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その6

 リスには彼が何を言っているのか、すぐには理解できなかった。


「……キリムは……私を残していくつもりなの?」


「私の故郷はとても遠いところにあるんだよ。あなたを連れて行くわけにはいかないだろう? それにね、私の姿を見てごらん。村人たちの言うような美しい若者に変わることなんて決してないんだ。あなたはこの世界の人間と一緒になったほうがいいんだよ」


「そんなの嫌よ。お願い、私も連れていって」


 彼の存在しない世界に一人残されるなんて考えたくもなかった。リスは震える手でキリムの腕をつかんだ。この人といられなくなったら、きっと自分はおかしくなってしまう。


「どうしたらあなたに愛してもらえるの? 手放せないぐらい私に夢中になってもらえる?」


 涙に濡れた目でキリムの顔を覗き込んだリスは、彼の琥珀色の目にも涙が浮かんでいるのに気づいてどきりとした。


「リス、私だってあなたと別れたくないんだよ」


「じゃあ、どうして置いていくだなんて言うの?」


「この星があなたの故郷だからだ。ここにはあなたの大切な人たちがいる。あなたを彼らから引き離したくはないんだ。あなたと別れたくはない。けれど、私のためにあなたが不幸せになるようなことがあれば、私は自分を許すことが出来なくなってしまう」


「平気よ。あなたといることが私の幸せなんだから。後悔なんかしない。駄目だって言っても絶対についていくから」


「だが、家族と別れることになるんだよ。それでも構わないんだね?」


 返事の代わりにリスは彼の首に抱きついた。彼の柔らかな毛に顔をうずめ、大好きな匂いを胸一杯に吸い込む。キリムは両腕を彼女の身体に回し、抱きしめ返した。


「リス、ありがとう」


「私はあなたの妻なのよ。どこにだって一緒に行くわ」


 キリムはリスを抱く腕に力をこめた。生まれてこの方、これほど嬉しいことがあっただろうか。彼は故郷へ戻るのだ。それも幼い頃から恋していた聡明で美しい女性と共に。


「ああ、リス。今ではこの星で遭難したことにも意味があったと思えるよ。あなたと言う素晴らしい伴侶に出会えたのだからね」


「もしあの時、父が馬鹿げた賭けをしていなければ、私たちが出会う事もなかったのよ。それを思えば、父には感謝しなくちゃならないわ」


 リスの言葉にキリムは笑った。


「あの日、父が表から戻ってきてね。秋になったらあなたが来てくれると言うんだ。私は躍り上がって喜んだよ。だが、それからはずっと心配して過ごした。あなたが私の姿に怯えるだろうと思ってね。でもあなたは怖がるどころか最初から私に抱きついてきたんだ。あんなに驚いたことはなかったよ」


 リスは二人の出会いを思い出して赤くなった。


「あの時は寒くて夢中だったの。いつもは男の人に抱きついたりはしないわ。……でも、初めて話したときから凄くあなたに惹かれてた。あんなに優しく話しかけてくれた人は初めてだったから」


 リスは伸び上がって産毛に覆われたキリムの唇に自分の唇を重ねた。彼女が離れても彼が怪訝そうに見つめているので、リスはまた不安になった。


「どうかしたの?」


「……今まで一度も口づけなどしてくれなかっただろう?」


「だって、キリムの顔って毛深いから……してもいいのか分からなかったのよ」


 つるりとした村の男の唇とは勝手が違うに決まってる。思い悩んだ自分が馬鹿みたいに思えて、キリムは苦笑した。



       **************************************************



 「おばあちゃん、私ね、お別れを言いにきたの」


 リスは揺り椅子に座った祖母の前に膝をついて、彼女の手を握った。薬を飲みだしてからの祖母は見違えるほど顔色がよくなった。これならまだ何年も生きられそうだ。


「彼の世界から迎えが来るの。彼と一緒に行くわ」


 祖母は微笑んだ。キリムと出会ってリスは美しくなった。自分を理解してくれる相手の大切さを祖母はよく知っていた。リスの祖父もそんな男性だったからだ。キリムならばいつまでもリスを愛してくれるだろう。


「あの子は魔法であんな姿をしているのではないんだろう?」


「そうなの。あれがあの人の本当の姿なの」


「あんたは本当に毛皮に縁があるんだね」


 祖母はそう言うと、リスの手を握り締めてにっこりと笑った。



       **************************************************



 迎えの船は三日後に着くという。リス達は村人たちに暇を告げることにした。魔法の国からの迎えが来るなどと言えば騒ぎになるのは目に見えているので、魔法使いの所用でしばらく山に戻ると話すつもりだった。


