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「セバスチャン!今厨房で厨房で」
スカートを上げ息を切らしながらクレアはセバスチャンの前にでたロマンスグレーのほっそりとした家令セバスチャンが目を細めクレアを見る
「クレア様 マナーがなっておりません室内を走るなど」
「それより!セバスチャン!またきたよ・・・」
クレアは息を整えて語尾は小さく言った
セバスチャンは眉間に皺が寄りすぐ様足早に厨房へ向かった
「クレア様はここに」
「行くに決まってるわ!」
セバスチャンは振り返ったがクレアが呼びに来た時点で事は知られているのでいい争うのを諦め足早に厨房へ向かった止めても無駄なのだ
厨房へ入るとクレアは扉のあたりで身を隠し、中央にいる料理長は両手を組みガラの悪い2人と対面していた
料理長の元へとセバスチャンは向かった
「料理長申し訳ございません。ご迷惑をお掛けしました」
セバスチャンはすぐさま料理長に詫びをいれてからゆっくりとガラの悪い2人に視線を合わせた
「大丈夫だセバスチャンさん俺がここにいる限りこれ以上は中に入らせない」
セバスチャンと料理長はそのまま視線をガラの悪い2人に合わせた
ガラの悪い2人は手を離し真ん中の男性を床に落とした
「おせーじゃねーかじーさん 約束の金はどうした」
真ん中の見たことがある男性はセバスチャンの1人息子だ
今は結婚もし小さい娘もいる、娘が生まれる前は遊んでくれた優しい人なのだかこれがまた良からぬ所から借金をしてしまい今まさに取り立ての最中である
クレアは最初理解していなかったが数回来るうちに理解してしまった
ガラの悪い男性は代わる代わるくるので顔までは覚えていない
セバスチャンは眉間に皺を寄せ
「今はまだ・・・すぐには用意は出来ないが必ず用意すると言っている。どんな理由であれマクレーン家へ押し入るのは止めて頂きたい!」
「借りた金も工面できないやつの事を素直に聞く馬鹿いるのかよ!あ?」
ニヤニヤと笑いながら話しかけてくる
セバスチャンは拳に固く握りそれでも背筋は伸ばし綺麗な佇まいまま
「3夜・・・空けぬうちにそちらに持っていく」
噛み締めるように吐き捨てた
ガラの悪い2人組はセバスチャンを睨みつけながら
「約束だそー?ハッ」
「じゃあな 可愛いクレアお嬢様」
クレアの名前が出た瞬間セバスチャンと料理長はガラの悪い2人組を睨んだ
そんな睨みを諸共せずガラの悪い2人組はひらひらと手を振り入ってきた出入り口から出て行った
それを見送ったセバスチャンはすぐさま息子に駆け寄った
料理長は頭を抱え後ろからくる視線に気づき振り返った