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ヤンデレ腹黒王子と私  作者: モゴ
出会い編
2/18



2人で窓の外を見ていると雨がぽつぽつと降り始めて直ぐにザーザーと大雨が襲った


後ろから足音が聞こえてクレアとビクトリアは振り返った

そこに優しく微笑みながら母のマリアが近づいてきた

マリアは蜂蜜色の髪と目をしていてクレアの色は母譲りだ



「これはかなり降りそうね」


「お母様」

「おかあちゃまー」



ビクトリアはマリアの脚に抱きつき笑顔を見せた

マリアは厳しくも聡明で家族を大切にする母性に秀でた母だ

そんな母を兄弟達は大好きなのだ、そして父は何よりもマリアを愛している



マリアは優しい笑顔のまま


「クレアちゃんお手伝いはどうしたの?」


「うっ 今やろうと思って」

乾いた笑いで誤魔化そうと母から目を逸らした


「クレアちゃん」

ニコっと笑うマリア

「はっはい!すぐやります!」

姿勢を正しすぐさま厨房へ向かった



貴族といえども下級で貧乏なのだ学校に通うのも兄だけで姉と私、ビクトリアは主に家事をしたり農地を手伝ったりしている



今日は厨房手伝いの日だった

農地手伝いなら雨が降れば休みになるのについてない




マクレーン家のメイドは全部で3人いる

家令と料理長そして庭師


今は料理長のお手伝いで鼻歌を歌いながら皮むきをしている

料理長は身長は高くがっしりとした体格で熊さんみたいなのだが心は乙女で繊細な料理を得意とする可愛い人なのだ


座りながらする皮むきは楽なお手伝いなので上機嫌で皮をむいていく




ガチャ


厨房にある出入り口の扉があいた

あれ?っと扉を料理長とクレアは手を止めて見つめた

そこにはいかにもガラの悪そうな男が2人、真ん中にいる男性の腕を両方から掴み入ってきた


ガラの悪い2人は初めて見たが真ん中の男性は見たことがある



料理長がハッと息を飲み

ガラの悪い2人から目を離さず私に言った


「クレアお嬢様 ナイフを渡して下さい、それからセバスチャンさんをここに」


料理長は私をこの場に居る事を不安がり家令であるセバスチャンを呼ぶように言った


私はナイフを料理長に渡し足早にセバスチャンを呼びに言った



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