まとめ
文フリ会場を後にした二人は、帰りの電車のシートに座って話し合った。
「しかし、色々買いましたね」
作家の、会場で貰った黄色い手提げ袋に入ったZINEを見て、アシスタントは呟いた。
「何だかんだ、いい資料が集まったと思う。それにしても、小説セットの子といい、ジェイムといい、その他にも変わった風格の者や風変わりなZINEを売っている者が何人もいたなぁ」
作家は当時の状況を振り返って言った。
「本当、個性豊かでしたね」
アシスタントも相槌を打つ。
「これらのZINEは、明後日休み明けの会議にてじっくり読もう。しかし、本当に楽しいイベントだった」
「そうですよね、文フリ会場でサインまで求めてくる子がいたくらいですから」
アシスタントは微笑みながら言った。その言葉を聞いた作家は、少しの間、思慮に耽った。そして、こう呟いた。
「あの中学生らしき女の子達―—彼女らには前途有望なオーラがあった」
数秒間の沈黙が二人を支配した。
「そんなことまで分かるんですか?」
と怪訝に思うアシスタント。
「作家としての勘だよ」
作家は平然と言った。
電車は、そろそろアシスタントの家の最寄り駅に着こうとしていた。
「山田君、今日は休日なのに付き添いありがとうね。今夜、明日とゆっくり疲れを取って、火曜日万全の態勢で出勤してくれ」
「言われなくても分かってます。こちらこそ、アシスタントとしての勉強になりましたし、楽しかったです。また、似たようなイベントがあれば、誘っていただければと思います」
電車がアシスタントの最寄り駅に到着した時、アシスタントは作家に「お疲れ様です」と会釈をして電車を降りたのだった。
この物語はフィクションが含まれます。最後まで読んでいただきありがとうございました。




