初めての仲間はロリっ子
「す、凄いです! タイガー様!」
「タイガーじゃなくて大河な」
監視兵との戦いも終わり、手足の枷も外れた俺は食堂で座って休憩していた。
そこに小さい女の子がてくてくと歩いてきたかと思うと急にこうやって褒めてきたのだ。
「タイガー様はそんな力を持ってるのになんで奴隷になったんですか?」
「え……なんでって。いや、まぁ全裸で雄叫び上げたらいつの間にかこうなってた」
「ぜ、全裸……え、えっちです」
女の子は綺麗な白い顔を真っ赤にしている。
女の子は身長140センチ代だろうか。それくらいの小ささで髪を横に二つに分けツインテールのようにしている。
周りを見ると俺のことが気になってる奴隷は他にもたくさんいそうだが、この子のように俺の元へ来るほどの度胸はないようだ。
「それより君は何が目的なんだ」
「う……あ、あのですね。私を、タイガー様の奴隷にして欲しいんですっ」
「は?」
奴隷? 今奴隷って言ったよな。だとしたら何言ってんだこいつ。俺たちは既に奴隷だし奴隷の奴隷ってなんだよ。
「えと。そのですね。私は親の借金が原因でちょっと前に奴隷になったんですけど、怖くて仕方がなかったその時に私の支えになったのが一冊の本だったんです」
「本?」
本で支えになるのか。俺が今この状況に耐えられてるのは異世界に来れたっていう事実のおかげだ。元からこの世界にいたら耐えられる自信がねえ。
「その本が、冒険者カンダタの冒険譚だったんです。こんな広い世界が周りにはあるんだって、わくわくしました。いつか私も行ってやるーって思ってなんとか心を保てたんです」
「ふーん、なるほど。それで?」
そのカンダタってのと俺がどう関係してんだ? あれ、待てよ。どっかで聞いたな、カンダタ。あ、そうだ! 盗賊王のスキルを持ってたとかいう人か!
「タイガー様のスキルが盗賊王だと知った時、私は運命だと思いました。何百年もの間、そのスキルの後継者は現れませんでしたから」
「つまり……君は俺とカンダタを重ね合わせて、俺に付き従いたいって事か?」
「そ、そういうことですっ!」
うーむ。これは意外な展開になったな。まさかこんなことになるとは。
いやでもこの子可愛いしな、そうだよ! これって俺が望んでたハーレム展開の始まりなんじゃねーか?
「よしっ。良いだろう! 君の望む通り仲間にしてやる!」
「な、仲間なんていいですっ。私はあなた様の下僕、いや奴隷になりたいんですっ」
目にハートが見えそうなくらいの熱烈アピール。な、なんか狂気を感じるくらいの信者っぷりだが大丈夫かな?
「わ、わかった。じゃあ奴隷で」
「や、ややややった!」
「ところで君の名前は?」
「あ、はい! ヤミです! ヤミ=ナローシュです!」
そんなわけで異世界で信者が一人できた。
ヤミはそんなに嬉しかったのか、ぴょんぴょん飛び跳ねている。
「ねぇ、ちょっとあんた」
「ん?」
俺が飛び跳ねてるヤミを見ていると、金髪の美女が話しかけてきた。あのやけに威勢のいい奴だ。
女はここじゃなんだからと俺を部屋の隅の方へと誘導してきた。なんだなんだ、俺をどうするつもりだ。身体を使って何かするつもりならやめておけ、俺にその技はよく効く。
「なんだ?」
「あんた、私と一緒にここから脱出しない?」