、誰なんだろう……。僕の知り合いなのかな………」

魔術師長はご自慢のコレクションの破壊にがくりと床に崩れ落ちていましたが、鏡を破壊したちびふわは、澄ました顔でこちらにててっと走ってくると、白雪姫の肩の上にするすると戻ってきた。


「フキュ」
「まぁ!とても頼もしいちびふわですね。……体当たりしたおでこは無事ですか?」
「フキュ」
「ふふ。あなたは、格好いいちびふわですね。悪い魔法の鏡を成敗してくれて有難うございました」


「白雪姫!!」


そしてそこに駆け込んで来たのは、お近くの国の王様でした。
真珠色の綺麗な長い髪を編んだ三つ編みが揺れ、ちびふわを沢山肩に乗せた白雪姫を見て痛ましい程の安堵の表情を浮かべました。

実際にその国がどこにあるのか、そもそもこのちょっと変わった配色の人間離れした美貌の男性が果たして人間なのか、色々と疑問は尽きない相手なのですが、とにかくこの王様は白雪姫が大好きなのです。


謎めいた頑丈なご縁の多いようにも思える白雪姫ですが、これでも大国の姫なのです。

誕生をお祝いする儀式でも人外者の祝福を貰いますし、生まれたお姫様が健やかに育つよう、国をあげての様々な守護が与えられるのが常でした。
また、そんな風に大国にお姫様が生まれれば、どんな人間なのだろうと観察に来る人外者達もたくさんいるのです。

つまりは、その中からの二、三人に気に入られたくらいのものなので、決して特別に恵まれている訳でもないのでした。


そしてつまり、この傷付いたように水紺色の瞳で白雪姫を見ている王様も、そのようなあわいの向こう側の存在なのです。


「あら、しょんぼりですね」
「三日もどこかに行ってしまうだなんて!」
「三日程度で慌て過ぎですよ。ご自分のお国はどうしたのだ」
「その魔術師長に森に行かされたと聞いたけれど、酷いことをされたのかい?」
「いえ、魔術師長様はこの粉々の刑に処された鏡さんに唆されていたのです。なお、主犯を粉々にしてくれたのは、この白金色の瞳をしたちびふわです!頼もしいですね」
「…………変な毛だらけの生き物に浮気する」
「困りましたねぇ…………」


白雪姫が振り返ると、肩の上のちびふわはけばけばになって目を丸くしていました。
どうやらこの白雪姫大好きな王様のことを知っているようで、反対側の赤紫色の瞳のちびふわもぴしりと固まっていました。
しかしながら、白雪姫の外套のポケットで丸まって眠ってしまっているちびふわもいるので、個性豊かな生き物なのでしょう。

と言うことは、こちらの王様は魔物の王様なのかなと白雪姫は考えましたが、こちらを見て目元を染めてもじもじしている美しい男性を見て、さすがにそれはないだろうなと微笑んで首を振ります。


「君が喜びそうな、美味しいお菓子を持って来たよ。そんな毛だらけの生き物は放っておいて、一緒に食べようか」
「なぬ!そんな素敵なものは、是非に貪り食べます!ささ、ちびふわ達も行きますよ」
「白雪姫が虐待する………」
「ちびふわにくらい、広い心を持って下さいね」



白雪姫は軽やかな足取りで、どこか近くて遠い不思議な国の王様が持って来てくれたお菓子のある部屋に向かいます。
魔術師長は鏡を失って落ち込んでいましたが、白雪姫の守り手から今晩はとことん飲もうと誘われて少しだけ元気を取り戻しているようです。
悪い鏡に惑わされた魔術師長が責任などを負わなくてもいいように、守り手がきっと上手く周囲を説得してくれることでしょう。


「この方の持ってきてくれるお菓子は、いつも美味しいのですよ」
「フキュ!」

てくてくと白雪姫の後をついて歩いてくるちびふわは、なぜか目を輝かせて従者的な行いを好む下僕系のちびふわです。
外套のポケットで眠る、ドジっ子なちびふわに、生真面目に白雪姫が忘れた手袋を背中に乗せて運んでいる凛とした澄んだ水色の瞳のちびふわ。
外套の反対側のポケットには、白雪姫があげたクッキーをずっと食べている食いしん坊ちびふわもいます。


「白雪姫、このちびふわ達はどうするんだい?」
「このまま飼っていたいところですが、元のお姿でのお役目もあるでしょうから、たくさん愛でて私の心をもふふわな喜びで満たした後に、どこかで元に戻してあげましょう。そして、森にぽいです!」


その宣言に何匹かのちびふわがけばけばになって震えていましたが、ほっとしたような溜め息を吐くちびふわもいました。


「さぁ。無事に事件も解決しましたので、みんなでお茶にしましょう」
「………どうして参加者が増えてゆくのだろう」
「あら、美味しいお菓子は、みんなで食べた方が楽しいですよ?」



白雪姫が森で冒険の日々を過ごしたのは、ほんの数日のことでしたが、様々な報告があちこちから囁きになってこぼれた結果、その国では白雪姫が森の七人の小人達を手懐けてしまったという噂が流れました。


噂にあった森の財宝は手に入りませんでしたが、ちびふわの時にすっかり懐いてしまった人ならざる者達の何人かが度々お城に遊びに来るようになりましたので、白雪姫の周囲はとても賑やかになりました。


そんな生き物達の守護や祝福はとても手厚く、その国は豊かで安全な素晴らしい国になります。
仕事終わりに気楽に飲みに行けるような平和な国になりましたので、王様や家臣達は大喜びでした。


白雪姫のところに、赤紫色の瞳をした不思議な専属料理人が通うようになったという噂もありますが、真偽のほどは確かではありません。

ただ、白雪姫は、美しいその国の営みを楽しみながら、のびのびと健やかに過ごしていました。

お妃様の部屋からは、その後も引き続き奇妙な呪文が聞こえてきたり、爆発音が響いていたりしたそうです。
時々厄介な品物を買ってきてしまうこともありましたが、その時は白金色の瞳のちびふわだった魔物が爽やかな笑顔でばりんと壊してくれるので、王様も大臣達もそのご縁をとても喜んでいました。

あまりにも元ちびふわな魔物達が懐いてしまったので、白雪姫の乳母な妖精などは頭を抱えてしまっていましたが、その国や白雪姫達が幸せに暮らしていたのは間違いありません。



その森の奥には、雪がたくさん降る美しく穏やかな国がありました。
白雪姫によく懐いた小人達に守られ、その国はいつまでも豊かで幸福な国であったと語り継がれています。


ちびふわと呼ばれる真っ白な愛くるしい生き物を見ると幸せになると言われ、世界各地から巡礼者達がたくさん訪れたその国ですが、ちびふわの呪いを恐れて他国がその平安を脅かすこともなく、末長く栄えたそうです。


めでたし、めでたし。







このお話は、連載中の「薬の魔物の解雇理由」の要素を持たせています。

この作品は「冬の童話祭2018」に参加しています。

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