 父には本当の事を話した。愛情は薄くとも、この歳まで育ててくれた実の親だ。別れはきちんと告げたかった。一度失った娘を再び失うことについては彼は何も感じないようだった。彼女は『病』の薬を父に託した。金銭は得られなくても、村人からの尊敬を集められるのだから、彼はとても喜んだ。薬はまだ数年分は残っていたし、村人は二ギートの根を避けるようになったので、新たな病人が発生することはなさそうだ。


 翌日は荷造りと世話になった人達への挨拶にあて、明後日の朝、村を発つことに決めた。だが、夜が明けてみれば、それどころではなくなった。村に王都からの使いが到着したのだ。それも夜を徹して深い雪道を踏破してきたというからただごとではない。村はキリムが現れた時以上に騒然となり、男達はすぐに集会所に呼び集められた。


 リスの父が出掛けてしばらくすると、シイラが駆け込んできた。リスは親友を笑顔で迎えたが、彼女の顔を一目見てよくない知らせだと分かった。


「リス、早く逃げて。大変なことになったわ」


「何があったの? 」


「王様のお使いはキリムの毛皮を差し出せって言ってるの」


「なんですって?」


「たまたま私が集会所のお世話を命じられていたの。そうしたらお使いが話してるのが聞こえたのよ。化け物の毛皮を献上した者にはたくさんの褒美を取らせるっていうの」


「でも、どうして王様がキリムの事を知っていたの?」


 村人達はキリムの存在を村の外に漏らさないよう細心の注意を払っていた。本来王宮仕えの魔法使いにしか許されない『病』の薬を持っていると知れれば、どんな処罰を受けるか分からなかった。その上、キリムの薬は取り上げられ、再びたいした効果のない高価な薬を買わされることになる。それにキリムたちが村に着いたのは冬の最中だ。この時期、村は深い雪に閉ざされる。誰にも気付かれずに村を出入りした者がいるとは思えなかった。


「いいえ、キリムの事がばれたんじゃないの」


 シイラは首を振った。


「お使いは東の峰の化け物の毛皮を欲しがっていたの。キリムがこの村にいるなんて知らなかったのよ」


 化け物の噂なら十年も前からあったので、王都まで届いていても不思議ではない。でもなぜ噂に過ぎない生き物の毛皮を欲しがるのだろう? それも冬の最中に王都から使いを送りつけてくるとは、王の気まぐれにしてはおかしな点が多すぎた。だが、そんな謎を解いている暇はない。キリムは立ち上がった。悲しいことだが、村の人間を信用するわけには行かなかった。


「リス、行こう。急いだほうがいい」


 リスも貴重品の入った袋を背負った。 重い荷物は諦めるしかなかったが、出発の支度を整えていたのは不幸中の幸いだ。


「シイラ、ありがとう。あなたが罰を受けなければいいのだけど」


 リスは親友をしっかりと抱きしめた。


「平気よ。こっそり戻れば誰も気付きやしないわ」


 祖母と妹達に急いで別れを告げ、二人は裏口から駆け出した。



       **************************************************



 リスの家の裏には雑木林が広がり、その先は東の山に繋がっている。二人は林を抜けて枯れ沢へと向かった。雪の多いこの時期、東の山々へは枯れ沢を登るのが一番早い。沢に沿って立ち並ぶ巨木のお陰で雪がそれほど積らないのだ。


 ようやく沢に出ると彼らは早足で登り出した。あまり積もらないと言っても雪はふくらはぎの半ば辺りまである。苦しい行程だったが休む暇はなかった。彼らが家にいないことが分かれば、村人達は山狩りを始めるだろう。毛皮猟師にかかれば彼らの行き先など簡単にわかってしまう。見つかる前に『船』に辿りつくことだけが唯一の希望だった。中に入ってしまえば村人達には手出しが出来ない。


 リスの方が足が遅いので、キリムは彼女を先に歩かせた。大熊岩を通り過ぎ、急な坂を上りきったところでリスが倒れた。キリムに助け起こされても、彼女は怯えたように足元を見つめている。雪の中には縄が張られていた。


「おい、かかったぞ」


 歓声を上げて巨木の影から姿を現したのは村の若者たちだった。七、八人はいる。キリムはリスの手を引いて走り出そうとしたが、今度は自分が足を取られた。見れば方々に雪を掘った跡がある。彼らは先回りをして雪の中に縄を張り渡しておいたのだ。罠と呼べるほどのものではないが、獲物の動きを封じるには十分だった。


 一人の男がリスの腕をつかみ、別の男がキリムに向かって灰色の筒状の道具を突きつけた。キリムはその男を知っていた。ダズというビルの腰巾着だ。


「おかしな真似をするな。これが何だか知ってんだろ?」


 キリムは凍りついたように、ダズの手に握られた道具を見つめた。リスにはそれが魔法の道具だと分かった。大きさはパンをこねる時に使う棒ぐらいだが、滑らかな表面には金属の輝きを放つ複雑な文様が浮き上がっている。


