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砂漠の街

 


「あい、着いたよ。八千ギルね」

「ありがとうございました」


 俺は釣りの出ないように五千ギル一枚と千ギル三枚を渡す。


「毎度っ」


 そういうとおっちゃんは馬車がたくさんいる馬車のりば的なところへと行ってしまった。


「さてと、まずは街を回るか」

「そうですねっ」


 暑いのにも関わらず、街の中は俺たちと同じように頭も布で覆うような格好をみんなしているため、見ていて暑苦しい。


「砂漠の中だけどここはやけに人がいるな」

「ハサラは一攫千金求めて人が集まるんですよっ。大っきいカジノがありますからね」

「カジノ? へぇ、そうなのか」


 カジノがあるとは。手持ちにある10万ギルを換金して俺も一攫千金でも目指すか?

 ってそんなことして負けたらマジで餓死しそうだな。ちらほら負けたのか知らんが下着だけのやつとかいるし。


「タイガー様、あれ見てくださいっ。踊り子の館だって言ってますよ 」

「踊り子?」


 見ると看板に踊り子の館と書かれている。

 へぇ、面白そうだな。


「入ってみるか」

「はいっ」


 館に入ると、受付のおっさんが一人五百ギルを徴収してきた。


「わあ、凄い人の多さですね」


 中は、人が百人は入れる程度のスペースになっていて、既にほぼ満席になっている。俺たちは後ろの方で立ち見することにした。


 ステージでは既に三人の踊り子が踊っている。露出の多い服でひらひらさせたものが多いから見てるとちょっと変な気分になってくるな。


「もうっ」

「いてっ、何すんだよ」


 ヤミに足を踏まれた。


「えっちな目をしてましたっ」


 どうしろってんだ。あんなもん男なら誰だってそういう目で見ちまうだろうが。

 てか踊り終わっちゃったよ。この後また誰か入ってくるのかな?


「うおおおおお! デレハちゃーん! 早く出てきて〜!」


 一人の男が前の席でそう叫んだ。デレハって誰だ?

 そう思っているとステージに一人の踊り子が出てきた。瞬間、会場は一気に歓喜の声に包まれた。

 地鳴りが起こるような歓声だ。なんだこれ?


「な、なんだこの熱狂?」

「こ、怖いですぅ」


 ヤミの声がほとんど聞こえないレベルだ。

 踊り子はさっきの人たちのように薄い生地の服を着ている。

 顔は遠巻きだからあまり良く見えないけど、美人みたいだな。とりあえず褐色って事と黒髪でスタイルが良いってことはわかるが。


「みんな、今日も来てくれてありがとう! じゃあ私の踊り、見ていってね!」

「うおおおお。デレハちゃーんこっち向いてくれええ」

「好きだああああ」


 デレハと呼ばれる彼女が一言言っただけでこの湧き方。よくわからんがとても人気らしいな。


 おっ、踊り始めた。曲線的で凄え綺麗な踊りだなぁ。情熱的な踊りだ。それにさっきまであんだけうっさかった観客が途端に黙り始めた。


 三分ほどで彼女は踊りを終えると、拍手が巻き起こった。彼女は一礼をして、


「ありがとう! またきてね!」


 それだけ言うと、ステージから出て行った。それにより観客が次々と帰るので、俺たちも外に出ることにした。


「いやぁ凄く良かったですねっ」

「ああ、なんつーか、凄かったな」


 意外と良いもん見れたな。さて、次はどこ行こっかな〜。


「おっとごめんよ」

「あ、すみません」


 歩いている人とぶつかってしまった。

 俺は謝って進もうとしたが、異変に気付く。

 宝石を入れて腰につけておいた小袋が……ない! まさか!

 後ろを振り返る、さっきぶつかった男が袋を持ち、小走りで走っていくのが見えた。


「ヤミ! スリだ! 追うぞ!」

「えっ? は、はいっ」


 俺たちは奴を追いかけて走り始めた。

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