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日常  作者: 太郎
15/59

映画

再び、です。

 

「きゃぁぁあっ!!」


 思わずポップコーンを口から落としてしまった。

 いけねー。今月の大事なお給料から出ているんだから大事に食わないと……じゃなくて。

 隣の高校生カップルの方から聞こえた悲鳴によって、あたしはポップコーンを落としたのだった。

 確かにこの映画はホラーだから叫びたくなる気持ちも分かる。だが、何故そんなにも可愛らしく叫ぶことが出来るのだ。

 あたしも一応彼女と同じ性別で女である訳だがそんな悲鳴を出したことは一度だって出したことない。

 いつも『うぉぉおっ!?』だとか『のぉおっ!』とか、女子って何だっけ?といった悲鳴しか出してない。

 女の子らしくするのが嫌でこんな悲鳴をあげるんじゃないし、むしろその可愛らしい悲鳴に憧れている。

 しかし一体全体、どの場面でその悲鳴を使うのか。それが謎である。使ったことがないから、どのタイミングで使うべきかが分からない。

 その悲鳴を出しそうな女の子に『あのー、どうやってきゃーって驚けるようになるんですかねー?(ニヤニヤ)』なんて聞けないし。

 ましてや、『行動するのが一番!』なんて言ってきゃーっと叫ぶことも出来ない。

 さあて。こんな状況どうすれば良いのだろうか。

 考えすぎる癖があるあたしにとっては映画の内容がどうでも良くなる位大事なことで今すぐに結論が欲しい。

 そして、きゃーっと叫んで終わらせたい。

 誰か私に教えてくれよー!


 ――ビチョン


 鼻先に何か触れた。

 恐る恐るそれに触れると、液体のぬめっとした感触がして……


「うぉぎぁぁぁ!やだぁあっ!!?」


 これまでにない位のデカイ悲鳴があがった。

 映画に集中してたはずの人達も後ろを見て、どこから音がしたのか探している。


「なんか……すんません……」


 ぼそりと、誰にも聞こえないように謝った。

 触れた液体は後ろの人のくしゃみによって飛んできた鼻水と理解してから、映画に向き直る。

 あれ、どこまで内容が進んでいるんだ? ジャックは? 何で死んでるの? どうしたの?

 いや、もしかしたら口から血を出してるだけで死んではいないのかもしれない。

 そもそも死んでいないで全てジャックの自演で、あの口から流れている液体はトマトケチャップか何かなのかも。

 だとしたらどうやってケチャップを手に入れたの? 遭難した孤島でケチャップなんて手に入るはずないし、死んだフリする必要もない。

 あら。犯人はお前だ……って、もう犯人!? なーんだ。ジャックを殺したのはトニーだったんだ。

 元々そんな感じしたんだよね。あーあ。つまんないの。でも、映画は月に一回観ないと生きてる気がしないんだよねー。


 そんな私と映画の日常。





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