「それは……それをどこで手に入れたんだ?」


 驚きを隠そうともせずにキリムが尋ねた。


「それはな……」


 突然、後ろから聞こえた声に、リスは振り返った。少し離れた岩の上にビルが立っている。そこから彼らが罠にかかるのを眺めていたのだろう。嬉しくて仕方ないといった様子でにやにやしている。


「……お前の魔法を破ることができる武器だと、王のお使いに渡されたんだよ」


 ビルは岩から滑り降りると、にやにや笑いを浮かべたままリス達に近づいてきた。


「毛皮を傷つけると褒美が貰えなくなるからな、俺にやらせろ」


 ダズから武器を受け取ったビルは、そのまま筒の先をキリムに向ける。リスは男の腕を振りほどこうともがいた。


「ビル、どうしてそんな酷い事をするの? キリムは病の人たちを救ったのよ。お願いだから見逃して」


「見逃せるもんか。王様がな、こいつの毛皮に賞金をかけたんだ。一生遊んで暮らせるような額だ。おまけに領地までくださるというお話なんだぜ」


 ここでビルはまたにやりと笑った。


「それにな、お前にとっても悪い話じゃない。ケダモノの未亡人なんて誰も貰っちゃくれないからな、俺がお前をひきとってやることにした。真面目に仕えろよ。こいつにしっかり仕込まれたんだろう?」


 彼が武器の先でキリムを小突くと、若者たちがどっと笑った。キリムは憎しみのこもった目でビルを睨んだ。昔からそうだ。機会さえあればこの男はリスをからかい辱めてきたのだ。だがビルは気にする様子もなく、武器の先で左の土手を指し示した。


「ほら、そこを登るんだ。さっさとしろ」


 ダズが不審げに尋ねた。


「おい、ビル、どこ行くんだ? ここで殺しちまおうぜ」


「だめだ。親父たちも沢を登ってくるだろうからな。見つかれば横取りされちまう。まずはここから離れよう。皮をはぐのはそれからだ」


 誰も反対しなかった。父親逹がどれほど信用できないか彼らもよく知っている。ビルは若者たちに指示を出した。木々を揺すって雪を落とし、彼らがわき道にそれた痕跡を消す。最後に囮役の若者を送り出すと彼らは歩き出した。



       **************************************************



 リス達はおとなしく先頭を歩いた。背後には武器を構えたビルがぴったりとついている。今は従うほかなかった。若者たちはすでに褒美を貰った気分で浮かれ騒いでいる。ビルさえなんとかすれば逃げる機会が訪れないとも限らない。


 辺りには木々が繁っていたが、雪は沢よりも深い。だがビルが執拗に背中を押して急がせるので、リスは何度もつまづきながらも歩き続けた。キリムも黙ったまま歩いている。いつの間にか彼ら三人は他の若者たちをずいぶん引き離していた。


 唐突にビルが言った。


「この辺りでいいな」


「ビル、お願い。やめて……」


「いいから、黙って聞け」


 武器を振ってリスを黙らせると、ビルは急に声を潜めた。


「あそこに一本だけ背の高い木が見えるだろう? あれを通り過ぎたところで、俺はつまづいて倒れる。ここからお前の隠れ家まで走れるか?」


 二人は、呆気に取られてビルを見つめた。


「大きな声を出すなよ。あいつらに気づかれちゃまずい」


「どういうことなの?」


「分からないのか? 逃がしてやるって言ってるんだよ」


 リスは混乱した頭で状況を理解しようとした。どうしてビルが彼らを逃がそうとする? あんなに彼女を憎んでいたのに。


「何を企んでるの?」


 リスの問いにビルは心底驚いた顔をし、そして笑い出した。


「人が親切にしてやりゃその態度かよ。お前は本当に俺が嫌いなんだな」


「嫌ってるのはあなたのほうでしょ?」


「そうか? 俺はお前を嫌ってなんかいないぜ。少なくとも本気でお前を娶ろうと思ったぐらいにはな」


 そう言うとビルは立ち止まり、リスの瞳をまっすぐに覗き込んだ。彼女は彼の目を初めてまともに見た気がした。記憶の中のビルは底意地の悪い濁った目の持ち主だったのに、目の前の彼は知的で温かみのある青い瞳をしていた。


「お前をいつか都に連れてってやろうと思ってたのに、ケダモノのせいでぶちこわしだ」


「ビル……私は……」


 口を開こうとしたキリムに、ビルは武器の先を向けた。


「礼なんか言うなよ。お前は大嫌いだ。こいつは俺の妻になるはずだった女だからな、最後まで捨てずに面倒みろよ」


 キリムは黙ってうなずいた。再び三人は歩き出し、ビルは後ろで話し始めた。


「あの時はすまなかったな。親父達は生贄は生娘でなければならないと言っていた。お前を傷物にすれば、人身御供はなくなるんじゃないかと思ったんだ。ほかにうまい方法を思いつかなくってな」


 あれが未遂に終わっていなければ、彼は村から追放されていたかもしれないのだ。賢いビルがそのことを知らなかったはずはない。


「でも、どうしていつも意地悪だったの?」


「そりゃあ、お前が俺を見るたびに露骨に嫌な顔をするからだ。どうしろって言うんだよ?」


 確かにそうだった。彼が近づくたびに、リスは見下したような表情を浮かべてさっさと立ち去ったのだ。幼い頃は他の子供たちに混じって一緒に遊んでいたのに、いつから二人はこうなってしまったのだろう? たぶん彼女をからかうビルを、リスが無視しだした頃からだ。ビルは意地になって彼女が反撃するまでからかい続けた。男の子が気になる子にちょっかいを出すなんてよくある話なのに、リスは自分自身に当てはめてみようなんて思いもしなかったのだ。


「それからな、マケイランのことだが……俺の親父も一枚噛んでたんだ。なんとか止めようと思ったんだがな……」


 キリムが女の部屋に入ってしまったあの状況では難しかっただろうとリスは察した。


「いいの、ありがとう」


「なんだ、やっと素直になったな」


 愉快そうにビルが笑った。


「回り道させちまったな。迎えには間に合うのか?」


「どうして迎えの事を知ってるの?」


「お前が親父に話したんだろ? みんな知ってるぜ」


 リスは呆れた。王の使いの機嫌を取ろうと必死になっている父の姿が目に浮かぶ。


「お互い、親父には苦労させられるよな」


 おかしそうに笑いながら、ビルは大きな手でリスの肩を押した。


「ほら、走れ。もう転ぶなよ」


 二人が駆け出すと、ビルは深い雪の中にごろりと横になった。木々の隙間から空を見上げてため息をつく。村にはもう退屈な女しか残っていない。けれども、それは仕方がないことだ。リスはあんな惨めな村で一生を終える女ではなかったのだから。


 しばらくして異変に気付いた男達が口々に叫びながらビルに駆け寄った。キリムの姿がないのを知って後を追おうとする彼らに向かい、ビルが怒鳴った。

「追うな! あいつら、おかしな武器を隠し持ってやがった。近づくとやられるぞ」


 若者達は慌てて立ち止まった。


「どうするんだよ?」


「諦めるしかないだろう? 俺は金のために命まで落とす気はないからな」


 吐き捨てるように言うと、ビルは立ち上がり、体についた雪を払い落とした。



       **************************************************



 朝からの緊張と疲れで足元もおぼつかなかったが、リス達は休まずに歩き続けた。幸いキリムの腕輪のお陰で『船』の方角を見失うことはない。ようやく森の木々の間にこんもりとした雪の丘が見えた時には二人とも安堵の息をもらし、笑い合いながら入り口を目指して足を速めた。


 その時だった。どこからか羽虫の飛ぶような甲高い音が聞こえ、リスのすぐ前を歩いていたキリムがまるで何者かに突き飛ばされたかのようにひっくり返った。助け起こそうと手を伸ばして、リスは悲鳴を上げた。キリムの周囲の雪が見る見る赤く染まっていくのだ。生き物の焼ける臭いが鼻を突く。キリムが頭を持ち上げて叫んだ。


「リス、森へ戻れ! 隠れるんだ!」


 足元の雪を灰色の影がよぎる。空を見上げてリスは目を見張った。


 そこには小さな船が浮かんでいた。川を渡るのに使うような小船が、支えもなしに空中に浮かんでいるのだ。そして船の上には男が二人座っていた。ビルが持っていたのによく似た武器を構えている。男たちの纏った黄色い衣をリスは古い絵で見て知っていた。彼らは王宮仕えの魔法使いだ。


「そういうことか……」


 雪の上に力なく横たわったまま、キリムは宙に浮かぶ男達に話しかけた。


「お前たちの望みはなんだ? 私の毛皮などではないのだろう?」


「その通り。あなたの命を頂きたいのだ」


 男はそう答えると武器を構えなおした。その先はまっすぐにキリムに向けられている。リスはとっさに彼の身体に覆いかぶさった。


「駄目だ、逃げろ!」


 彼の言葉など耳に入らなかった。リスは彼の体を強く抱き締めた。死ぬことよりも彼を失うことの方が恐ろしかった。キリムはリスを引き離そうともがいたが、やがて諦めたように動きを止めた。


「リス……すまない……」


 甲高い音が再び響き渡り、辺りの雪景色が黄色く染まった。



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